運営 / 更新 2026-10-25
訪問介護の掃除・洗濯・ベッドメイク・衣類整理の区分(老計10号2-1〜2-4)
掃除、洗濯、シーツ交換、衣類の整理は、老計第10号の生活援助2-1から2-4に例示されています。一方で、同じ家事を利用者と一緒に手助けや声かけ、見守りをしながら行う形は、身体介護1-6の見守り的援助の例示です。この記事は、通知の例示にある行為と、一緒に行う場合の分かれ目を整理します。
生活援助は、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行うもの
生活援助は、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行うものと、老計第10号に書かれています(以下、平成30年4月1日適用の改正後の本文)。通知は、生活援助を「身体介護以外の訪問介護であって、掃除、洗濯、調理などの日常生活の援助(そのために必要な一連の行為を含む)」とし、利用者が単身、または家族が障害・疾病などのため、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行われるものとしています。本人の代行的なサービスと位置づけられる、という説明も付いています。
通知は、「商品の販売・農作業等生業の援助的な行為」と「直接、本人の日常生活の援助に属しないと判断される行為」を、生活援助に含まれないものとして挙げています。依頼された家事がこの2つに当たらないかも、区分を確かめるときの入口になります。
この記事で決めること
掃除・洗濯・シーツ交換・衣類の整理を頼まれた訪問介護の事業者が、老計第10号の生活援助2-1〜2-4の例示と、利用者と一緒に行う場合の1-6の見守り的援助との分かれ目を原文で確かめる記事。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、掃除・洗濯・寝具・衣類の依頼の区分確認メモ(1枚):依頼ごとに、誰が行うかと、訪問介護計画に書く区分の候補を作成できる状態を目指します。
2-0のサービス準備等と、2-1〜2-4の例示
生活援助の例示は、2-0のサービス準備等から始まります。2-0は、生活援助を提供する際の事前準備等として行う行為で、2-0-1の健康チェック(利用者の安否確認、顔色等のチェック)、2-0-2の環境整備(換気、室温・日あたりの調整等)、2-0-3の相談援助、情報収集・提供、2-0-4のサービスの提供後の記録等が並びます。
掃除、洗濯、ベッドメイク、衣類の整理・被服の補修は、2-1から2-4に、次のように例示されています。
| 項目 | 通知が並べる行為 | 目に留まる点 |
|---|---|---|
| 2-1 掃除 | 居室内やトイレ、卓上等の清掃、ゴミ出し、準備・後片づけ | ゴミ出しが掃除の中に入っている |
| 2-2 洗濯 | 洗濯機または手洗いによる洗濯、洗濯物の乾燥(物干し)、洗濯物の取り入れと収納、アイロンがけ | 干す、取り入れる、収納する、アイロンをかけるまでが並ぶ |
| 2-3 ベッドメイク | 利用者不在のベッドでのシーツ交換、布団カバーの交換等 | 「利用者不在のベッドで」と条件が付いている |
| 2-4 衣類の整理・被服の補修 | 衣類の整理(夏・冬物等の入れ替え等)、被服の補修(ボタン付け、破れの補修等) | 整理と補修の2種類の例示 |
利用者と一緒に行う掃除・洗濯・シーツ交換・衣類整理は、1-6の例示
身体介護の1-6「自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助」には、同じ家事を利用者と一緒に行う例示が並びます。掃除と整理整頓については、利用者と一緒に手助けや声かけ及び見守りしながら行うもの(安全確認の声かけ、疲労の確認を含む)と書かれています。ゴミの分別が分からない利用者と一緒に分別をして、ゴミ出しのルールを理解してもらう、または思い出してもらうよう援助する形も、例示です。
洗濯については、洗濯物を一緒に干したりたたんだりすることにより自立支援を促すとともに、転倒予防等のための見守り・声かけを行う形が例示されています。ベッドでのシーツ交換、布団カバーの交換等と、衣類の整理・被服の補修も、利用者と一緒に手助けや声かけ及び見守りしながら行う形が、それぞれ例示されています。
通知の文言の上では、2-1から2-4は、本人の代行的なサービスと定義された生活援助の例示です。1-6の例示は、利用者と一緒に、手助け、声かけ、見守りをしながら行う形です。同じ「洗濯物を干す」でも、行い方がこの2つの例示で書き分けられています。
通知は、1-6の最後に、包括的な例示も置いています。安全を確保しつつ常時介助できる状態で、利用者と訪問介護員等がともに日常生活に関する動作を行うもののうち、ADL・IADL・QOL向上の観点から利用者の自立支援・重度化防止に資するものとして、ケアプランに位置付けられたものが対象です。この例示では、ケアプランへの位置づけが要件の一つに入っています。
寝具の作業は、就寝介助の準備と別に確かめる
寝具に関する作業は、通知の中で別の項目にも出てきます。身体介護1-4の就寝介助には、準備として、シーツのしわをのばし、食べかすやほこりをはらい、布団やベッド上のものを片づける等の行為が流れの一部として入っています。これは、利用者がベッドに移る流れの中の準備です。
2-3のシーツ交換、布団カバーの交換等は、「利用者不在のベッドで」行うものとして例示されています。利用者がベッドに移る流れとは切り離された、寝具そのものの作業です。起床・就寝介助の流れは、体位変換・移乗・移動・起床就寝介助の区分で整理しています。
迷う依頼は、通知の例示にあるかを先に確かめる
2-1から2-4と1-6の例示は、どちらも「例示」です。依頼された家事が、庭の手入れや、利用者以外の家族の部屋の掃除のように、例示に載っていない行為のときは、例示の文言から区分を決めることはできません。載っていないことを根拠に、生活援助として算定できる、またはできないと判断するのではなく、利用者の状態、ケアプランの記載、保険者の取扱いを、担当のケアマネジャーと保険者に確かめてください。
生活援助中心型を算定できる利用者の要件は生活援助中心型(ロ)の利用者要件の記事に、利用者が不在のときの扱いは利用者不在時の生活援助の記事にまとめています。
確かめた範囲と、次に読む記事
次に読む記事は3本です。調理と配下膳の区分は調理の区分、見守り的援助の書き方と記録は見守り的援助(老計10号1-6)、通知の全項目の一覧は訪問介護でできること・できないことにあります。
この記事は、老計第10号の改正後の本文にある生活援助の定義、2-0から2-4、1-6の例示を、2026年10月25日に確かめた内容です。個別の利用者の区分判断と報酬の単位数は、書いていません。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 利用者や家族の依頼を、掃除、ゴミ出し、洗濯、物干し、取り入れと収納、アイロンがけ、シーツ交換、衣類の入れ替え、ボタン付けなどに分けて書き出す
- それぞれについて、訪問介護員等が代わりに行うのか、利用者と一緒に手助けや声かけ、見守りをしながら行うのかを、ケアプランの記載と照らして書き添える
- 通知の生活援助の例示(2-1〜2-4)に当たるのか、見守り的援助の例示(1-6)に当たるのか、通知の例示に載っていないのかの候補を、項目番号つきで書き込む
- 例示に載っていない家事や判断に迷う項目は、担当のケアマネジャーと保険者(市町村)に、利用者の状態、ケアプランの記載、依頼内容を示して確認し、回答を日付つきで残す
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省老健局振興課「「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」の一部改正について(平成30年3月30日老振発0330第2号。別紙に改正後の老計第10号)」(別紙(老計第10号の新旧対照表))(確認日 2026-10-21)