運営 / 更新 2026-10-19

介護職員ができる服薬準備・湿布貼付・蓄尿バッグ接続の条件(令和7年12月通知)

令和7年12月26日の厚生労働省医政局長通知(医政発1226第12号、その3)は、お薬カレンダーへのセット、服薬の直前のPTPシートからの取り出し、湿布の貼付、蓄尿バッグの接続を、原則として医行為ではないと整理しました。ただし、どの行為にも条件があります。このページは、通知の別紙と注に書かれた条件と、訪問介護事業所が決めておく連携と記録を整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

通知の位置づけ:平成17年通知に無かった行為の整理

この通知の名称は「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(その3)」です。厚生労働省医政局長から各都道府県知事あてに、令和7年12月26日付けで出されました。規制改革実施計画(令和6年6月21日閣議決定)を受け、平成17年通知などに書かれていない行為のうち、介護現場等で行われることが多いものを整理したと、通知の前文にあります。

通知は、医師、看護師等の免許を持たない人が行ってよいかを判断するときや、ケアの提供体制を考えるときの参考として示されています。医行為に当たらない行為でも、患者の状態を踏まえて医師、歯科医師、薬剤師、看護職員と連携することや、必要に応じてマニュアルの作成や医療従事者による研修を行うことが適当だと、前文は添えています。

この記事で決めること

訪問介護事業所の運営者・サービス提供責任者が、令和7年12月26日の厚生労働省医政局長通知(その3)に書かれた、お薬カレンダーへのセット、PTPシートからの取り出し、湿布の貼付、蓄尿バッグの接続について、医行為ではないと整理された条件と、事業所で決めておく連携と記録を確かめるための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、令和7年12月26日通知(その3)の行為の実施確認表(利用者名、行為、医師・看護職員・薬剤師への確認日と内容、本人・家族の依頼、実施者、記録の様式、報告先)を作成できる状態を目指します。

お薬カレンダー・PTPシート・湿布:別紙の1が示す条件

別紙の1は、湿布の貼付などの医薬品の使用の介助について、条件がそろった場合の行為を示しています。医師、歯科医師または看護職員が、介助ができることを本人や家族に伝えていること、事前の本人や家族の具体的な依頼があることが前提です。

対象の医薬品は、医師の処方を受け、あらかじめ薬袋等で患者ごとに区分して渡されたものです。医師か歯科医師の処方、薬剤師の服薬指導、看護職員の保健指導・助言を守って行います。

具体的な行為は3つです。1つ目は、お薬カレンダーへ、一包化された等の医薬品をセットすることです。2つ目は、服薬の直前にPTPシートから薬剤を取り出すことです。

PTPシートはハサミなどで1つずつに切り離さないよう留意すると、通知の注記にあります。3つ目は、専門的な管理が必要ないことを医師か看護職員が確認した皮膚に、湿布を貼ることです。

ここでの湿布は、鎮痛・消炎の効能・効果を持つ貼付剤を指します。麻薬や向精神薬であるもの、ステロイド外用剤など専ら皮膚疾患に使うものは除かれます。

注1は、病状が不安定などで専門的な管理が必要な場合には、湿布の貼付も医行為とされることがあるとしています。そのため、介護サービス事業者はサービス担当者会議の開催時などに、必要に応じて、専門的な管理が必要な状態かを医師、歯科医師、薬剤師、看護職員に確認することが考えられるとしています。注2は、抗血栓薬のように特に安全管理が必要な医薬品などは、免許を持つ人が判断して内容を確認することを求めています。

蓄尿バッグの接続:別紙の2が示す条件

別紙の2は、医師または看護職員の立会いの下で安全に行えることを事前に確認された実施者が、次の場合に膀胱留置カテーテルと未開封・未使用の蓄尿バッグを接続することを示しています。蓄尿バッグの破損などで尿が漏れているのを確認したときと、蓄尿バッグが膀胱留置カテーテルから外れたときです。

注4は、実施するときの留意点を挙げています。実施前に、いつもと変わった様子がないかを観察します。蓄尿バッグは常に患者の膀胱より低い位置に置き、床につけません。

カテーテルや接続チューブが折れたり潰れたりしていないかを確認し、カテーテルは引っ張りません。手洗いをして手袋を着け、接続部は消毒綿で拭いてから接続します。

注6は、この行為は尿漏れなどを確認した場合の行為であり、定期的な交換は、医師または看護職員が膀胱留置カテーテルと蓄尿バッグの両方を交換するとしています。蓄尿バッグの交換について医師や看護職員の配置がある場合は、その指導の下で行うべきだともあります。

訪問介護事業所が決めておく連携と記録

注5は、患者本人と家族にわかりやすく説明し、介護職員が行う行為について相談できる環境づくりに努めることが望ましいとしています。また、必要に応じて、サービス担当者会議などで医師、歯科医師、薬剤師、看護職員に相談すること、書面などで指示を受けること、実施後に報告することを挙げています。看護職員による実施計画がある場合は、その計画に基づいて行い、結果を報告・相談するとあります(注6)。

訪問介護事業所では、利用者ごとに、どの行為を訪問介護員に任せるのか、誰に何を確認したのか、実施後にどこへ報告するのかを決めて記録に残しておくと整理しやすくなります。会議の進め方はサービス担当者会議とモニタリング、ケアマネジャーとの連絡はケアマネジャーとの連携で扱っています。

注3は、介護サービス事業者等が、事業を行う上でこれらの行為が安全に行われるよう監督することが求められるとしています。通知は、病状が急に変わったときなどに、医師、歯科医師、薬剤師、看護職員へ連絡して必要な措置を速やかにとることも求めています(注1)。事業所は、報告先と連絡先を訪問介護員に周知しておきます。

注7は、この整理は医師法などの解釈に関するもので、事故が起きた場合の刑事上・民事上の責任は別に判断されるとしています。通知で医行為ではないとされた行為でも、事故の責任は別に判断されます。

従来の範囲との関係と、この記事で確認した範囲

体温や血圧の測定、軟膏の塗布、内服薬の介助などの平成17年通知の範囲は医行為ではない行為の範囲と医薬品の使用の介助で、喀痰吸引など研修と登録が必要な行為は喀痰吸引等の実施体制で整理しています。

令和7年12月26日付けの通知本文(別紙と注1〜注7)を2026-10-19に確認しました。個別の利用者にこれらの行為を訪問介護員へ任せてよいかの判断、行為の手技、通知の後に出された他の通知やQ&Aの内容は確認しておらず、扱っていません。個別の判断は主治医、看護職員、薬剤師に確認してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. お薬カレンダーのセット、PTPシートからの取り出し、湿布の貼付、蓄尿バッグの接続を依頼された利用者ごとに、通知の別紙の条件(処方、薬袋での区分、本人・家族の具体的な依頼、医師・看護職員の確認)が満たされているかを確かめる
  2. サービス担当者会議などで、医師・歯科医師・薬剤師・看護職員に、専門的な管理が必要な状態でないか、抗血栓薬など特に安全管理が必要な薬が含まれないかを確認し、結果を記録に残す
  3. 蓄尿バッグの接続は、医師か看護職員の立会いの下で安全に行えると事前に確認された実施者だけに任せ、定期的な交換は医師か看護職員が行う取り決めを書面にする
  4. 実施後の報告先と、病状が急に変わったときの連絡先を、訪問介護員に周知し、手順書と記録の様式に反映する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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