運営 / 更新 2026-10-20

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の指定基準:看護職員2.5以上・オペレーター

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、指定を市町村長が行う地域密着型サービスです。定期的な巡回と通報への対応で自宅の生活を支えます。この記事は、訪問介護の事業者がこのサービスを事業に加えることを考えるときに、介護保険法第78条の2と、指定地域密着型サービス基準第3条の3〜第3条の6・第3条の41・第3条の42を読み、オペレーター・訪問介護員等・看護職員・計画作成責任者・管理者・設備を訪問介護の基準と比べるための整理です。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

指定するのは市町村長:効力はその市町村の被保険者に限られる

訪問介護は都道府県知事が指定しますが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は地域密着型サービスで、指定は市町村長が行います。介護保険法第78条の2第1項は、指定は事業所ごとに行い、指定をする市町村長がその長である市町村が行う介護保険の被保険者への給付について効力を有すると定めています。

第4項は、申請者が市町村の条例で定める者でないとき、従業者や人員が市町村の条例で定める基準を満たしていないとき、事業所が市町村の区域の外にあって所在地の市町村長の同意を得ていないときなどは、指定をしてはならないと定めています。事業所を置く市町村の担当窓口に、申請できる者の条件と公募の有無を確かめる必要があります。

ここから先は、市町村の条例の基になる基準省令(指定地域密着型サービス基準)の部分です。公募の有無などの運用は、市町村ごとに異なります。

この記事で決めること

訪問介護の事業者が定期巡回・随時対応型訪問介護看護を事業に加えることを考えるときに、指定する者、オペレーター・訪問介護員等・看護職員・計画作成責任者・管理者・設備の基準と、訪問看護を自ら行う型と連携する型の違いを条文で確かめ、訪問介護の基準との違いと自社で足りない点を洗い出すための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の基準チェック表(事業所の所在する市町村と担当窓口・看護職員を自社で置くか訪問看護事業者と連携するかの見込み・オペレーターの候補と資格・随時訪問の訪問介護員等の候補・計画作成責任者の候補・管理者の候補・通信機器と利用者に配る端末の見込み・市町村に確かめた日と回答)を作成できる状態を目指します。

4つのサービス:定期巡回・随時対応・随時訪問・訪問看護

基準第3条の2は、基本方針として、居宅での自立した日常生活を支える事業と定めています。

具体的には、定期的な巡回または随時通報により居宅を訪問し、入浴、排せつ、食事等の介護、日常生活上の緊急時の対応などの援助を行います。あわせて療養生活を支援し、心身の機能の維持回復を目指します。

第3条の3は、この援助のために、4つのサービスを提供するとしています。定期巡回サービスは、訪問介護員等が定期的に利用者の居宅を巡回して行う日常生活上の世話です。随時対応サービスは、あらかじめ利用者の心身の状況や環境を把握したうえで、利用者や家族からの通報を受け、相談援助を行うか、訪問介護員等の訪問や看護師等による対応が必要かを判断するサービスです。

随時訪問サービスは、その判断に基づいて訪問介護員等が居宅を訪問して行う日常生活上の世話です。訪問看護サービスは、看護師等が居宅を訪問して行う療養上の世話または必要な診療の補助です。訪問介護は入浴・排せつ・食事の介護その他の生活全般にわたる援助を訪問で行うサービスなので、通報への対応と看護が加わる点が違いです。

従業者の員数:オペレーター・訪問介護員等・看護職員・計画作成責任者

基準第3条の4第1項は、事業所ごとに置く従業者を4つに分けています。オペレーターは、サービスを提供する時間帯を通じて1以上が確保されるために必要な数以上です。

定期巡回サービスを行う訪問介護員等は、交通事情や訪問頻度を勘案し、適切に提供するために必要な数以上です。随時訪問サービスを行う訪問介護員等は、時間帯を通じて1以上が確保されるために必要な数以上です。

訪問看護サービスを行う看護師等は、保健師・看護師・准看護師(看護職員)が常勤換算方法で2.5以上、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は事業所の実情に応じた適当数です。第9項は看護職員のうち1以上を常勤の保健師または看護師とし、第10項は看護職員のうち1以上を、提供時間帯を通じて事業者との連絡体制が確保された者とするとしています。

第2項は、オペレーターを看護師、介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者としています。利用者の処遇に支障がなく、提供時間帯を通じて看護師、介護福祉士等または看護職員との連携を確保しているときは、サービス提供責任者の業務に1年以上(特に経験が必要な者として厚生労働大臣が定めるものは3年以上)従事した経験がある者を充てることもできます。厚生労働大臣が定める者の範囲は、この記事では確認していません。

第3項は、オペレーターのうち1以上を常勤の看護師、介護福祉士等とするとしています。

第11項は、看護師、介護福祉士等である従業者のうち1以上を、定期巡回・随時対応型訪問介護看護計画の作成に従事する計画作成責任者とするとしています。訪問介護では、サービス提供責任者を置く定めが別にあります。

兼務の範囲:オペレーターと随時訪問の訪問介護員等

第4項は、オペレーターを専らその職務に従事する者としています。

利用者の処遇に支障がない場合は、同じ事業所の定期巡回サービスや訪問看護サービスの職務に従事できます。同一敷地内の指定訪問介護事業所・指定訪問看護事業所・指定夜間対応型訪問介護事業所の職務や、利用者以外の者からの通報を受け付ける業務も同じです。

第5項は、同一敷地内に指定短期入所生活介護事業所、指定特定施設、指定小規模多機能型居宅介護事業所、指定認知症対応型共同生活介護事業所、指定地域密着型介護老人福祉施設、指定介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院などがある場合に、入所者等の処遇に支障がなければ、その施設等の職員をオペレーターに充てることができると定めています。

第6項は、随時訪問サービスを行う訪問介護員等も専ら随時訪問の提供に当たる者とし、支障がなければ同じ事業所の定期巡回サービスや同一敷地内の指定訪問介護事業所などの職務に従事できるとしています。第7項・第8項は、随時対応サービスの提供に支障がなければオペレーターが随時訪問サービスに従事でき、その間に随時訪問サービスの提供に支障がなければ、随時訪問の訪問介護員等を置かないことができると定めています。

管理者と設備:兼務の範囲と、通報のための機器

基準第3条の5は、事業所ごとに専らその職務に従事する常勤の管理者を置くと定め、管理上支障がなければ、事業所の他の職務や、他の事業所・施設等の職務に従事できるとしています。

第3条の6第1項は、事業の運営に必要な広さの専用の区画と、必要な設備及び備品等を備えると定めています。第2項は、事業所ごとに、利用者の心身の状況等の情報を蓄積できる機器等と、随時通報を受けられる通信機器等を備え、必要に応じてオペレーターに携帯させるとしています。情報を蓄積する体制があり、オペレーターが常時閲覧できる場合は、前者の機器等は備えないことができます。

第3項は、利用者が援助を必要とするときに適切にオペレーターへ通報できるよう、通信のための端末機器を配布するとしています。利用者が適切に随時の通報を行える場合は、この限りではありません。

訪問看護サービスを自ら行う型と、訪問看護事業者と連携する型

基準第3条の3の訪問看護サービスは、介護保険法第8条第15項第1号に当たる定期巡回・随時対応型訪問介護看護の一部です。同項第2号に当たるものは連携型と呼ばれ、第3条の41は、連携型の事業所には第3条の4の看護師等の員数(第1項第4号)と、看護職員の常勤・連絡体制に関する第9項・第10項、第12項を適用しないと定めています。第2項にも、計画の作成などに関する適用除外があります。

連携型の事業者は、第3条の42により、利用者に指定訪問看護を提供する指定訪問看護事業者と連携しなければなりません。契約に基づき、アセスメント、随時対応サービスの提供に当たっての連絡体制の確保、介護・医療連携推進会議への参加、そのほか提供に必要な指導及び助言について、連携先の協力を得る必要があります。

看護職員を自社で確保できるか、訪問看護事業者と契約して連携するかは、確かめる点の一つです。

訪問介護の基準との比較

指定する者、人員、通報の体制、設備のいずれも、訪問介護の基準とは構成が異なります。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護と訪問介護の指定・人員・管理者・設備の基準(地域密着型基準第3条の3〜第3条の6、居宅サービス基準第4条〜第7条)
項目定期巡回・随時対応型訪問介護看護訪問介護
指定する者市町村長。その市町村の被保険者への給付についてのみ効力(法第78条の2第1項)都道府県知事
提供するサービス定期巡回・随時対応・随時訪問・訪問看護の4つ(第3条の3)入浴・排せつ・食事の介護その他の生活全般にわたる援助(居宅サービス基準第4条)
従業者オペレーター、定期巡回と随時訪問の訪問介護員等、訪問看護サービスを自ら行う型は看護職員を常勤換算方法で2.5以上(第3条の4、連携型は適用除外)訪問介護員等を常勤換算方法で2.5以上(居宅サービス基準第5条第1項)
計画をつくる者看護師、介護福祉士等のうち1以上が計画作成責任者(第3条の4第11項)サービス提供責任者を置く(居宅サービス基準第5条第2項)
管理者専らその職務に従事する常勤。支障がなければ兼務可(第3条の5)専らその職務に従事する常勤。支障がなければ兼務可(居宅サービス基準第6条)
設備専用の区画のほか、情報蓄積の機器等と通信機器等、利用者への端末の配布(第3条の6)専用の区画と必要な設備及び備品等(居宅サービス基準第7条)

訪問介護の事業者が確かめる順番

まず、事業所を置く予定の市町村の担当窓口に、申請できる者の条件と公募の有無を確かめます。市町村の条例と運用が、広がれるかどうかを左右するためです。

次に、看護職員を自社で確保するか訪問看護事業者と連携するか、オペレーターの資格と常勤の確保、サービスを提供する時間帯を通じた随時訪問の訪問介護員等、計画作成責任者の候補、通報のための機器と利用者に配る端末の見込みを書きます。

訪問介護との違いは訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護の違い:報酬・人員・併設の考え方、単位数は定期巡回・随時対応型の単位数:要介護1は月5,446単位・訪問看護ありは7,946単位で確認できます。

夜間の通報と巡回を中心にするサービスは夜間対応型訪問介護の指定基準:オペレーションセンター・随時訪問の人員と訪問介護との違い、指定の主体と人員をほかのサービスと比べるなら訪問介護から広げる5サービスの比較:指定の主体・人員・管理者の兼務で整理しています。訪問介護自体の人員基準は訪問介護の人員基準(サ責の配置基準・常勤換算2.5・管理者)です。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護を置く予定の市町村を決め、担当窓口に、申請できる者の条件(市町村の条例)と公募の有無を確かめ、確かめた日と回答をチェック表の最初の行に書く
  2. 看護職員を常勤換算方法で2.5以上自社で確保できるか、訪問看護事業者と契約して連携するかを書き、連携なら連携先の候補と、アセスメントや連絡体制で協力を得る内容を整理する
  3. オペレーターの候補が看護師・介護福祉士などの資格を持つか、常勤の者がいるか、サービス提供責任者の経験で充てるなら年数と連携の体制を確かめ、随時訪問の訪問介護員等と計画作成責任者の候補を書く
  4. 専らその職務に従事する常勤の管理者の候補と、利用者の情報を蓄積する機器・通報を受ける通信機器・利用者に配る端末の見込みを書き、チェック表を持って担当窓口に相談し、確かめた日と回答を記録する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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