運営 / 更新 2026-10-01

訪問介護の夜間・早朝・深夜の加算(100分の25・100分の50)と時間帯の判定

訪問介護の夜間・早朝・深夜の加算は、午後6時から午後10時までの夜間と午前6時から午前8時までの早朝に所定単位数の100分の25、午後10時から午前6時までの深夜に100分の50を、1回の訪問ごとに加える制度です。この記事は、厚生労働省の告示と留意事項通知(老企第36号)から、時間帯の定義、対象かどうかを決める開始時刻の考え方、20分未満の身体介護・2人訪問との関係、事業計画で見込むときの確認点を整理します。

この記事で決めること

夜間・早朝(100分の25)と深夜(100分の50)の加算の時間帯と、サービス開始時刻で対象を決める考え方、20分未満の身体介護・2人訪問との関係、事業計画で見込む点を理解するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、夜間・早朝・深夜の訪問の加算判定と見込みの点検表を作成できる状態を目指します。

夜間・早朝・深夜の時間帯と加算率(告示 訪問介護費 注9)

告示(指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準)は、訪問介護費の注9で、夜間を午後6時から午後10時まで、早朝を午前6時から午前8時まで、深夜を午後10時から午前6時までと定めています。夜間または早朝に指定訪問介護を行った場合は、1回につき所定単位数の100分の25に相当する単位数を加算し、深夜に行った場合は、1回につき100分の50に相当する単位数を加算します。

加算は「1回につき」で、月ごとにまとめて付く加算ではありません。告示がこの3つの加算の時間帯として定めているのは表の3つで、午前8時から午後6時までの時間帯に加算の定めはありません。

夜間・早朝・深夜の時間帯と加算率(告示 訪問介護費 注9)
区分時間帯加算の率(1回につき)
夜間午後6時から午後10時まで所定単位数の100分の25
早朝午前6時から午前8時まで所定単位数の100分の25
深夜午後10時から午前6時まで所定単位数の100分の50

対象かどうかはサービス開始時刻で決まる(留意事項通知)

留意事項通知は、居宅サービス計画上または訪問介護計画上、訪問介護のサービス開始時刻が加算の対象となる時間帯にある場合に、この加算を算定するものとしています。訪問が時間帯をまたぐときに、時間帯ごとに分けて計算する考え方ではなく、計画上の開始時刻がどの時間帯にあるかを見ます。

あわせて通知は、利用時間が長時間にわたる場合に、加算の対象となる時間帯におけるサービス提供時間が全体のサービス提供時間に占める割合がごくわずかなときは、この加算は算定できないとしています。「ごくわずか」を何分または何割以下とするかの数値は通知に示されていないため、開始時刻が対象の時間帯にあっても、対象時間帯にかかる時間が短い訪問は、算定してよいかを指定権者に確認します。

反対に、開始時刻が午後5時50分のように対象の時間帯の直前にある訪問は、開始時刻が夜間の時間帯にないため、通知の文言からは夜間の加算の対象になる開始時刻とは読めません。訪問の時刻は、居宅サービス計画と訪問介護計画で開始時刻をそろえて位置付けておきます。

端数処理と計算の流れ(通知の計算例)

夜間・早朝の加算後の単位数は所定単位数×1.25、深夜は所定単位数×1.5の考え方です。留意事項通知は、割合を掛ける加減算のたびに小数点以下を四捨五入するとしています。告示の身体介護が中心の30分以上1時間未満は387単位なので、これを夜間または早朝に行う場合を当サイトで試算すると、387×1.25=483.75を四捨五入して484単位です(通知の計算例ではなく、この記事の試算です)。

ほかの割合の加算や減算と重ねたときの四捨五入の順序は、訪問介護の介護報酬の算定構造で示しています。当サイトのシミュレーターは基本報酬・地域単価・稼働日数を基礎にしていて、夜間・早朝・深夜の加算は計算に含めていません。加算の範囲はシミュレーターが計算しない加算・減算の範囲で確認できます。

20分未満の身体介護と2人訪問での扱い

所要時間20分未満の身体介護中心型を、前回の訪問からおおむね2時間の間隔を空けずに提供する「頻回の訪問」は、対象者、サービス担当者会議、24時間体制、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所との関係などの要件をすべて満たす場合に行えます。要件は訪問間隔が2時間未満のときの所要時間の合算と例外で整理しています。留意事項通知は、サービス担当者会議で判断する「1週間のうち5日以上」の日数の計算に、日中だけでなく夜間、深夜および早朝のサービスも含めて差し支えないとしています。

2人の訪問介護員等による訪問(所定単位数の100分の200)では、留意事項通知は、単に安全確保のために深夜の時間帯に2人で訪問した場合は、利用者側の希望により利用者や家族の同意を得て行った場合を除き、100分の200は算定されないとしています。深夜の2人体制は、2人の訪問介護員等による訪問の要件の対象者の基準に当たるかで決まります。

事業計画で見込むときの確認点

見込みは、対象時間帯の訪問件数×その訪問の所定単位数×25%(深夜は50%)×地域ごとの1単位の単価の順に置きます。加算は基本報酬とは別の行にし、時間帯ごとの件数は、居宅サービス計画上の開始時刻から数えます。

夜間・早朝・深夜の訪問を受ける場合は、その時間帯に対応できる職員の配置、運営規程に定める営業日・営業時間、緊急時の連絡体制を先に決めます。緊急で計画にない訪問を行う場合の加算は緊急時訪問介護加算の算定要件で別に扱っています。夜勤の賃金の取扱いは、労務の専門家に確認してください。

個別の訪問が加算の対象になるかの最終判断は、指定権者と国保連の審査によります。この記事は厚生労働省の平成27年度改正版の留意事項通知と、告示の訪問介護費を確認した内容です。条文の号番号や細部が現行と異なる場合があるため、要件に迷う事例は指定権者へ確認してから請求します。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 居宅サービス計画と訪問介護計画で、訪問ごとの開始時刻を夜間(午後6時〜10時)・早朝(午前6時〜8時)・深夜(午後10時〜午前6時)に分けて記録する
  2. 開始時刻が対象の時間帯にあっても対象時間帯にかかる時間がごくわずかな訪問は、算定してよいかを指定権者へ確認する
  3. 夜間・早朝は所定単位数の100分の25、深夜は100分の50を、1回の訪問ごとに加算の行として分けて見込む
  4. 深夜の2人訪問と20分未満の身体介護は、それぞれの要件に当たるかを別に確認し、対応できる職員の配置と運営規程の営業時間を先に決める

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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