運営 / 更新 2026-10-24

訪問介護の常勤換算に入れる時間と入れない時間:待機・準備・休暇・登録ヘルパーの算定

訪問介護の人員基準は、訪問介護員等を常勤換算方法で2.5人以上と定めています。この計算の分子になる勤務延時間数に、どの時間を入れるかを、老企第25号の掲載版と厚生労働省のQ&Aで整理します。勤務表で位置付けた待機・準備の時間は入り、非常勤の休暇や出張は入らず、登録ヘルパーは別の算定方法です。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

分子に入れるのは、勤務表で明確にした時間

勤務延時間数に入るのは、勤務表上、サービスの提供に従事する時間か、サービス提供のための準備等を行う時間(待機の時間を含む)として明確に位置付けられている時間の合計です。待機時間は、勤務表で待機として位置付けてあれば入る、という読み方になります。

定義そのものは常勤・専ら従事・勤務延時間数の定義で整理しています。この記事は、その定義を日々の勤務表に当てはめる側を扱います。

この記事で決めること

訪問介護の管理者が、常勤換算で2.5人以上を確かめるとき、勤務延時間数に入れる時間と入れない時間、登録ヘルパーの算定を知りたい人向け。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、常勤換算の算入時間の確認表(1枚):職員ごとの勤務表上の時間、算入する時間と除く時間、常勤が勤務すべき時間数、換算後の員数を作成できる状態を目指します。

1人の算入時間には上限がある

老企第25号の掲載版は、従業者1人につき算入できる時間数の上限を、その事業所で常勤の従業者が勤務すべき時間数としています。残業などで上限を超えて働いた時間は、分子に足されません。

たとえば、常勤の勤務すべき時間数を週40時間とする事業所で、常勤2人と、週16時間勤務の非常勤5人がいれば、算入時間は40×2+16×5=160時間で、160÷40=4.0人になります。この数字は通知の考え方を当てはめた計算例で、実際の事業所の数字ではありません。

非常勤の休暇・出張の時間は入らない

厚生労働省の介護サービス関係Q&A集の全サービス共通・人員の先頭の問は、常勤換算方法で算定される従業者が出張や休暇を取った場合の扱いを聞いています。答えは、勤務延時間数は勤務表上でサービス提供や準備等として明確に位置づけられた時間なので、非常勤の従業者の休暇や出張の時間はサービス提供に従事する時間とはいえず、常勤換算する場合の勤務延時間数には含めない、というものです。

同じ答えは、常勤の従業者の休暇等の期間について、暦月で1月を超えるものでない限り、常勤の従業者として勤務したものとして取り扱う、とも書いています。つまり、常勤が数日休んでも常勤1人として数え、非常勤が休んだ日は、その日の分の時間が分子から減る形になります。

このQ&Aは平成14年3月28日の事務連絡で、現行の取扱いとの差は確認していません。1月を超える休みの扱いは、この答えに書かれていないため、指定権者に確かめてください。

登録ヘルパーは、前年度の週平均稼働時間か、勤務表に明記した時間

勤務日や勤務時間が不定期な訪問介護員等(登録訪問介護員等)の勤務延時間数は、老企第25号の掲載版が別に定めています。サービス提供の実績がある事業所は、登録訪問介護員等1人当たりの勤務時間数を、前年度の週当たりの平均稼働時間とします。ここでいう稼働時間は、サービス提供時間と移動時間です。

実績がない事業所、または実績が極めて短くてその方法が適当でない事業所は、確実に稼働できるものとして勤務表に明記されている時間だけを算入します。この場合も、勤務表上の時間はサービス提供の実績に即したものでなければならず、勤務表と実態が離れていると認められれば、勤務表の適正化の指導の対象になると通知は書いています。

新規開業でサービス提供の実績がない段階は、後者の方法に当たると読めます。実績が積み上がったあと、どちらの方法を使うかは、指定権者に確かめてください。勤務表に書いた時間が、あとで実績と大きく離れないように組むのが実務の要点です。

常勤換算の勤務延時間数の扱い(老企第25号の掲載版・Q&A集の整理)
場面書かれている扱い出典
サービス提供・準備・待機勤務表上、明確に位置付けられていれば算入老企第25号の掲載版
1人の算入の上限その事業所の常勤が勤務すべき時間数まで老企第25号の掲載版
非常勤の休暇・出張算入しない厚生労働省のQ&A集
登録ヘルパー(実績あり)前年度の週当たり平均稼働時間(サービス提供時間と移動時間)老企第25号の掲載版
登録ヘルパー(実績なし)確実に稼働できるとして勤務表に明記した時間だけ老企第25号の掲載版

兼務と出張所では、時間の数え方が変わる

兼務の従業者は、訪問介護の時間だけを数えます。訪問介護と訪問看護など複数の事業の指定を重複して受ける事業所で兼務するとき、老企第25号の掲載版は、訪問介護員等の勤務延時間数には訪問介護員等としての勤務時間だけを算入する、と書いています。看護の時間まで合算して1人分にはできません。

出張所等があるときは、常勤換算を行う際の事業所の訪問介護員等の勤務延時間数に、出張所等における勤務延時間数も含めます。出張所の要件は訪問介護のサテライト(出張所)の基準で扱っています。

短時間勤務の職員と、休業した職員の代替

育児・介護休業法の短時間勤務制度などを利用する職員は、週30時間以上の勤務で常勤換算上も1と扱います。介護保険最新情報Vol.941(令和3年度介護報酬改定に関するQ&A Vol.1)の問1が、母性健康管理措置としての勤務時間の短縮等を利用する職員とあわせて、そう定めています。常勤の計算でも30時間以上で常勤扱いですが、一般の短時間パートに当てはまる規定ではありません。

同じ問1は、常勤での配置が求められる職員が産前産後休業・育児休業・介護休業などを取得した場合に、同等の資質を有する複数の非常勤職員を常勤換算することで人員配置基準を満たすことを認めています。同等の資質とは、休業した職員の配置で満たしていた勤続年数や研修の修了など、基準や加算の算定要件として定められた資質を満たすことです。

この問は、休業中の職員の時間を勤務延時間数から除くかは述べていません。休業者・傷病手当金を受ける欠勤の期間の数え方は、確認した資料に直接の記載がないため、この記事では書いていません。育児・介護の休業の制度そのものは育児・介護休業の義務で読めます。

資料の範囲と、次に確かめること

厚生労働省が公開する老企第25号の新旧対照表の抄と掲載版、Q&A集、介護保険最新情報Vol.941を、2026年10月24日に確認しました。通知・Q&Aは改正が重ねられるため、現行の本文は指定権者に確かめてください。

自治体の運営指導の資料にある個別の指摘事例は、この記事では確認しておらず、書いていません。指定の可否や基準への適合を保証する記事ではありません。

算入時間の確認表を作ったら、職員ごとの算入・除外の根拠を、指定権者に聞いた日と回答とあわせて残してください。人員の全体像は訪問介護の人員基準、勤務表の様式は標準様式1の書き方から確認できます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 事業所で定める常勤の勤務すべき時間数(32時間を下回る場合は32時間を基本)を書き、職員ごとに勤務表上の勤務時間を並べて、1人の算入時間が常勤の時間数を超えていないかを確かめる
  2. サービス提供・準備・待機のうち勤務表に明確に位置付けた時間だけを算入欄に、休暇・出張の時間(非常勤)を除外欄に書き、移動時間の扱いを登録訪問介護員等の算定と分けて記録する
  3. 登録訪問介護員等は、実績があれば前年度の週当たり平均稼働時間(サービス提供時間と移動時間)、実績がなければ勤務表に明記した確実に稼働できる時間だけで算定し、勤務表と実態が離れていないかを月ごとに照らす
  4. 短時間勤務制度の利用者や休業者の代替の非常勤がいる場合は、通知・Q&Aのどの扱いを使うかを書き、事業所の算定結果と根拠を指定権者に聞いた日と回答とあわせて残す

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 常勤・専ら従事・勤務延時間数の定義:週32時間の基準と併設事業所の勤務時間の合算 →