運営 / 更新 2026-10-25

処遇改善・特定処遇改善・ベースアップ等支援加算の旧名の読み替え(令和6年6月の一本化)

古い賃金台帳、給与ソフトの項目名、過去の通知には、「処遇改善加算」「特定処遇改善加算」「ベースアップ等支援加算」という3つの名前が残っています。この3加算は、令和6年6月から「介護職員等処遇改善加算」の1つにまとめられました。厚生労働省のリーフレット(令和6年度の一本化の案内)に沿って、一本化の時期、旧名と現行の対応、旧加算の要件の引き継ぎ先、旧名の書類を見つけたときの読み替えの手順を整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

旧3加算は、令和6年6月から1つの加算になった

厚生労働省のリーフレットは、介護職員の処遇改善に係る加算の一本化を、令和6年6月以降に行うと案内しています。一本化の対象になった現行の3加算は、リーフレットの表で、処遇改善加算(Ⅰ〜Ⅲ)、特定処遇改善加算(Ⅰ・Ⅱ)、ベースアップ等支援加算と示されています。

一本化後の加算の名前は「介護職員等処遇改善加算」で、リーフレットの表では新加算Ⅰ〜Ⅳと書かれています。新加算の算定要件は、①キャリアパス要件、②月額賃金改善要件、③職場環境等要件の3つです。

リーフレットは令和6年度に出されたもので、令和6年度の経過措置や令和6年6月時点の加算率を載せています。経過措置は令和6年度末までの扱いとされており、現在の区分と加算率は、令和8年度の通知にもとづく「訪問介護の介護職員等処遇改善加算 区分・算定要件・加算率と計画書・実績報告」で確かめます。この記事に出てくる令和6年度の扱いを、今年度の算定にそのまま当てはめないでください。

この記事で決めること

古い賃金台帳・給与ソフト・通知に旧3加算の名前が残る訪問介護事業所の管理者が、一本化の時期と旧名の読み替え、旧加算の要件が新加算のどの要件につながるかを、厚生労働省のリーフレットで確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、旧名の読み替え表(旧名の書類・ソフトの項目、作成された日付、対応する新加算の要件、賃金台帳での扱い、確認した日)を作成できる状態を目指します。

旧名と現行の対応:3つの名前は、1つの加算の中に入った

旧名の書類で見かける3つの名前は、現行では次のように読み替えます。

「処遇改善加算」(旧のⅠ〜Ⅲ)、「特定処遇改善加算」(旧のⅠ・Ⅱ)、「ベースアップ等支援加算」は、いずれも現在は「介護職員等処遇改善加算」という1つの加算の名前で呼ばれます。別々に算定する加算ではなくなっています。

リーフレットは、旧3加算の区分(Ⅰ〜Ⅲなど)が、そのまま新加算の同じ番号になるとは書いていません。新加算の要件は、旧3加算の要件を再編・統合したものです。旧名の書類に「Ⅱ」とあっても、現行の「Ⅱ」と同じ意味とは読まないでください。

旧加算の要件は、新加算の要件のどこに引き継がれたか

リーフレットの「現行3加算から新加算への要件の推移」の図は、旧加算の要件が、新加算の次の要件につながると示しています。ここは令和6年度のリーフレットの図の読み取りで、現行の要件の中身は別の記事で確かめます。

旧処遇改善加算のⅡ・Ⅲにあった任用要件・賃金体系と研修の実施等は、新加算のキャリアパス要件Ⅰ・Ⅱに、旧処遇改善加算Ⅰにあった昇給の仕組みは、キャリアパス要件Ⅲにつながると図に示されています。旧特定処遇改善加算にあった改善後の賃金額の水準はキャリアパス要件Ⅳに、介護福祉士の配置等はキャリアパス要件Ⅴにつながると図に示されています(図の文字の並びからの読み取りで、旧加算のどの区分にかかる要件かまでは確かめていません)。

旧ベースアップ等支援加算にあった「加算額の3分の2以上をベースアップ等に使う」要件は、月額賃金改善要件Ⅱに、旧処遇改善加算・特定処遇改善加算にあった職場環境等要件は、新加算でも職場環境等要件として続くと示されています。月額賃金改善要件Ⅱは、旧ベースアップ等支援加算を算定していなかった事業所だけに適用される、と図に書かれています。

現在の各要件の中身は、「訪問介護の処遇改善加算のキャリアパス要件Ⅰ〜Ⅳ:任用・研修・昇給の仕組みと年額440万円」と「処遇改善加算の職場環境等要件:区分ごとの取組数と公表(訪問介護・令和8年度)」で確かめられます。

旧名の書類が、賃金の配分の書き方にも残っていないか

旧3加算では、賃金改善に充てる職種の範囲が加算ごとに違っていました。リーフレットは、旧処遇改善加算は介護職員のみに配分、旧特定処遇改善加算は介護職員に重点配分、旧ベースアップ等支援加算は柔軟な配分が可能と整理しています。

新加算(Ⅰ〜Ⅴ)では、リーフレットによると、加算による賃金改善の職種間の配分ルールを統一し、介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとしたうえで、事業所内で柔軟な配分を認めています。旧加算ごとに分けて書かれた配分の規程や賃金台帳の欄がある場合は、見直しが要るかを確かめます(これはリーフレットの記載ではなく、実務上の確認の勧めです)。現行の配分の考え方は、「訪問介護の処遇改善加算の賃金改善の配分:基本給・手当・一時金と職種間の偏り」にあります。

旧名の書類・ソフトを見つけたときの手順

1つ目は、その書類やソフトの項目が、令和6年6月より前に作られたものか、後に作られたものかを日付で確かめます。令和6年5月までの書類に旧名があるのは自然ですが、令和6年6月以降の算定分の書類に旧名が残っている場合は、読み替えや修正が必要かもしれません。

2つ目は、旧名の項目がどの新加算の要件につながるのかを、前の節の対応で確かめます。賃金台帳で、旧加算ごとに支給額を分けていた場合は、新加算の計画書と実績報告書で扱う賃金改善の対象項目に、どう結びつけるかを決めます。

3つ目は、算定している区分と加算率を、令和8年度の通知にもとづく記事で確かめます。計画書と実績報告書の書き方は、「訪問介護の処遇改善加算 実績報告書(別紙様式3):期限・誓約事項の報告・保存(令和8年度)」で確かめられます。個別の事業所の書類が要件を満たすかどうかは、届出先の都道府県等に確認してください。

次に知りたいこと

現在の区分・加算率・計画書の流れは「訪問介護の介護職員等処遇改善加算 区分・算定要件・加算率と計画書・実績報告」、年度末の報告は「訪問介護の処遇改善加算 実績報告書(別紙様式3):期限・誓約事項の報告・保存(令和8年度)」、昇給や研修の仕組みは「訪問介護の処遇改善加算のキャリアパス要件Ⅰ〜Ⅳ:任用・研修・昇給の仕組みと年額440万円」にあります。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 旧名(処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算)が出てくる書類・ソフトの項目を書き出し、作成された日付が令和6年6月の前か後かを分ける
  2. 旧名の項目ごとに、リーフレットの要件の推移の図で、対応する新加算の要件(キャリアパス要件、月額賃金改善要件、職場環境等要件)を表に書く
  3. 賃金台帳で旧加算ごとに支給額を分けている場合は、新加算の賃金改善の対象項目にどう結びつけるかを決める
  4. 算定している区分と加算率を令和8年度の通知で確かめ、迷う点は届出先の都道府県等に確認して、回答を日付つきで残す

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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