事業計画 / 更新 2026-10-30
夜間対応型訪問介護の事業計画書と収支:月989単位・巡回372単位・随時訪問567単位
夜間対応型訪問介護の事業計画書の収支は、基準で決まる夜間の員数、告示の単位数から組み立てる月の収入、自社で入れる費用の3つに分けると書けます。この記事は、基準と告示の原文を2026年10月30日に確かめ、収入の式と数値例、入力する項目を整理します。給与や端末機器の費用の平均値は扱いません。
事業計画書の収支に入れる項目と、数字の根拠
下の表は、収支に入れる項目ごとに、数字の根拠と、自社で確かめる点を並べたものです。基準や告示で決まる項目と、自社の数字を入れる項目を分けています。
夜間対応型訪問介護は、利用者の数に応じた月の基本の単位数と、定期巡回・随時訪問の回数に応じた単位数を足して収入にします。月額の定額だけの定期巡回・随時対応型訪問介護看護や小規模多機能型居宅介護と違い、回数が収入に直結する部分があります。
| 項目 | 根拠の数字 | 自社で確かめる点 |
|---|---|---|
| オペレーター | 提供する時間帯を通じて通報を受け付けるオペレーター1以上、利用者の面接などを行う者1以上(基準 第6条第1項第1号) | 勤務表で時間帯を通じて確保できるか |
| 定期巡回の訪問介護員等 | 交通事情、訪問頻度等を勘案し、必要な数以上(基準 第6条第1項第2号) | 巡回の回数と移動時間 |
| 随時訪問の訪問介護員等 | 提供する時間帯を通じて1以上が確保されるために必要な数以上(基準 第6条第1項第3号) | オペレーターとの兼務の可否 |
| 管理者 | 専らその職務に従事する常勤の管理者(基準 第7条) | 兼務できる範囲と給与 |
| 基本の収入 | 基本夜間対応型訪問介護費が1月につき989単位(告示 別表1) | 利用者の数と端末機器の配布体制 |
| 回数に応じた収入 | 定期巡回サービス費が1回につき372単位、随時訪問サービス費(Ⅰ)が1回につき567単位、(Ⅱ)が1回につき764単位(告示 別表2〜4) | 月ごとの訪問回数の見込み |
| 給与・端末機器・賃料ほか | この記事は数字を示さない | 見積書と求人条件で確かめた自社の数字 |
この記事で決めること
夜間対応型訪問介護の開業や訪問介護との併設を考える事業者が、事業計画書の収支に何を入れるのかを、基準の員数と告示の単位数から知り、利用者数と訪問回数から月の収入を見積もる式を確かめる。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、夜間対応型訪問介護の収支計画の入力表(利用者の数、定期巡回の月ごとの回数、随時訪問の月ごとの回数、夜間の勤務表、1単位の単価、人件費と固定費)を作成できる状態を目指します。
夜間の員数から決まる固定費:オペレーターと随時訪問は時間帯を通じて1以上
基準の第6条第1項は、置く従業者を3つに分けています。オペレーションセンター従業者は、提供する時間帯を通じて通報を受け付けるオペレーター1以上と、利用者の面接などを行う者1以上が確保される数です。定期巡回の訪問介護員等は交通事情と訪問頻度を勘案した必要な数、随時訪問の訪問介護員等は時間帯を通じて1以上が確保される数以上です。
訪問介護の人員基準のように常勤換算で何人以上と決めていないため、必要な人数は、提供する時間帯の長さと勤務表から自社で数えます。利用者が少ない開業直後の月でも、オペレーターと随時訪問の1以上は、時間帯を通じて確保する必要があり、ここが固定費の中心になります。
オペレーターは、看護師、介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者です。利用者の処遇に支障がなく、これらの者との連携を確保しているときは、1年以上(特に経験が必要な者として厚生労働大臣が定めるものは3年以上)サービス提供責任者の業務に従事した経験を有する者を充てることもできます(第2項)。厚生労働大臣が定める者の範囲は、この記事では確認していません。
管理者は、専らその職務に従事する常勤の者を置きます(第7条)。管理上支障がなければ、他の職務に従事でき、日中のオペレーションセンターサービスを行い、訪問介護の指定を併せて受けて一体的に運営するときは、訪問介護事業所の職務にも従事できます。設備や管理者の基準の細目は夜間対応型訪問介護の指定基準にまとめています。
人件費を抑える可能性がある兼務の条文
基準は、条件つきで兼務を認めています。第6条第6項は、利用者に対するオペレーションセンターサービスの提供に支障がない場合に、オペレーターが随時訪問サービスに従事できると定めています。第7項は、そのとき随時訪問サービスの提供に支障がなければ、随時訪問サービスを行う訪問介護員等を置かないことができるとしています。
第4項は、事業所の同一敷地内に短期入所生活介護事業所、特定施設、小規模多機能型居宅介護事業所、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院などがある場合に、入所者等の処遇に支障がなければ、その施設等の職員をオペレーターに充てることができるとしています。
これらは条件つきの特例で、利用者の数や通報の回数によっては支障が出ます。どの形で勤務表を作るかは、事業所を置く市町村の担当窓口に確かめてから、収支に入れてください。オペレーションセンターを置かない例外(第5条第2項)もありますが、定期巡回を行う訪問介護員等が通報を受けて適切に実施できると認められる場合に限られます。
月の収入の式:基本×利用者の数+定期巡回と随時訪問の回数×単位数
基本は月989単位、定期巡回は1回372単位、随時訪問は1回567単位(2人で行う場合は764単位)です。厚生労働省の告示(平成18年厚生労働省告示第263号)の別表で、基本夜間対応型訪問介護費、定期巡回サービス費、随時訪問サービス費(Ⅰ)と(Ⅱ)として定められています。基本は、利用者にオペレーションセンターへ通報できる端末機器を配布し、通報を受けることができる体制を整備している場合に算定します。
随時訪問サービス費(Ⅱ)は、1人の利用者に2人の訪問介護員等で随時訪問を行う場合の単位数です。利用者の身体的理由により1人での介護が困難な場合、暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為等が認められる場合などに当たり、利用者又はその家族等の同意を得たときに限ります。
夜間対応型訪問介護費(Ⅱ)は、告示(平成18年厚生労働省告示第126号)の別表で、1月につき2,702単位です。(Ⅰ)の単位数は別の告示が定め、どちらを算定するかは、厚生労働大臣が定める施設基準に適合して市町村長に届け出た区分で決まります。その基準の原文はこの記事では読んでいません。
収入は、(Ⅰ)の場合、利用者の数×989単位、定期巡回の月の回数×372単位、随時訪問の月の回数×567単位(2人で行う回数は764単位)を足した単位数に、1単位の単価を掛けた額です。1単位の単価は、予定する所在地の地域区分で決まります。同一建物の割合や加算は夜間対応型訪問介護費の単位数に整理しています。
数値例:利用者20人の月の収入
式を確かめるための仮の数字を置きます。利用者が20人で、定期巡回が1人あたり月10回で合計200回、随時訪問(Ⅰ)が月に合計15回、2人で行う随時訪問(Ⅱ)が月に合計2回だとします。
基本は20人×989=19,780単位、定期巡回は200回×372=74,400単位、随時訪問(Ⅰ)は15回×567=8,505単位、(Ⅱ)は2回×764=1,528単位で、合計は104,213単位です。1単位を仮に10円とすると、月の収入は1,042,130円です。同一建物の割合や加算、減算は入れていません。
この数字は、仕組みを確かめるための仮の値で、実際の利用者の数や回数ではありません。この例では収入の約7割が定期巡回の回数から出ており、巡回の計画が利用者の数と同じくらい収入を動かします。一方、夜間の員数は、利用者が20人でも200人でも、原則として時間帯を通じてオペレーターと随時訪問の1以上が必要です。
利用者の数が少ないうちに収入が人件費を下回る期間を見積もり、増やす計画と合わせて、運転資金の準備を決めます。通報が増える時期の訪問回数は、実績が出るまで幅を持たせて置きます。
費用側で自社の数字を入れる項目
費用は、オペレーター・訪問介護員等・管理者の給与、夜勤に関わる手当、社会保険料、事務所の賃料、利用者に配布する端末機器の費用、通報を受ける通信機器と記録のシステム、車両の費用に分けて書きます。この記事は、給与や費用の平均値を示しません。求人条件、見積書、契約条件で確かめた自社の数字を入れます。
人件費を収入と比べる考え方は訪問介護の人件費率にあります。月の定額で24時間の体制を組む近い型のサービスの収支は定期巡回・随時対応型訪問介護看護の事業計画書と収支で比べられ、運営の決まりは定期巡回・夜間対応型訪問介護の運営規程で確かめられます。
この記事で確認した範囲
確認したのは、夜間の員数と単位数の原文で、2026年10月30日に読んだ内容です。員数と兼務は指定地域密着型サービス基準の第5条・第6条・第7条をe-Gov法令検索で、単位数は厚生労働省の告示の別表で確かめました。
(Ⅰ)と(Ⅱ)を分ける施設基準、同一建物の割合の細目、24時間通報対応加算の基準、地域区分ごとの単価の値、端末機器や建物の費用、給与の平均値は確認しておらず、扱っていません。個別の事業所の収支は、自社の数字と、市町村への確認で決めてください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 提供する時間帯を決め、その時間帯を通じて通報を受け付けるオペレーター1以上と、随時訪問に当たる訪問介護員等1以上が確保される勤務表を作る。オペレーターが随時訪問を兼ねる場合と、同一敷地内の施設の職員をオペレーターにする場合は、基準の条文の条件を市町村に確かめる
- 利用者の数を月ごとに仮置きし、定期巡回の回数は利用者ごとの計画から、随時訪問の回数は通報の見込みから、回数を2つの表に分けて置く。随時訪問を2人で行う回数は別の行にする
- 月の収入は、基本の989単位×利用者の数、定期巡回372単位×回数、随時訪問567単位×回数、2人で行う764単位×回数を足した単位数に、1単位の単価を掛けて出す。基本・定期巡回・随時訪問の区分に当たるかは、市町村への届出の内容で確かめる
- 1単位の単価は、予定する所在地の地域区分で告示の表から確かめる。オペレーターと訪問介護員等の給与、通報用の端末機器、事務所の賃料は、求人条件と見積書の自社の数字を入れ、利用者が少ない開業直後の月に収入が人件費を下回る期間を見積もる
関連ガイドで計画をつなぐ
隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
夜間対応型訪問介護の事業計画書の収支は、何から組み立てますか?
基準の員数に基づく夜間の人件費と、告示の単位数から出す月の収入に分けて組み立てます。単位数は、基本夜間対応型訪問介護費が1月につき989単位、定期巡回サービス費が1回につき372単位、随時訪問サービス費(Ⅰ)が1回につき567単位、2人で訪問する(Ⅱ)が764単位です。
夜間対応型訪問介護では、オペレーターと訪問介護員等を何人置きますか?
基準の第6条は、提供する時間帯を通じて、オペレーターとして1以上と、随時訪問に当たる訪問介護員等1以上が確保されるために必要な数を求めています。定期巡回は、交通事情と訪問頻度を考えて必要な数です。利用者の処遇に支障がなければ、オペレーターが随時訪問サービスに従事する形もあります。
夜間対応型訪問介護費(Ⅱ)の月の単位数はいくらですか?
告示の別表は、夜間対応型訪問介護費(Ⅱ)を1月につき2,702単位と定めています。(Ⅰ)の単位数は別の告示が定め、どちらを算定するかは厚生労働大臣が定める施設基準に適合して市町村長に届け出た区分で決まります。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「介護保険法 第78条の2(指定地域密着型サービス事業者の指定)」(第78条の2第1項・第2項・第4項第1号・第2号・第4号)(確認日 2026-10-17)
- 厚生労働省「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)別表 1 定期巡回・随時対応型訪問介護看護費、2 夜間対応型訪問介護費」(別表 2 夜間対応型訪問介護費 イ(別に厚生労働大臣が定める単位数)・ロ(1月につき2,702単位)と注1〜注10、ハ 認知症専門ケア加算、ニ サービス提供体制強化加算、ホ 介護職員等処遇改善加算。別表 1 定期巡回・随時対応型訪問介護看護費 ニ 初期加算(30単位)、ホ 退院時共同指導加算(600単位)、ヘ 総合マネジメント体制強化加算、ト 生活機能向上連携加算、チ 認知症専門ケア加算、リ 口腔連携強化加算、ヌ サービス提供体制強化加算)(確認日 2026-10-19)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める夜間対応型訪問介護費に係る単位数(平成18年厚生労働省告示第263号)別表」(別表 1 基本夜間対応型訪問介護費(1月につき989単位)、2 定期巡回サービス費(1回につき372単位)、3 随時訪問サービス費(Ⅰ)(1回につき567単位)、4 随時訪問サービス費(Ⅱ)(1回につき764単位)と各注)(確認日 2026-10-19)