運営 / 更新 2026-10-26
特養の排せつ支援加算:10・15・20単位と評価・支援計画の要件
特別養護老人ホームの排せつ支援加算は、入所者ごとに排せつに係る支援を継続して行ったときに、1月につき加算するものです。単位数は(Ⅰ)10単位、(Ⅱ)15単位、(Ⅲ)20単位で、(Ⅱ)と(Ⅲ)は入所時と比べた結果の要件が加わります。この記事では、告示にある単位数、評価と支援計画の要件、(Ⅱ)(Ⅲ)の結果の要件を整理します。
告示のラが定める単位数と、算定の単位
指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号)別表の介護福祉施設サービスのラが、この加算を定めています。届出を行った特別養護老人ホームが、継続的に入所者ごとの排せつに係る支援を行った場合に、1月につき所定の単位数を加算します。2026年10月26日に、厚生労働省が掲載する告示の本文で確かめました。
(Ⅰ)から(Ⅲ)までのいずれかを算定している月は、ほかの区分を算定しません。区分の選び方は、次の節で整理する基準にどこまで当てはまるかで決まります。
| 区分 | 単位数(1月につき) | 基準の置き方 |
|---|---|---|
| 排せつ支援加算(Ⅰ) | 10単位 | 評価、支援計画、3月に1回の見直し |
| 排せつ支援加算(Ⅱ) | 15単位 | (Ⅰ)の基準に加え、排尿・排便の改善、おむつの使用をやめたこと、尿道カテーテルの抜去のいずれか |
| 排せつ支援加算(Ⅲ) | 20単位 | (Ⅰ)の基準に加え、排尿・排便の改善と、おむつの使用をやめたことの両方 |
この記事で決めること
特別養護老人ホームの事業者が、排せつ支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)の単位数、評価と支援計画の要件、(Ⅱ)(Ⅲ)で求められる排尿・排便の改善やおむつ・尿道カテーテルの結果を告示の原文で確かめたい人向け。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、排せつ支援加算の確認表(入所者ごとの入所時と3月ごとの評価の日付、支援計画の有無、排尿・排便・おむつ・尿道カテーテルの入所時との比較、厚生労働省への情報提出の記録)を作成できる状態を目指します。
(Ⅰ)の基準:医師等の評価、支援計画、3月に1回の見直し
算定の基準は、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)の第七十一号の三が定めています。(Ⅰ)は3つの基準のすべてに当てはまる必要があります。
1つ目は、入所者ごとに、要介護状態の軽減の見込みについて、医師または医師と連携した看護師が、施設入所時に評価し、その後少なくとも3月に1回評価することです。
あわせて、その評価の結果などの情報を厚生労働省に提出し、排せつ支援を行うときに、提出する情報などを活用しているものとされています。
2つ目は、評価の結果、排せつに介護を要する入所者で、適切な対応により要介護状態の軽減が見込まれる人について、医師、看護師、介護支援専門員その他の職種が共同して、排せつに介護を要する原因を分析し、それに基づく支援計画を作って、支援を継続して実施していることです。3つ目は、評価に基づき、少なくとも3月に1回、入所者ごとに支援計画を見直していることです。情報の提出については、訪問介護にLIFEの提出は必要かでLIFEの考え方を整理しています。
(Ⅱ)と(Ⅲ)の追加の基準:入所時と比べた結果
(Ⅱ)は、(Ⅰ)の3つの基準に加えて、次の(一)から(三)までのいずれかに当てはまる必要があります。(一)は、評価の結果、要介護状態の軽減が見込まれる人について、入所時と比べて、排尿または排便の状態の少なくとも一方が改善し、どちらにも悪化がないことです。
(二)は、入所時におむつを使っていて要介護状態の軽減が見込まれる人が、おむつを使わなくなったことです。(三)は、入所時に尿道カテーテルが留置されていて要介護状態の軽減が見込まれる人が、尿道カテーテルを抜去したことです。
(Ⅲ)は、(Ⅰ)の3つの基準に加えて、(Ⅱ)の(一)と(二)の両方に当てはまる必要があります。(Ⅱ)が3つのうちのいずれかで足りるのに対し、(Ⅲ)は排尿・排便の改善と、おむつの使用をやめたことの2つとも求められる点が違いです。尿道カテーテルの抜去は、(Ⅲ)の基準には含まれていません。
どの入所者がどの結果に当たるかは、入所時の状態の記録と並べて確かめます。
| 結果の内容 | (Ⅰ) | (Ⅱ) | (Ⅲ) |
|---|---|---|---|
| (一)排尿または排便の少なくとも一方が改善し、どちらにも悪化がない | 求めない | (一)(二)(三)のいずれか | 必要 |
| (二)入所時におむつを使っていた人が、おむつを使わなくなった | 求めない | (一)(二)(三)のいずれか | 必要 |
| (三)入所時に尿道カテーテルが留置されていた人が、抜去された | 求めない | (一)(二)(三)のいずれか | 求めない |
事業所で確かめる順番:評価の日付、支援計画、入所時との比較
最初に、入所者ごとの入所時の評価と、その後3月に1回の評価の日付を書き出します。評価をした人が、医師または医師と連携した看護師であることも記録で確かめます。次に、排せつに介護を要し軽減が見込まれる入所者について、原因の分析を含む支援計画と、3月に1回の見直しの記録を並べます。
(Ⅱ)や(Ⅲ)を考えるときは、入所時の排尿・排便の状態、おむつの使用、尿道カテーテルの有無を、現在と並べて残します。基本単位数は特別養護老人ホームの単位数に、人員の基準は特別養護老人ホームの指定基準に、ほかの加算は夜勤職員配置加算と看取り介護加算にあります。届出の様式と時期は、都道府県などの指定権者に確かめてください。
この記事で確認した範囲
2026年10月26日に、厚生労働省が掲載する告示(平成12年厚生省告示第21号の介護福祉施設サービスのラ、平成27年厚生労働省告示第95号の第七十一号の三)の本文を確認しました。単位数と基準の文言を写しています。
留意事項通知の細かな運用、評価や支援計画の様式、情報の提出の方法は、この記事では扱っていません。地域密着型介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院の排せつ支援加算は、告示の区分が別です。実際の算定は指定権者の判断によるため、算定を保証する記事ではありません。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 入所者ごとに、医師または医師と連携した看護師が、要介護状態の軽減の見込みを入所時に評価した日付と、その後3月に1回の評価の日付を書き出す
- 評価の結果、排せつに介護を要し軽減が見込まれる入所者について、医師、看護師、介護支援専門員などが原因を分析して作った支援計画と、3月に1回の見直しの記録を並べる
- 入所時と比べて、排尿または排便の改善、おむつを使わなくなったこと、尿道カテーテルの抜去のどれが起きたかを入所者ごとに記録し、(Ⅱ)の(一)から(三)のいずれか、(Ⅲ)の排尿・排便の改善とおむつの使用をやめたことの両方のどれに当たるかを告示の文言と照らす
- 評価の情報を厚生労働省へ提出した記録を確かめ、提出の方法と時期は、留意事項通知の現行の本文を指定権者の案内で確かめて日付を残す
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号)別表 1 介護福祉施設サービス イ〜マと注」(別表 1 介護福祉施設サービス イ 介護福祉施設サービス費、ロ ユニット型介護福祉施設サービス費、注1〜注23、ハ 初期加算〜ヤ サービス提供体制強化加算(ナ 褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)3単位・(Ⅱ)13単位、ラ 排せつ支援加算(Ⅰ)10単位・(Ⅱ)15単位・(Ⅲ)20単位を含む。いずれも1月につき)、マ 介護職員等処遇改善加算(1ページ目))(確認日 2026-10-19)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第六十五号の三・第六十七号・第八十六号の三・第八十六号の四(栄養マネジメント強化加算・経口維持加算)」(第六十五号の三(栄養マネジメント強化加算の基準・イ〜ホ)、第八十六号の四(介護福祉施設サービスは第六十五号の三を準用し読み替え)、第六十七号(経口維持加算の基準・イ〜ホ)、第八十六号の三(注8の基準)、第七十一号の二(褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)(Ⅱ)の基準。介護福祉施設サービスを含む)、第七十一号の三(排せつ支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)の基準。介護福祉施設サービスを含む))(確認日 2026-10-26)