運営 / 更新 2026-10-27

訪問介護の通院等乗降介助:受診中の待ち時間と、複数の医療機関・通所介護を回る日の算定

通院等乗降介助は、受診中の待ち時間を算定できません。1日に複数の医療機関を回る日は、居宅が起点か終点になり、同一の指定訪問介護事業所が移送を行うときに限り、医療機関から医療機関への乗降介助も算定できます。通所介護の前後に通院する日にも、同じ考え方が当てはまります。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

受診中の待ち時間は算定できない

横浜市の令和8年度運営の手引き(2026年10月2日版)は、通院先での受診中の待ち時間を算定できるかという質問に、待ち時間の長さに関わらず算定できないと答えています。理由は、通院等乗降介助が通院等のための外出に直接関連する身体介護の一連のサービス行為を包括して評価しているからです。

同じ手引きは、通院等乗降介助が、自らの運転する車両への乗降の介助、乗車前・降車後の屋内外における移動等の介助、通院先での受診等の手続き・移動等の介助を一連のサービス行為として含み、行為ごとに細かく区分して算定できないとしています。居室内の声かけ・説明、出かける準備、院内の移動等の介助も、通院等乗降介助に含まれる扱いです。

待ち時間を算定できないことと、その時間をヘルパーの勤務時間として扱うかどうかは、別の問題です。勤務時間の扱いは雇用・勤怠と訪問介護の移動時間で別に確認してください。

この記事で決めること

通院等乗降介助で、受診中の待ち時間と、1日に複数の医療機関や通所介護を回る日の目的地間の移送を、算定できるかどうかための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、通院等乗降介助の算定判断表(受診中の待ち時間、前後の身体介護・生活援助、目的地間の移送ごとに、算定の可否と確かめる根拠を並べた表)を作成できる状態を目指します。

1日に複数の医療機関を回る日の算定

厚生労働省の令和3年度介護報酬改定Q&A(Vol.4)の問4は、1日に複数の医療機関を受診する場合の、医療機関から医療機関への移送に伴う介護を取り上げています。公共交通機関への乗降や院内の移動等の介助だけでは訪問介護として算定できないので、医療機関から医療機関への移送だけを取り出した乗降介助は算定できません。

ただし、居宅が起点または終点となる場合は、その間の医療機関から医療機関への移送に伴う介護を、同一の事業所が移送を行う場合に限り算定できると、同じ問4は答えています。居宅から医療機関A、医療機関Aから医療機関B、医療機関Bから居宅という日は、3区間を同一の事業所が担当すれば、3回の乗降介助を算定できる形です。

横浜市の手引きは、目的地が複数あって居宅が始点または終点になるときの目的地間の移送を、同一の指定訪問介護事業所が行うことを条件に算定できるとしています。どこかの区間を別の事業所や家族が担当する日は、その区間を算定の対象にできません。

通所介護・短期入所の前後に通院する日

横浜市の手引きは、目的地間の移送に加えて、通所サービスや短期入所サービスの事業所から目的地(病院等)への移送の乗降介助も、居宅が始点または終点で同一の指定訪問介護事業所が行うことを条件に、算定できるとしています。

例として、通所介護の終了後に通院等乗降介助で病院へ行き、再び通院等乗降介助で居宅へ帰る場合は、通所介護事業所と病院の間、病院と居宅の間の2回について算定できます。居宅から病院へ行き、そこから通所介護事業所へ向かう場合も、居宅と病院の間、病院と通所介護事業所の間の2回です。

この日の通所介護は、利用者宅と事業所の間の送迎を片道行わないため、送迎減算の対象になります。短期入所サービスは、利用者に対して送迎を行う場合の加算を算定できません。通所介護側の減算は通所介護の同一建物減算と送迎減算で確認できます。

前後の身体介護・生活援助と、往路だけ家族が付き添う日

通院等乗降介助の前後に、外出に関連しない身体介護や生活援助を続けて行う場合について、横浜市の手引きは次のように答えています。身体介護は、所要時間が30分〜1時間程度以上の場合に限り、身体介護と通院等の介助時間(運転中を除く)を通算した所要時間に応じた身体介護中心型の単位を算定できます。生活援助は別に算定できます。

この30分〜1時間程度以上という目安は、外出に関連しない身体介護についての、横浜市の手引きの記載です。外出に関連する乗降前後の身体介護について、国の留意事項通知が要介護4・5の利用者に示す20〜30分程度以上という目安とは、場面が別なので混同しないでください。通知の目安は訪問介護の通院等乗降介助の算定要件と単位数にあります。

往路は家族が対応し、復路だけ通院等乗降介助を算定することについて、横浜市の手引きは、所定要件を満たす場合は可能と答えています。この質問事例は所定要件の中身を挙げていません。居宅サービス計画への記載事項(通院等に必要な理由など)を含め、指定権者に確かめてください。

算定判断の記録に残すこと

複数の区間がある日は、行程を順に書き出し、区間ごとに、居宅が始点か終点か、同一の事業所が移送するか、算定する乗降介助が何回かを記録に残します。受診中の待ち時間と院内の移動等の介助は、別に算定しないものとして整理しておくと、請求の確認のときに説明できます。

院内での付き添いの境目は訪問介護の院内介助で確認できます。運転する人の資格や免許は通院等乗降介助の運転者要件にまとめています。

この記事で確認した範囲

2026-10-27に、横浜市の令和8年度運営の手引き 訪問介護(2026年10月2日版)の通院等乗降介助の項と、厚生労働省の令和3年度介護報酬改定Q&A(Vol.4)の問4を、本文を読んで確認しました。横浜市の記載は、同市の取扱いとして読んでください。

受診中の待ち時間を国のQ&Aで直接答えた箇所は、今回確認できていません。他の市町村の取扱いも確認していないため、事業所の所在地の指定権者の手引きやQ&Aで、同じ質問への答えを確かめてください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 利用者の1日の行程(居宅、医療機関、通所介護事業所など)を順に書き出し、居宅が始点か終点かを確かめる
  2. 目的地間の移送がある日は、同一の指定訪問介護事業所が移送を行うかを確かめる。別の事業所や家族が行う区間は算定の対象から外す
  3. 受診中の待ち時間と院内の移動等の介助は、通院等乗降介助に含まれるものとして記録し、別に算定しない
  4. 乗降介助の前後に身体介護や生活援助を行う場合は、所要時間と内容を記録し、横浜市の手引きの取扱いを参考に、指定権者へ算定区分を書面で確かめる

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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