運営 / 更新 2026-10-15

訪問介護の頻回の訪問(20分未満)の算定要件:利用者・週5日・体制・月額上限

訪問介護には、前回の訪問から2時間の間隔を空けずに、20分未満の身体介護を何度か届ける「頻回の訪問」という算定の形があります。このページは、厚生労働省の告示と留意事項通知をもとに、利用者の状態、サービス担当者会議、24時間の連絡体制、定期巡回・随時対応型との関係、届出、算定した月の上限を順に整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護事業所が、前回の訪問から2時間の間隔を空けずに提供する20分未満の身体介護(頻回の訪問)を算定するための要件(利用者の状態、サービス担当者会議、週5日の必要性、24時間の連絡体制、定期巡回・随時対応型との関係、届出)と、算定した月の訪問介護費の上限を、告示と留意事項通知の文言で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、頻回の訪問の要件確認表(利用者ごとの要介護度と認知症・寝たきり度の区分、サービス担当者会議の開催日とサービス提供責任者の参加、週5日以上の必要性、24時間の連絡体制、届出の控え、月ごとの訪問介護費と上限の対比)を作成できる状態を目指します。

頻回の訪問とは:2時間の間隔を空けずに提供する20分未満の身体介護

算定基準の告示は、身体介護が中心の訪問介護のうち、所要時間が20分未満の場合を163単位と定めています。留意事項通知は、前回の訪問からおおむね2時間の間隔を空けずにサービスを提供することを「頻回の訪問」と呼び、この頻回の訪問を行える条件を定めています。

訪問が2時間未満の間隔で行われると所要時間を合算するのが原則で、20分未満の頻回の訪問はその例外にあたります。合算の原則と、緊急時訪問介護加算の場合を含む例外の全体は「訪問介護の訪問間隔が2時間未満のときの所要時間の合算と例外」にあります。このページは、そのうち頻回の訪問の要件だけを掘り下げます。

留意事項通知は、20分未満の身体介護で想定するサービスを、排泄介助、体位交換、服薬介助、起床介助、就寝介助など、利用者の生活で定期的に必要な短時間の身体介護だとしています。内容が単なる安否確認や健康チェックで、それに伴いわずかな身体介護を行うだけの場合は算定できません。

利用者の要件:要介護度ごとに、認知症または寝たきり度の区分が決まっている

「厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等」(平成27年厚生労働省告示第94号)の第一号は、次のいずれにも当てはまる利用者を対象にしています。1つ目は状態の要件、2つ目はサービス担当者会議の要件です。

状態の要件は、要介護1または要介護2で、周囲の者による日常生活に対する注意を必要とする認知症のある人、または要介護3〜5で、疾病や傷害、老衰による身体機能の低下から屋内の生活に介護を必要とする人です。留意事項通知は、前者を認知症高齢者の日常生活自立度のランクⅡ・Ⅲ・Ⅳ・M、後者を障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)のランクB以上と読み替えて示しています。

頻回の訪問の利用者の状態の要件(告示と留意事項通知から整理)
要介護度状態の要件
要介護1・2周囲の者による日常生活に対する注意を必要とする認知症(認知症高齢者の日常生活自立度のランクⅡ・Ⅲ・Ⅳ・M)
要介護3・4・5障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)のランクB以上

サービス担当者会議の要件:前3月に開催し、サービス提供責任者が参加し、週5日以上の必要性を判断する

もう1つの要件は、居宅介護支援事業所のケアマネジャーが開くサービス担当者会議で、おおむね1週間のうち5日以上、頻回の訪問を含む20分未満の身体介護が必要だと認められていることです。告示は、この会議にサービス提供責任者が参加し、3月に1回以上開かれている場合に限ると定めています。

留意事項通知は、会議が提供日の属する月の前3月の間に1度以上開かれ、サービス提供責任者が参加していなければならないとしています。1週間のうち5日以上を数えるときは、日中だけでなく、夜間・深夜・早朝のサービスを含めて差し支えないとも書かれています。

サービス担当者会議で訪問介護事業所が準備することは「サービス担当者会議で訪問介護事業所がすること」で確認できます。会議録の日付と参加者は、あとから要件を説明する根拠になります。

事業所の要件:24時間の連絡体制と、定期巡回・随時対応型との関係

「厚生労働大臣が定める基準」(平成27年厚生労働省告示第95号)の第一号は、事業所について、次のいずれにも適合することを求めています。利用者または家族から電話等で連絡があったときに常時対応できる体制にあること、そして事業者が定期巡回・随時対応型訪問介護看護の指定を併せて受けて一体的に事業を行っていること、または指定を併せて受ける計画を策定していることです。

指定を受ける計画を策定している場合は、要介護3〜5の利用者に訪問介護を行うものに限る、と告示は定めています。留意事項通知も、要介護1または要介護2の利用者に頻回の訪問を提供する場合は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所と一体的に運営しているものに限ると書いています。要介護1・2の利用者に提供したい事業所は、計画の段階では足りない点に注意します。

連絡に対応する職員について、留意事項通知は、営業時間中は事業所の職員が1以上配置されていなければならないとしています。その職員が連絡に対応できる体制を確保していれば利用者への訪問介護の提供もして差し支えなく、営業時間以外は併設する事業所等の職員や自宅で待機している事業所の職員でもよいとされています。2つのサービスの違いは「訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護の違い」で整理しています。

算定した月は、訪問介護費に上限がかかる

令和8年6月施行分を含む算定基準の告示は、頻回の訪問として20分未満の身体介護を算定する場合、その月の1月当たりの訪問介護費は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護費のイ(1)のうち、利用者の要介護状態区分に応じた所定単位数を限度とすると定めています。

留意事項通知は、頻回の訪問の要件を満たす事業所の利用者でも、その月に頻回の訪問を含まなければ、この上限は適用しないとしています。また、頻回の訪問として算定するときは、そのサービスが頻回の訪問にあたることを居宅サービス計画で位置付ける扱いが通知に示されています。上限の具体的な単位数は要介護度ごとに異なるため、請求の前に告示の単位数表で確認してください。

20分未満の身体介護を算定するときは、あわせて生活援助を引き続き行っても、その分の加算は認められません。算定基準の告示も、身体介護に引き続く生活援助の加算から20分未満の区分を算定する場合を除いており、緊急時訪問介護加算を算定する場合だけは通知上の扱いが異なります。引き続く生活援助の加算は「訪問介護の身体介護に引き続く生活援助加算」にあります。

届出と、このページの範囲

留意事項通知は、24時間の連絡体制と定期巡回・随時対応型との関係については届出を要するとしています。算定を始められる月は、体制等に関する届出の取扱いに準じます。提出の期限と算定開始月は「訪問介護の加算届出(体制等状況一覧表)の提出期限」で確認できます。

このページが確認したのは、厚生労働省の算定基準の告示(令和8年6月施行分を含む)、告示第94号と第95号、留意事項通知の平成27年度改正時の新旧対照表です(2026-10-15に確認)。その後の通知の改正で文言が変わっていないかは、指定権者の最新の資料で確認してください。個別の利用者が要件に当たるかの判断と、上限を超えそうなときの給付管理は、居宅介護支援事業所と指定権者に確認します。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 利用者ごとに、要介護1・2なら認知症高齢者の日常生活自立度(ランクⅡ以上)、要介護3〜5なら障害高齢者の日常生活自立度(ランクB以上)に当たるかを、ケアマネジャーの情報から表に書く
  2. 提供日の属する月の前3月に、サービス提供責任者が参加するサービス担当者会議が開かれ、おおむね週5日以上の頻回の訪問を含む20分未満の身体介護が必要と判断されたかを、会議録の日付で確認する
  3. 24時間の連絡体制と、定期巡回・随時対応型訪問介護看護との一体運営(要介護1・2の利用者に提供するとき)または指定を受ける計画があるかを確認し、届出の控えを残す
  4. 頻回の訪問を算定した月は、月の訪問介護費の合計が、要介護度に応じた定期巡回・随時対応型の単位数を超えないかを請求前に対比する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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