運営 / 更新 2026-10-26
訪問看護の地域に関する加算:特別地域は100分の15、ほか100分の10・100分の5
訪問看護の地域に関する加算は3つあります。特別地域訪問看護加算は100分の15、施設基準に適合する事業所の加算は100分の10、実施地域を越えて訪問する場合の加算は100分の5で、前の2つは大臣が定める地域に事業所が所在することが条件です。告示の注9から注11の原文で、率、1回か1月かの数え方、届出の要否を整理します。
3つの加算の率:100分の15、100分の10、100分の5
介護報酬の告示(平成12年厚生省告示第19号)の別表、訪問看護費の注9から注11で、厚生労働省掲載の告示本文を確認しました。いずれも所定単位数に率を掛けた単位数を加算する形で、率は注9が100分の15、注10が100分の10、注11が100分の5です。
イ及びロ(訪問1回ごとの費用)は1回につき、ハ(定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所と連携して行う訪問看護。1月ごとの費用)は1月につき、それぞれ所定単位数に率を掛けます。注9だけが「特別地域訪問看護加算」という名称で書かれ、注10と注11の本文には加算の名称がありません。
| 注 | 率 | 対象 | 都道府県知事への届出 |
|---|---|---|---|
| 注9(特別地域訪問看護加算) | 100分の15 | 大臣が定める地域に所在する事業所 | 必要 |
| 注10 | 100分の10 | 大臣が定める地域に所在し、大臣が定める施設基準に適合する事業所 | 必要 |
| 注11 | 100分の5 | 大臣が定める地域に居住する利用者へ、通常の事業の実施地域を越えて訪問した場合 | 本文に書かれていない |
この記事で決めること
訪問看護で、事業所の所在地や利用者の居住地によって加算できる率と、届出が要るかを、告示の注9から注11の原文で確かめたい訪問看護の事業者向け。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、地域加算の確認表(事業所の所在地と大臣が定める地域の該当、施設基準の適合、届出の有無、利用者ごとの居住地と通常の事業の実施地域)を作成できる状態を目指します。
注9と注10:事業所が地域に所在し、届出をしていること
注9と注10は、別に厚生労働大臣が定める地域に所在する指定訪問看護事業所が対象です。どちらも、電子情報処理組織を使う方法で、都道府県知事に、老健局長が定める様式による届出を行っていることが条件です。
注10はこれに加えて、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合していることが条件で、注9との違いはこの施設基準の有無です。事業所の一部の事務所が地域に所在しない場合は、その事務所は対象から除かれ、地域に所在する事務所の看護師等が行った訪問だけが対象になります。
注11:地域に居住する利用者へ、通常の事業の実施地域を越えて訪問する場合
注11は、事業所の所在地ではなく、利用者の居住地で決まります。看護師等が、別に厚生労働大臣が定める地域に居住している利用者に対して、通常の事業の実施地域を越えて指定訪問看護を行った場合に、100分の5を加算します。
告示の本文は、通常の事業の実施地域を指定居宅サービス基準第73条第5号に規定するものとしています。同条は指定訪問看護事業所の運営規程の条文で、第5号が通常の事業の実施地域です(e-Govで2026年10月26日に確認)。訪問看護の運営規程に定める事項もあわせて確認できます。
注11の本文には、注9・注10にある届出の記載がありません。
訪問介護の地域加算との関係
訪問介護にも、率が同じ地域加算があります。中山間地域等における小規模事業所加算(訪問介護・10%)と中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算です。率はそれぞれ100分の10と100分の5で、訪問看護の注10・注11と同じです。
ただし、率が同じでも、対象の地域や施設基準を定める大臣告示、見直しの時期は、サービスごとに確かめる必要があります。訪問介護の記事の内容を、訪問看護にそのまま当てはめないでください。
資料の範囲と、確認していない点
2026年10月26日に、介護報酬告示の別表の訪問看護費の注9から注11を、厚生労働省掲載の本文で確認しました。大臣が定める地域の一覧と施設基準の中身は、告示の本文にはなく別の大臣告示で定められており、この記事では確認していません。所在地が対象か、施設基準に適合するかは、指定権者に確かめてください。
3つの加算を同時に算定できるか、区分支給限度額の対象になるかは、留意事項通知(老企第36号)で確かめる点です。この記事では通知を確認していないため、書いていません。基本の単位数は訪問看護費の単位数、加算の全体は訪問看護の主な加算にあります。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 事業所と各事務所の所在地が、大臣が定める地域に当たるかを、指定権者の案内で確かめ、確かめた日を表に残す
- 地域に所在する場合は、注9の届出の有無と、注10の大臣が定める施設基準への適合を、指定権者に提出した届出と照らして確かめる
- 運営規程に書いた通常の事業の実施地域を表に写し、利用者ごとに居住地が実施地域の内か外か、大臣が定める地域に当たるかを書き出す
- 併算定の可否や限度額の扱いは、留意事項通知の現行の本文を指定権者または国民健康保険団体連合会の案内で確かめて日付を残し、請求ソフトの設定と照らす
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表 3 訪問看護費 注1(対象となる利用者)・注6(複数名訪問加算)」(別表 3 訪問看護費 注1(通院が困難な利用者。末期の悪性腫瘍等・精神科訪問看護の利用者を除く。理学療法士等の訪問はイ(5)で1日2回を超えると100分の90)、注6(複数名訪問加算(Ⅰ)(Ⅱ))、注20(イ(5)の1回8単位の減算)、ヘ 看護・介護職員連携強化加算(250単位。1月に1回)、イ(4)・ロ(4)(所要時間1時間以上1時間30分未満)、注7(特別な管理を必要とする利用者への1時間以上1時間30分未満の訪問後に引き続き訪問し通算1時間30分以上で1回300単位)、注12(緊急時訪問看護加算。ステーション(Ⅰ)600単位・(Ⅱ)574単位、病院・診療所(Ⅰ)325単位・(Ⅱ)315単位)、注13(特別管理加算(Ⅰ)500単位・(Ⅱ)250単位。1月につき)、注15(ターミナルケア加算。死亡月につき2,500単位)、ト 看護体制強化加算((Ⅰ)550単位・(Ⅱ)200単位。1月につき)、ホ 退院時共同指導加算(600単位。退院・退所につき1回、特別な管理を必要とする利用者は2回。ニの初回加算を算定する場合は算定しない)、注5(夜間・早朝100分の25・深夜100分の50。イ及びロが対象。1回につき)、イ・ロの所要時間別の所定単位数、注8(同一敷地内建物等の利用者と同一の建物に20人以上居住する利用者は1回につき100分の90、同一敷地内建物等に50人以上居住する建物の利用者は100分の85。訪問介護費の注12にある100分の88のただし書きは訪問看護費の注8にはない)、リ サービス提供体制強化加算(イ又はロを算定する場合は1回につき(Ⅰ)6単位・(Ⅱ)3単位、ハを算定する場合は1月につき(Ⅰ)50単位・(Ⅱ)25単位。ハは定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所と連携して行う訪問看護で2,961単位)、注9(特別地域訪問看護加算。大臣が定める地域に所在し届出をした事業所。イ・ロは1回につき・ハは1月につき100分の15)、注10(地域に所在し大臣が定める施設基準に適合し届出をした事業所。100分の10)、ニ 初回加算((Ⅰ)350単位・(Ⅱ)300単位。1月につき。(Ⅰ)と(Ⅱ)は同時に算定しない)、ホ 退院時共同指導加算の注(ニの初回加算を算定する場合は算定しない)、注11(大臣が定める地域に居住する利用者へ通常の事業の実施地域を越えて訪問。100分の5)、注14(専門管理加算。緩和ケア・褥瘡ケア・人工肛門ケア及び人工膀胱ケアの専門の研修を受けた看護師はイ250単位、特定行為研修を修了した看護師はロ250単位。1月に1回に限る)、注16(遠隔死亡診断補助加算。情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修を受けた看護師が主治の医師の指示で死亡診断の補助を行った場合、死亡月につき150単位))(確認日 2026-10-26)