運営 / 更新 2026-10-20
緊急時訪問介護加算の算定後の事務処理:計画の修正と、時間帯が未記載でも算定できる場合
緊急時訪問介護加算を算定するとき、訪問介護事業所は訪問介護計画の必要な修正と基準第19条の記録を行い、居宅介護支援側は居宅サービス計画の変更を行います。令和6年度介護報酬改定のQ&A(Vol.4)の問4は、変更は最小限の修正で足りることと、計画に時間帯が書かれていなくても算定できる場合を示しています。
算定時の事務処理:事業所とケアマネジャーがそれぞれ行うこと
令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4、令和6年4月18日)の問4は、「緊急時訪問介護加算の算定時において、訪問介護計画及び居宅サービス計画の修正は必要か」という問いに、事務処理を次のとおり取り扱うと答えています。表は、答えを担当ごとに分けて並べたものです。
加算そのものの要件(利用者や家族等の要請、介護支援専門員が必要と認めること、計画にない身体介護中心の訪問を緊急に行うこと)と1回100単位は、訪問介護の緊急時加算(緊急時訪問介護加算・1回100単位)の算定要件で解説しています。この記事は、算定したあとの書類の扱いに絞っています。
| 担当 | Q&Aの答え | Q&Aが書いていないこと |
|---|---|---|
| 指定訪問介護事業所 | 訪問介護計画は必要な修正を行う。居宅サービス基準第19条に基づき、必要な記録を行う | 計画のどこをどう修正するか、記録の様式や項目 |
| 指定居宅介護支援(担当の介護支援専門員) | 居宅サービス計画の変更を行う。すべての様式を変更する必要はなく、サービス利用票の変更等、最小限の修正で差し支えない | 変更の期限や、利用者への説明の方法 |
この記事で決めること
緊急時訪問介護加算を算定する訪問介護事業所が、令和6年度介護報酬改定Q&A(Vol.4)の問4で、訪問介護計画の必要な修正と基準第19条の記録、居宅介護支援側の居宅サービス計画の変更(最小限の修正で足りること)、居宅サービス計画に時間帯を明示せず緊急訪問の可能性だけが書かれていても算定できること、を確認し、事業所で決めておくことを整理するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、緊急時訪問介護加算を算定した訪問の事務処理の確認表(事業所の運用例:訪問介護計画の修正・記録・ケアマネへの連絡)を作成できる状態を目指します。
「居宅サービス計画に位置付けられていない訪問介護」の意味
算定要件の「居宅サービス計画に位置付けられていない」訪問介護について、問4は括弧で、当該訪問介護を提供した時間帯が、あらかじめ居宅サービス計画に位置付けられたサービス提供の日時以外の時間帯であるものをいうと示しています。そのうえで、利用者やその家族等から訪問介護(身体介護が中心のものに限る)の要請を受けた時点で、居宅サービス計画書の標準様式の第3表や第6表に具体の時間帯としてサービス計画に記載されていない訪問介護のことだと答えています。
見る時点が「要請を受けた時点」である点に注意してください。問4は、その時点で第3表や第6表に具体の時間帯が書かれていたかで分けており、訪問のあとに計画を変更したことを、位置付けの有無の判断に使うとは書いていません。
時間帯が書かれていなくても算定できる場合
問4は、単に居宅サービス計画に位置付けられていない訪問介護を行う可能性がある旨が、サービス提供の時間帯を明示せずに居宅サービス計画へ記載されている場合であっても、加算の算定が可能だと答えています。たとえば、状況により緊急に訪問することがあるとだけ書かれていて、具体の時間帯が書かれていない場合です。
この答えは、時間帯が明示されていない記載があっても算定できるという範囲に限られます。介護支援専門員が必要と認めたかどうかなど、告示の要件が満たされたかの確認は別に必要で、問4はそれを不要としていません。個別の訪問が加算に当たるかは、担当の介護支援専門員と指定権者(都道府県・市町村)に確認してください。
要請を受けたときに事業所が決めておくこと
通知は、緊急訪問の記録の様式や、計画修正の手順を定めていません。次の表は事業所の運用の例で、通知が定めたものではありません。基準第19条の記録は、訪問介護のサービスの提供の記録(基準第19条)と身分を証する書類の携行(第18条)で書く項目を確かめられます。
| 決めておく事項 | 通知との対応 |
|---|---|
| 要請を受けた日時と要請した人、介護支援専門員に連絡した日時と、必要と認められたことの記録の書き場所 | 問4が、基準第19条に基づく必要な記録を求めている |
| 訪問介護計画のうち、緊急訪問を受けて変える箇所があるかを確かめる担当者(サービス提供責任者) | 問4が、訪問介護計画の必要な修正を求めている。計画の記載事項は訪問介護計画の作成・変更サイクルと記載事項で確かめられる |
| 介護支援専門員へ、緊急に訪問した日時と内容を伝える方法と期日 | 居宅サービス計画の変更は介護支援専門員の事務で、問4は最小限の修正でよいとしている。連携の全体は訪問介護のサービス提供・ケアマネ連携・月次報告で確かめられる |
| 居宅サービス計画に緊急訪問の可能性だけが書かれている利用者の一覧 | 問4が、時間帯の明示がなくても算定できる場合を挙げている |
判断がつかないときの確認先
個別の訪問が緊急時訪問介護加算に当たるか、計画をどこまで直すかは、担当の介護支援専門員、事業所を指定した都道府県・市町村、請求を審査する国民健康保険団体連合会に確認してください。確認した日と相手は記録に残します。
この記事が読んだのは、厚生労働省老健局の事務連絡「介護保険最新情報Vol.1256」として送付された令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)の本文で、名古屋市が掲載するPDFから確認しました(2026年10月20日)。厚生労働省側の掲載ページは特定できておらず、このQ&A以降の追補や改正は確認していません。2人訪問との違いや、ほかの加算との比較は、訪問介護の2人の訪問介護員等による訪問(100分の200)の要件や主な加算の比較表:単位数・算定の単位・届出の要否で確かめられます。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 緊急に訪問したら、要請を受けた日時と要請した人、居宅介護支援事業所の介護支援専門員に連絡して必要と認められたことを、サービス提供の記録に書く
- 訪問介護計画のうち、今回の訪問で内容や回数を変える必要がある箇所を確かめ、必要な修正をして、利用者に説明した日を記録する
- 担当の介護支援専門員へ、緊急に訪問した日時と内容を伝え、居宅サービス計画の変更(サービス利用票の変更など最小限の修正で足りるか)の進め方を確かめる
- 居宅サービス計画に緊急訪問の可能性だけが書かれている場合は、要請の時点で具体的な時間帯が計画にあったかを確かめ、算定の可否に迷うときは指定権者に確認して、結果を日付とともに残す
関連ガイドで計画をつなぐ
隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
緊急時訪問介護加算を算定したら、訪問介護計画は直す必要がありますか?
令和6年度介護報酬改定のQ&A(Vol.4)の問4は、算定時の事務処理として、訪問介護事業所は訪問介護計画の必要な修正を行い、居宅サービス基準第19条に基づく必要な記録を行うことを挙げています。どこをどう直すかは通知に書かれておらず、利用者の状況に合わせて決めます。
居宅サービス計画に緊急訪問の時間帯が書かれていなくても、緊急時訪問介護加算は算定できますか?
問4は、居宅サービス計画に位置付けられていない訪問介護を行う可能性があることだけが、サービス提供の時間帯を明示せずに計画へ書かれている場合でも、加算の算定が可能だと答えています。位置付けられていない訪問介護は、要請を受けた時点で標準様式第3表や第6表に具体の時間帯として記載されていない訪問介護のことです。
緊急時訪問介護加算のあと、ケアプランは全部作り直す必要がありますか?
問4は、居宅介護支援側の事務処理として居宅サービス計画の変更を行うことを求めつつ、すべての様式を変更する必要はなく、サービス利用票の変更等、最小限の修正で差し支えないと書いています。変更するのは居宅介護支援事業所の介護支援専門員です。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(別表 指定居宅サービス介護給付費単位数表の訪問介護費)(確認日 2026-10-20)
- 厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1213(令和6年3月15日)留意事項通知の改正(新旧対照)」(確認日 2026-10-20)
- 厚生労働省(名古屋市の掲載ページの写し)「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)(令和6年4月18日、介護保険最新情報Vol.1256)訪問介護 緊急時訪問介護加算 問4、認知症専門ケア加算 問1・問2」(【訪問介護】緊急時訪問介護加算 問4/【訪問介護、(介護予防)訪問入浴介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護】認知症専門ケア加算 問1・問2)(確認日 2026-10-20)