運営 / 更新 2026-10-07

訪問介護の重要事項の掲示とウェブサイト掲載(基準第32条)

運営基準第32条は、指定訪問介護事業者に、利用申込者がサービスを選ぶときに役立つ重要事項を事業所内に掲示することを求めています。第3項は、原則として同じ重要事項をウェブサイトにも掲載するよう定めています。この記事では、掲示する項目、書面の備え付けで代える方法、ウェブサイト掲載の開始時期と掲載先を、条文と解釈通知で確認できた範囲で整理します。

この記事で決めること

重要事項の掲示(基準第32条第1項)、書面の備え付けによる代替(第2項)、原則としてウェブサイトに掲載する義務(第3項)の内容と、掲示する項目・開始時期・掲載先を整理するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、重要事項の掲示・掲載の管理表を作成できる状態を目指します。

第32条の3つの項が求めること

第32条の第1項は、事業所の見やすい場所に、運営規程の概要、訪問介護員等の勤務の体制その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を掲示するよう求めています(e-Govの現行条文、取得2026年10月7日)。第2項は、重要事項を記載した書面を事業所に備え付け、いつでも関係者に自由に閲覧させることで、掲示に代えられるとしています。

第3項は、原則として、重要事項をウェブサイトに掲載しなければならないと定めています。掲示や書面の備え付けに加えて、ウェブサイトにも載せる形です。

基準第32条の3つの項(e-Govの現行条文)
項求められること備考
第1項事業所の見やすい場所に重要事項を掲示する運営規程の概要・勤務の体制などが対象
第2項重要事項を記載した書面を備え付け、自由に閲覧できるようにする第1項の掲示に代えられる
第3項原則として、重要事項をウェブサイトに掲載する掲載先と例外は解釈通知で確認する

掲示する重要事項に含める項目(解釈通知)

解釈通知(老企第25号)は、第32条第1項の重要事項として、運営規程の概要、訪問介護員等の勤務体制、事故発生時の対応、苦情処理の体制、提供するサービスの第三者評価の実施状況などを挙げています(令和6年3月の改正新旧対照表、介護保険最新情報Vol.1213の別紙10で確認)。第三者評価の実施状況は、実施の有無、直近の実施年月日、評価機関の名称、評価結果の開示状況を指します。

掲示する内容は、利用契約の前に渡す説明書類と重なる部分が多くなります。説明書類の流れは訪問介護の利用契約・重要事項説明・記録の流れ、運営規程の記載事項は訪問介護の運営規程の必須記載事項(8項目)で確認できます。

解釈通知が挙げる重要事項の項目
項目掲示で示す内容
運営規程の概要運営規程の要点
訪問介護員等の勤務体制勤務の体制
事故発生時の対応事故が起きたときの対応(基準第37条の連絡・記録の流れと合わせる)
苦情処理の体制苦情を処理する体制
第三者評価の実施状況実施の有無、直近の実施年月日、評価機関の名称、評価結果の開示状況

ウェブサイト掲載の開始時期と経過措置

第3項を加えた改正は、令和6年厚生労働省令第16号によるものです。この省令の附則第1条は、令和6年4月1日から施行すると定めています。

附則第2条は、施行の日から令和7年3月31日までの間、第32条第3項の規定を適用しない(同項の文言を「削除」と読み替える)経過措置を置いています。経過措置の期間は令和7年3月31日で終わっており、令和7年4月1日以降は第3項が適用されます。

経過措置がかかるのは第3項のウェブサイト掲載だけで、第1項の掲示と第2項の備え付けの代替には及びません。附則の全文は、e-Govの基準の画面にある附則で確認できます。

掲載先と、報告義務の対象外の事業所の扱い

解釈通知は、第3項のウェブサイトについて、法人のホームページ等または介護サービス情報公表システムをいうと説明しています。公表制度の報告対象と手順は訪問介護の介護サービス情報公表制度:報告対象と確認手順で整理しています。

解釈通知には、介護保険法施行規則第140条の44各号の基準に該当し、介護サービス情報公表制度の報告義務の対象でない事業所は、ウェブサイトへの掲載を行うことが望ましい、という趣旨の記載もあります。報告義務の対象外でウェブサイトに掲載しない場合も、第1項の掲示(または第2項の備え付け)は必要です。個別の事業所がその基準に当たるかどうかは、指定権者に確認してください。

事業所で整えておく手順

例として、掲示する重要事項の一覧、掲載先、掲載の担当者、更新の手順を決めておくと、運営規程の変更や勤務体制の変更のときに掲示と掲載を同時に直せます。苦情処理の体制と事故発生時の対応は、掲示する内容が実際の運用と食い違わないようにします。苦情処理は訪問介護の苦情処理(基準第36条):窓口・記録・市町村と国保連の調査協力と改善報告、事故発生時の対応は訪問介護の事故発生時の対応(基準第37条):連絡・記録・損害賠償で確認できます。

掲示の方法、備え付けの書面の形、ウェブサイトに載せる範囲は、確認した条文と通知に細かい形式の定めがありません。不明な点は指定権者に確認し、確認した日付と回答を記録に残します。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 運営規程の概要、勤務体制、事故発生時の対応、苦情処理の体制、第三者評価の実施状況の5項目を、掲示物と掲載ページで同じ内容にそろえる
  2. 事業所内の見やすい場所への掲示、または書面の備え付けのどちらで対応するかを決め、場所と書面の保管先を書く
  3. ウェブサイトの掲載先(法人のホームページ、介護サービス情報公表システムなど)と、掲載・更新の担当者を決める
  4. 運営規程や勤務体制を変えた日に、掲示物と掲載内容を更新した日付を管理表に残す

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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