開業準備 / 更新 2026-10-24

福祉用具貸与の重要事項説明書の記載事項:運営規程の概要・取り扱う種目・利用料・目録

福祉用具貸与の事業者は、サービスを始める前に、運営規程の概要、福祉用具専門相談員の勤務の体制、その他利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明し、同意を得なければなりません。この記事は、指定基準(平成11年厚生省令第37号)の第205条による第8条の準用を軸に、説明書に入れる項目、運営規程で種目と利用料をどう書くか、事業所に備える目録と掲示を条文から整理します。専門相談員の員数や設備の基準は福祉用具貸与事業所の指定基準で扱っています。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

根拠は第205条による第8条の準用(運営規程は第200条に読み替え)

福祉用具貸与の章には、説明と同意を定める条文そのものがありません。指定基準の第205条が、第8条から第19条までなどを指定福祉用具貸与の事業に準用しています。デジタル庁のe-Gov法令検索で、2026年10月24日に第8条と第205条の原文を確認しました。

第8条第1項の読み替えは二つです。「第二十九条」(訪問介護の運営規程)は「第二百条」(福祉用具貸与の運営規程)に、「訪問介護員等」は「福祉用具専門相談員」に読み替えます。福祉用具貸与では、第200条の運営規程の概要と、福祉用具専門相談員の勤務の体制を記した文書を交付して説明します。

第8条第1項は、提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者またはその家族に対して説明し、提供の開始について利用申込者の同意を得ることを求めています。何日前までに済ませるといった日数は、条文にありません。訪問介護の同じ手続は訪問介護の重要事項説明書で整理しています。

この記事で決めること

福祉用具貸与の指定を検討する訪問介護の事業者が、申請や運営で作る重要事項説明書と運営規程に何を書くのかを条文どおりに知りたい人向け。第205条による第8条の準用と読み替え、運営規程7項目のうち種目・利用料の書き方、目録と掲示、福祉用具専門相談員が行う情報提供と福祉用具貸与計画との違いを一次資料で確かめるための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、福祉用具貸与の重要事項説明書の項目対応表(説明書の項目を行に、元になる条文・運営規程の号・目録や料金表の参照先・指定権者に確かめる点を列にした1枚)を作成できる状態を目指します。

運営規程の7項目と、種目・利用料の書き方

第200条は、事業所ごとに定める運営規程の項目を7つ挙げています。事業の目的及び運営の方針、従業者の職種・員数・職務内容、営業日及び営業時間、指定福祉用具貸与の提供方法・取り扱う種目・利用料その他の費用の額、通常の事業の実施地域、虐待の防止のための措置、その他運営に関する重要事項です。説明書に載せる運営規程の概要は、この7項目から利用者の選択に必要な箇所を拾います。

第4号について、厚生労働省掲載の老企第25号は、提供方法を福祉用具の選定の援助、納品及び使用方法の指導の方法等としています。個々の福祉用具の利用料は、額の設定の方式(利用期間に暦月による一月に満たない端数がある場合の算定方法等)と、目録に記載されている旨を書けば足り、運営規程には必ずしも額自体の記載を要しないとされています。

このため、運営規程には金額の一覧を書かず、設定の方式と目録を参照する書き方もできます。ただし利用者に渡す説明書で何を見せるかは別の話で、利用者が選ぶために必要な情報が足りているかを、次の節の目録とあわせて考えます。取り扱う種目は第200条第4号で運営規程に定める事項であり、第205条の読み替えでも第10条に「取り扱う福祉用具の種目」が加わっています。

福祉用具貸与の重要事項説明書に関わる項目(指定基準第8条・第197条・第200条・第204条・第205条、老企第25号、2026-10-24確認)
項目根拠書くときの手がかり
運営規程の概要第8条第1項(第200条に読み替え)7項目のうち、利用者の選択に必要な箇所を選び、運営規程と食い違わないように載せる
福祉用具専門相談員の勤務の体制第8条第1項(読み替え)職種と員数、勤務の時間帯。員数の基準は指定基準の記事で確認できる
取り扱う種目・提供方法第200条第4号、第205条による第10条の読み替え取り扱う種目を明示し、選定の援助、納品、使用方法の指導の流れを書く
利用料とその他の費用第197条第1項〜第4項、第200条第4号利用者負担と、保険外で受け取れる2つの費用を分け、金額は目録と合わせる

保険外で受け取れる費用と、目録・掲示

第197条第1項は、法定代理受領サービスに当たる貸与で、居宅介護サービス費用基準額から事業者に支払われる居宅介護サービス費の額を引いた額を、利用料の一部として利用者から受け取るとしています。第2項は、法定代理受領サービスに当たらない場合の利用料と基準額との間に、不合理な差額が生じないようにすることを求めています。

そのほかに受け取れる費用は、第3項が2つに限っています。通常の事業の実施地域以外の地域で貸与を行う場合の交通費と、福祉用具の搬出入に特別な措置が必要な場合の費用です。

第4項は、これらの費用に係るサービスの提供に当たって、あらかじめ内容と費用を利用者またはその家族に説明し、同意を得ることを求めています。説明書の料金欄は、この区分に合わせます。

第204条第4項は、利用者の福祉用具の選択に資するため、事業所に、取り扱う福祉用具の品名と品名ごとの利用料その他の必要事項を記した目録等を備え付けることを求めています。第1項は運営規程の概要その他の重要事項の掲示、第2項は書面の備え付けと自由な閲覧による掲示の代替、第3項は原則としてウェブサイトへの掲載です。

老企第25号に載る版は目録を第204条第2項としており、現行条文の第4項と番号が合っていません。通知は条文の改正に追いついていない可能性があるため、通知の説明は最新の版で確かめてください。

価格の面では、福祉用具貸与の価格の上限に書いた上限の決まりがあります。目録に載せる利用料が上限を超えないかの確認は、そちらの記事の範囲です。

専門相談員の情報提供・福祉用具貸与計画との違い

重要事項説明書は、サービスを始める前に事業者が行う説明で、事業所の全体像を伝える文書です。これとは別に、個々の福祉用具を貸与するときの説明があります。

第199条第1号は、福祉用具専門相談員が、目録等の文書を示して福祉用具の機能、使用方法、利用料、全国平均貸与価格等に関する情報を提供し、個別の貸与について同意を得ると定めています。第9号は、同一種目で機能または価格帯の異なる複数の福祉用具の情報を利用者に提供することを求めています。

第199条の2は、福祉用具専門相談員が福祉用具貸与計画を作成し、内容を利用者またはその家族に説明して同意を得たうえで、利用者と担当の介護支援専門員に交付するとしています。計画には、目標、具体的なサービスの内容、モニタリングを行う時期等を書きます。説明書、個別の貸与の同意、貸与計画の説明は、それぞれ別の場面の手続なので、1つの書面で済ませてよいかは条文からは読み取れず、指定権者の案内に従います。

貸与と販売のどちらも選べる種目は、第199条第2号が、選択できることの十分な説明を求めています。その種目の考え方は福祉用具の選定の判断基準と訪問介護員で整理しています。

この記事で確認した範囲と、次に知りたいこと

2026年10月24日に、指定基準の第8条、第197条、第199条、第199条の2、第200条、第204条、第205条の原文をe-Gov法令検索で確認し、厚生労働省掲載の老企第25号で、運営規程の第4号と準用の読み替えの項を照合しました。掲載されている通知は最新の改正が反映されていない可能性があります。

説明書の様式、同意書の書式、記載順、追加項目の要否は、都道府県・指定都市・中核市の案内で決まるため、ここでは確認しておらず、書いていません。この記事は、説明書の適否や指定の可否を判断するものではありません。

次に知りたいことは三つあります。員数や設備の基準を確かめる福祉用具貸与事業所の指定基準、価格の上限を確かめる福祉用具貸与の価格の上限、軽度者への貸与の例外を確かめる軽度者の福祉用具貸与です。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 説明書に入れる項目(運営規程の概要、福祉用具専門相談員の勤務の体制、取り扱う種目と提供方法、利用料)を行に並べ、元になる運営規程の号と勤務表を列に書き込む
  2. 利用料の欄を、保険の利用者負担と、第197条第3項の2つの保険外費用(実施地域外の交通費、搬出入に特別な措置が必要な場合の費用)に分け、目録の金額と照らす
  3. 運営規程に額を書くか、設定の方式と目録を参照する書き方にするかを決め、説明書・目録・掲示・ウェブサイトの原稿の食い違いがないかを確かめる
  4. 都道府県・指定都市・中核市の案内で様式と追加項目の要否を確かめ、電磁的方法で渡す場合の承諾の取り方も確認する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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