運営 / 更新 2026-10-29
定期巡回・夜間対応型の認知症専門ケア加算(月90・120単位と1日3・4単位)
定期巡回・随時対応型訪問介護看護と夜間対応型訪問介護の認知症専門ケア加算は、(Ⅰ)が90単位または3単位、(Ⅱ)が120単位または4単位です。月額で加算する区分と、1日ごとに加算する区分があります。基準は訪問介護と同じ告示の号にあり、(Ⅰ)は対象者が利用者の総数の2分の1以上、(Ⅱ)は重い症状の対象者が100分の20以上です(個別の事業所が算定できるかの判定はしません)。
根拠は算定告示のチ・ハと、基準告示の第三号の四
単位数は、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)の単位数表の、定期巡回・随時対応型訪問介護看護費のチと夜間対応型訪問介護費のハにあります。注は、基準に適合しているものとして、電子情報処理組織を使用する方法により市町村長へ届出を行った事業所が、厚生労働大臣が定める者に専門的な認知症ケアを行った場合に加算すると定めています。(Ⅰ)と(Ⅱ)のいずれかを算定している場合は、ほかは算定しません。
基準は、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)の第三号の四にあります。この号は、訪問介護費、訪問入浴介護費、定期巡回・随時対応型訪問介護看護費、夜間対応型訪問介護費、介護予防訪問入浴介護費をまとめて扱っています。
2026年10月29日に厚生労働省の告示掲載ページの本文で確認しました。告示の掲載ページには改定後の版かを示す日付がなく、版の明示はできていません。
訪問介護側の要件は訪問介護の認知症専門ケア加算、訪問入浴介護側は訪問入浴介護の認知症専門ケア加算にあります。
この記事で決めること
定期巡回・随時対応型訪問介護看護または夜間対応型訪問介護の事業所の経営者が、認知症専門ケア加算の単位数が月か1日かの区分、対象者の割合、研修修了者の配置、割合の数え方を、告示とQ&Aの本文で確かめたい。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、定期巡回・随時対応型または夜間対応型の認知症専門ケア加算の確認メモ(算定区分、対象者の割合、研修修了者の人数)を作成できる状態を目指します。
月額の区分と1日ごとの区分(単位数の早見表)
同じ4つの数字でも、どの費用の区分に結びつくかが2つのサービスで逆の並びに見えます。請求の前に、自分の事業所が算定している費用の区分を確かめます。
| サービスと費用の区分 | 加算する単位 | 認知症専門ケア加算(Ⅰ) | 認知症専門ケア加算(Ⅱ) |
|---|---|---|---|
| 定期巡回・随時対応型 イ・ロ(一体型・連携型) | 1月につき | 90単位 | 120単位 |
| 定期巡回・随時対応型 ハ(夜間にのみ行う場合) | 定期巡回サービスまたは随時訪問サービスの提供を行った際に1日につき | 3単位 | 4単位 |
| 夜間対応型 イ(費用(Ⅰ)) | 定期巡回サービスまたは随時訪問サービスを行った際に1日につき | 3単位 | 4単位 |
| 夜間対応型 ロ(費用(Ⅱ)) | 1月につき | 90単位 | 120単位 |
(Ⅰ)と(Ⅱ)の基準の違い
告示の基準は、(Ⅰ)が3つ、(Ⅱ)が4つの条件で構成されています。(Ⅱ)は、(Ⅰ)の研修修了者の配置と会議の条件に加えて、対象者の割合・指導に係る研修の修了者・研修計画を求めます。
| 項目 | 認知症専門ケア加算(Ⅰ) | 認知症専門ケア加算(Ⅱ) |
|---|---|---|
| 対象者の割合 | 周囲の者による日常生活に対する注意を必要とする認知症の者が、利用者の総数の2分の1以上 | 日常生活に支障を来すおそれのある症状又は行動が認められることから介護を必要とする認知症の者が、利用者の総数の100分の20以上 |
| 研修修了者の配置 | 認知症介護に係る専門的な研修の修了者を、対象者20人未満なら1以上、20人以上なら1に対象者の数が19を超えて10又はその端数を増すごとに1を加えた数以上配置し、チームとして専門的な認知症ケアを実施 | (Ⅰ)と同じ配置に加えて、認知症介護の指導に係る専門的な研修の修了者を1名以上配置し、事業所全体の認知症ケアの指導等を実施 |
| 会議 | 従業者に対する認知症ケアの留意事項の伝達又は技術的指導の会議を定期的に開催 | (Ⅰ)と同じ |
| 研修計画 | 条件になし | 介護職員・看護職員ごとの認知症ケアに関する研修計画を作成し、研修(外部における研修を含む)を実施又は実施を予定 |
割合の数え方(令和6年度Q&A)
令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4、令和6年4月18日)の問1は、訪問系サービスの割合を、加算(Ⅰ)は認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上が50%以上、加算(Ⅱ)はⅢ以上が20%以上として扱っています。割合は、前3月間のうち、いずれかの月の利用者数で算定し、利用者数は利用実人員数または利用延人員数を用いると答えています。
ただし、定期巡回・随時対応型訪問介護看護費(Ⅰ)(Ⅱ)(包括報酬)と夜間対応型訪問介護費(Ⅱ)(包括報酬)は、当該月に報酬を算定する利用者の実人員数を用い、利用延人員数は用いないとされています。月額の区分を算定する事業所は、延べ人数での計算が使えない点に気をつけます。
別の項目で、算定の可否が実績の月とどう対応するかの図も示されています。割合を満たす実績の月と算定できる月の関係は、Q&Aの問2で確かめられます。
自立度の確認と、看護系の研修(令和6年度Q&A Vol.1)
令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1、令和6年3月15日)の問18は、認知症高齢者の日常生活自立度の決定に、医師の判定結果または主治医意見書を用い、居宅サービス計画または各サービスの計画に記載するとしています。複数の判定結果があるときは最も新しい判定を用います。医師の判定がないときは、要介護認定の認定調査票の基本調査の記載を用います。
問17は、認知症看護に係る適切な研修として、現時点では日本看護協会認定看護師教育課程の「認知症看護」、日本看護協会が認定している看護系大学院の「老人看護」及び「精神看護」の専門看護師教育課程、認定証が発行されている日本精神科看護協会認定の「精神科認定看護師」を挙げています。
自立度の確認の流れは認知症高齢者の日常生活自立度の確認にあります。
月額と1日ごとを分けた計算例
たとえば、夜間対応型訪問介護費(Ⅰ)で(Ⅰ)を届け出ている事業所が、ある利用者に月10日、定期巡回サービスまたは随時訪問サービスを行った場合の加算は、3単位に10日を掛けた30単位です。夜間対応型訪問介護費(Ⅱ)で(Ⅰ)を届け出ていれば、利用者1人につき月90単位です。これは本記事の計算例で、同じ日に複数回行った場合や、日割りの扱いは確認していません。
基本の単位数は定期巡回・随時対応型の単位数と夜間対応型訪問介護費の単位数にあります。
このページで確認した範囲
確認したのは、算定告示のチ(定期巡回)とハ(夜間対応型)の注と単位数、基準告示の第三号の四、令和6年度介護報酬改定Q&AのVol.1の問17・問18とVol.4の問1です。留意事項通知の本文は読んでいません。Q&Aの内容が令和8年6月の改定後も同じかは確認していません。
届出の様式と提出の期限、割合が下回った月の請求の扱い、研修の修了者として認められる具体的な範囲は、指定権者の案内で確認が必要です。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 届け出ている費用の区分が月額の区分か1日の区分かを請求の内訳で確かめ、加算の単位が月ごとか日ごとかを書き分ける
- 前3月間のうち割合を計算する月を決め、定期巡回の月額の区分と夜間対応型の月額の区分は当該月に報酬を算定した実人員数で、利用者の総数と自立度Ⅱ以上((Ⅱ)はⅢ以上)の人数を数える
- 対象者の数に対して必要な研修修了者の人数を告示の式で出し、(Ⅱ)なら指導に係る研修の修了者1名以上を含め、名簿で確かめる
- 留意事項の伝達または技術的指導の会議の開催記録と、(Ⅱ)なら介護職員・看護職員ごとの研修計画を確かめ、割合が下回る月の手続を指定権者の案内で確認する
関連ガイドで計画をつなぐ
隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
定期巡回・随時対応型の認知症専門ケア加算は、月額ですか、1日ごとですか?
算定する費用の区分で変わります。算定基準の別表のチは、イとロ(一体型と連携型)を算定している場合は1月につき(Ⅰ)90単位・(Ⅱ)120単位、ハ(夜間にのみ行う場合)を算定している場合は定期巡回サービスまたは随時訪問サービスの提供を行った際に1日につき(Ⅰ)3単位・(Ⅱ)4単位と定めています。
夜間対応型訪問介護の認知症専門ケア加算の単位数は、定期巡回と同じですか?
単位数は同じ4つ(3・4・90・120単位)ですが、結びつく区分が逆の並びです。夜間対応型訪問介護費のハは、イ(費用(Ⅰ))には1日につき(Ⅰ)3単位・(Ⅱ)4単位、ロ(費用(Ⅱ))には1月につき(Ⅰ)90単位・(Ⅱ)120単位と定めています。
対象者の割合の計算で、延べ人数は使えますか?
区分によります。令和6年度のQ&A(Vol.4)は、割合は前3月間のうちいずれかの月の利用者数で算定し、実人員数または延人員数を用いるとしたうえで、定期巡回・随時対応型訪問介護看護費(Ⅰ)(Ⅱ)と夜間対応型訪問介護費(Ⅱ)(包括報酬)は、当該月に報酬を算定する利用者の実人員数を用い、延人員数は用いないとしています。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第三号の四 訪問介護費、訪問入浴介護費、定期巡回・随時対応型訪問介護看護費、夜間対応型訪問介護費及び介護予防訪問入浴介護費における認知症専門ケア加算の基準」(第三号の四 イ 認知症専門ケア加算(Ⅰ)の(1)〜(3)、ロ 認知症専門ケア加算(Ⅱ)の(1)〜(4))(確認日 2026-10-29)
- 厚生労働省「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)別表 1 定期巡回・随時対応型訪問介護看護費のチ・2 夜間対応型訪問介護費のハ 認知症専門ケア加算」(指定地域密着型サービス介護給付費単位数表 1 定期巡回・随時対応型訪問介護看護費 チ 認知症専門ケア加算の注と(1)(2)、2 夜間対応型訪問介護費 ハ 認知症専門ケア加算の注と(1)(2))(確認日 2026-10-29)
- 厚生労働省老健局「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)(令和6年4月18日)認知症専門ケア加算 訪問系サービスにおける対象者の割合の計算方法」(問1 認知症専門ケア加算① 訪問系サービスにおける対象者の割合の計算方法)(確認日 2026-10-29)