運営 / 更新 2026-10-17

夜間対応型訪問介護の指定基準:オペレーションセンター・随時訪問の人員と訪問介護との違い

夜間対応型訪問介護は、夜間に定期的な巡回と通報への対応を行う地域密着型サービスで、指定は市町村長が行います。この記事は、訪問介護の事業者が夜間の体制を事業に加えることを考えるときに、介護保険法第78条の2と、指定地域密着型サービス基準第4条〜第8条・第12条を読み、オペレーションセンター・オペレーター・訪問介護員等・管理者・設備を訪問介護の基準と比べるための整理です。指定の申請手順、報酬、個別の事業所が基準を満たすかの判断は扱いません。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

指定するのは市町村長:効力はその市町村の被保険者に限られる

訪問介護は都道府県知事が指定しますが、夜間対応型訪問介護は地域密着型サービスで、指定は市町村長が行います。介護保険法第78条の2第1項は、指定は事業所ごとに行い、指定をする市町村長がその長である市町村が行う介護保険の被保険者への給付について効力を有すると定めています。

第4項は、申請者が市町村の条例で定める者でないとき、従業者や人員が市町村の条例で定める基準を満たしていないとき、事業所が市町村の区域の外にあって所在地の市町村長の同意を得ていないときなどは、指定をしてはならないと定めています。事業所を置く市町村の担当窓口に、申請できる者の条件と公募の有無を確かめる必要があります。

この記事は、全国共通の基準省令(指定地域密着型サービス基準)の部分だけを扱います。市町村の条例の内容は読んでいないため、書いていません。

この記事で決めること

訪問介護の事業者が夜間の定期巡回や通報への対応を事業に加えることを考えるときに、夜間対応型訪問介護の指定する者、オペレーションセンター、オペレーター・訪問介護員等・管理者・設備の基準を条文で確かめ、訪問介護の基準との違いと自社で足りない点を洗い出すための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、夜間対応型訪問介護の基準チェック表(事業所の所在する市町村と担当窓口・オペレーションセンターの設置場所と置かない場合の見込み・オペレーターの候補と資格・定期巡回と随時訪問の訪問介護員等の候補・管理者の候補・通信機器と利用者に配る端末の見込み・市町村に確かめた日と回答)を作成できる状態を目指します。

3つのサービス:定期巡回・オペレーションセンター・随時訪問

基準第4条は、要介護状態となった利用者が可能な限り居宅で自立した日常生活を営めるよう、夜間において、定期的な巡回または随時通報により居宅を訪問し、排せつの介護、日常生活上の緊急時の対応などの援助を行うと基本方針を定めています。

第5条第1項は、この援助のために、定期巡回サービス、オペレーションセンターサービス、随時訪問サービスの3つを提供するとしています。オペレーションセンターサービスは、あらかじめ利用者の心身の状況や環境を把握したうえで、随時利用者からの通報を受け、通報の内容などから訪問介護員等の訪問が必要かどうかを判断するサービスです。随時訪問サービスは、オペレーションセンターなどからの随時の連絡に対応して行う訪問です。

第5条第2項は、オペレーションセンターを通常の事業の実施地域内に1か所以上置くと定めています。ただし、定期巡回サービスを行う訪問介護員等が利用者からの通報を受けることで適切にオペレーションセンターサービスを行えると認められる場合は、置かないことができます。

訪問介護の夜間・早朝・深夜加算は、訪問介護の報酬に付く加算で、夜間対応型訪問介護とは別の仕組みです。加算の時間帯と加算率は訪問介護の夜間・早朝・深夜加算の時間帯と加算率(100分の25・50)で整理しています。この記事は、夜間の時間帯の定め方と報酬は扱いません。

従業者の員数:オペレーター・定期巡回・随時訪問の訪問介護員等

基準第6条第1項は、置くべき従業者を3つに分けています。オペレーションセンター従業者は、指定夜間対応型訪問介護を提供する時間帯を通じて通報を受け付けるオペレーターとして1以上と、利用者の面接その他の業務を行う者として1以上が確保されるために必要な数以上です。

定期巡回サービスを行う訪問介護員等は、交通事情や訪問頻度を勘案し、適切に提供するために必要な数以上です。随時訪問サービスを行う訪問介護員等は、提供する時間帯を通じて1以上が確保されるために必要な数以上です。

訪問介護の人員基準が訪問介護員等の常勤換算方法で2.5以上と数を定めるのに対し、夜間対応型訪問介護は、時間帯を通じて1以上が確保されることと、必要な数以上という書き方です。

第2項は、オペレーターを看護師、介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者としています。利用者の処遇に支障がなく、提供する時間帯を通じてこれらの者との連携を確保しているときは、1年以上(特に経験が必要な者として厚生労働大臣が定めるものは3年以上)サービス提供責任者の業務に従事した経験がある者を充てることもできます。厚生労働大臣が定める者の範囲は、この記事では確認していません。

第3項は、オペレーターは専らその職務に従事する者としつつ、利用者の処遇に支障がなければ、定期巡回サービス、同一敷地内の指定訪問介護事業所や指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所の職務、利用者以外の者からの通報を受け付ける業務に従事できるとしています。第5項は、随時訪問サービスを行う訪問介護員等も専らその提供に当たる者とし、支障がなければ定期巡回サービスや同一敷地内の指定訪問介護事業所などの職務に従事できるとしています。第6項・第7項は、オペレーターが随時訪問サービスに従事できる場合と、その場合に随時訪問の訪問介護員等を置かないことができる場合を定めています。

管理者と設備:兼務の範囲と、通報のための機器

基準第7条は、事業所ごとに専らその職務に従事する常勤の管理者を置くと定め、管理上支障がなければ、事業所の他の職務や、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の指定を併せて受けて一体的に運営する他の事業所などの職務に従事できるとしています。日中のオペレーションセンターサービスを行う場合で、指定訪問介護事業者の指定を併せて受けて一体的に運営するときは、指定訪問介護事業所の職務にも従事できます。

第8条第1項は、事業の運営に必要な広さの専用の区画と、必要な設備及び備品等を備えると定めています。第2項は、オペレーションセンターごとに、利用者の心身の状況などの情報を蓄積できる機器等と、随時通報を受けられる通信機器等を備え、必要に応じてオペレーターに携帯させるとしています。情報を蓄積する体制があり、オペレーターが常時閲覧できる場合は、前者の機器等は備えないことができます。

第3項は、利用者が援助を必要とするときに適切にオペレーションセンターへ通報できるよう、通信のための端末機器を配布するとしています。利用者が適切に随時の通報を行える場合は、この限りではありません。第12条は、サービスの提供中に利用者の病状が急変した場合などに、速やかに主治の医師へ連絡するなどの措置を講じるとしています。

訪問介護の基準との比較

指定する者、人員、通報の体制、設備のいずれも、訪問介護の基準とは構成が異なります。

夜間対応型訪問介護と訪問介護の指定・人員・管理者・設備の基準(地域密着型基準第4条〜第8条・第12条、居宅サービス基準第4条〜第7条)
項目夜間対応型訪問介護訪問介護
指定する者市町村長。その市町村の被保険者への給付についてのみ効力(法第78条の2第1項)都道府県知事
提供するサービス定期巡回サービス・オペレーションセンターサービス・随時訪問サービス(第5条)入浴・排せつ・食事の介護その他の生活全般にわたる援助(居宅サービス基準第4条)
従業者オペレーター1以上と面接等を行う者1以上、定期巡回は必要数以上、随時訪問は時間帯を通じて1以上(第6条)訪問介護員等を常勤換算方法で2.5以上(居宅サービス基準第5条第1項)
通報を受ける者オペレーターは看護師・介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者などで、専ら従事(第6条第2項・第3項)通報の受付を担う職種の定めなし。サービス提供責任者を置く(居宅サービス基準第5条第2項)
管理者専らその職務に従事する常勤。支障がなければ兼務可(第7条)専らその職務に従事する常勤。支障がなければ兼務可(居宅サービス基準第6条)
設備専用の区画のほか、オペレーションセンターごとの情報蓄積の機器等と通信機器等、利用者への端末の配布(第8条)専用の区画と必要な設備及び備品等(居宅サービス基準第7条)

訪問介護の事業者が確かめる順番

以下は条文の定めではなく、事業所内の進め方の例です。まず、事業所を置く予定の市町村の担当窓口に、申請できる者の条件と公募の有無を確かめます。市町村の条例と運用が、広がれるかどうかを左右するためです。

次に、オペレーションセンターを置く場所、オペレーターの資格、夜間の時間帯を通じて随時訪問に当たる訪問介護員等の確保、通報のための機器と利用者に配る端末の見込みを書きます。夜間の人員を何人で組むか、費用と報酬の見合いは、この記事の範囲外です。

ほかのサービスとの指定の主体と人員の比べ方は訪問介護から広げる5サービスの比較:指定の主体・人員・管理者の兼務で、定期巡回・随時対応型訪問介護看護との違いは訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護の違い:報酬・人員・併設の考え方で確認できます。

同じ地域密着型サービスの小規模多機能型居宅介護の基準は小規模多機能型居宅介護の指定基準:市町村が指定、員数・管理者・登録定員で、訪問介護自体の人員基準は訪問介護の人員基準(必要人数・常勤換算2.5以上・サービス提供責任者・管理者の兼務)で確認できます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 夜間対応型訪問介護を置く予定の市町村を決め、担当窓口に、申請できる者の条件(市町村の条例)と公募の有無を確かめ、確かめた日と回答をチェック表の最初の行に書く
  2. オペレーションセンターを置く場所(通常の事業の実施地域内に1か所以上)と、置かない場合に当たる運用の見込みを書き、オペレーターの候補が看護師・介護福祉士などの資格を持つか、サービス提供責任者の経験で充てるなら年数と連携の体制を確かめる
  3. 定期巡回サービスと随時訪問サービスを行う訪問介護員等の候補を書き、提供する時間帯を通じて随時訪問に当たる者が1以上確保できるか、兼務できる範囲を整理する
  4. 専らその職務に従事する常勤の管理者の候補と、利用者の心身の状況を蓄積する機器・通報を受ける通信機器・利用者に配る端末の見込みを書き、チェック表を持って市町村の担当窓口に相談して、確かめた日と回答を記録する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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