運営 / 更新 2026-10-03

訪問介護の衛生管理等(基準第31条):清潔の保持と健康状態の管理・設備備品の衛生・感染症対策の委員会、指針、研修と訓練

訪問介護の事業者には、訪問介護員等の清潔の保持と健康状態の管理を行い、設備・備品を衛生的に管理し、感染症が発生・まん延しないよう3つの措置を講じる義務があります(省令第37号第31条)。この記事は、3つの項の内容と、厚生労働省の通知(老企第25号)の掲載版が示す留意点を整理します。個別の感染症への具体的な対応方法は扱いません。

この記事で決めること

訪問介護事業者が、運営基準第31条に基づいて、訪問介護員等の清潔の保持と健康状態の管理、事業所の設備・備品の衛生管理、感染症が発生・まん延しないための3つの措置(委員会の開催、指針の整備、研修と訓練)をどう整えるかを、条文と通知から確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、衛生管理・感染症対策の運用確認表を作成できる状態を目指します。

第31条の3つの項

e-Govの現行条文で、第31条の見出しは「衛生管理等」です。第1項は、訪問介護員等の清潔の保持および健康状態について、必要な管理を行わなければならないと定めています。第2項は、事業所の設備および備品等について、衛生的な管理に努めなければならないと定めています。

第3項は、事業所で感染症が発生し、またはまん延しないように、3つの措置を講じなければならないと定めています。第1項と第3項は「しなければならない」、第2項は「努めなければならない」という書き方の違いがあります。

省令第37号第31条の3つの項
項条文の要旨書き方
第1項訪問介護員等の清潔の保持と健康状態について必要な管理を行う行わなければならない
第2項設備・備品等の衛生的な管理努めなければならない
第3項感染症の発生・まん延を防ぐための3つの措置(下の表)講じなければならない

感染症の発生・まん延を防ぐ3つの措置(第3項)

第3項の3つの措置は次のとおりです。第1号は、感染症の予防およびまん延の防止のための対策を検討する委員会をおおむね6月に1回以上開催し、その結果を訪問介護員等へ周知徹底することです。委員会は、テレビ電話装置その他の情報通信機器を活用して行うことができると条文に書かれています。

第2号は、感染症の予防およびまん延の防止のための指針を整備することです。第3号は、訪問介護員等に対し、感染症の予防およびまん延の防止のための研修および訓練を定期的に実施することです。条文は、研修と訓練の回数を数字では定めていません。

省令第37号第31条第3項の3つの措置
号措置の要旨
第1号感染症の予防・まん延防止の対策を検討する委員会を、おおむね6月に1回以上開催し、結果を訪問介護員等へ周知徹底する(テレビ電話装置等の活用可)
第2号感染症の予防・まん延防止のための指針を整備する
第3号訪問介護員等に対し、感染症の予防・まん延防止のための研修と訓練を定期的に実施する

通知が示す留意点(備品の備え)

老企第25号の掲載版は、第31条について、訪問介護員等の清潔の保持および健康状態の管理、ならびに設備および備品等の衛生的な管理に努めるべきこととしています。特に、訪問介護員等が感染源となることを予防し、また感染の危険から守るため、使い捨ての手袋等の感染を予防するための備品等を備えるなど、対策を講じる必要があると書いています。

この通知の文言は「努めるべき」ですが、条文の第1項は、清潔の保持と健康状態について必要な管理を「行わなければならない」としています。この記事で確認した掲載版には、第3項(委員会・指針・研修と訓練)の解釈は載っていません。最新の通知の内容は、指定権者の案内などで確認してください。

業務継続計画・虐待防止との区別

感染症対策の委員会・指針・研修と訓練は、業務継続計画や虐待防止の委員会・指針とは別の条に置かれています。体制をつくるときは、連絡網や記録、見直しの時期を共通にしておくと運用しやすくなります。3つの義務を一覧で整理した運用台帳はBCP・感染症・虐待防止・事故対応の運用台帳、減算との関係は虐待防止・BCP未実施の減算で確認できます。

訪問介護員の健康診断など、労働安全衛生法に基づく義務は、この記事では確認していません。人員・勤務の面は勤務体制の確保等と労働時間と原価で整理しています。

事業所での運用例と確認先

運用の例としては、訪問介護員等の体調の確認の方法と記録の場所を決める、手袋など感染を予防する備品の在庫を点検する、委員会の開催日と周知の方法、指針の改訂日、研修と訓練の実施日・内容・参加者を一つの台帳に残す、といった方法があります。記録の保存の考え方は記録の保存期間で整理しています。

この記事は、条文と通知の掲載版で確認できた範囲の整理であり、個別の事業所が基準に適合するかを判断するものではありません。委員会の構成、指針に載せる内容、研修と訓練の水準、記録の様式は、自治体や個別の事情で判断が分かれる事項のため、指定権者に確認してください。確認先の一覧は指定権者に確認する事項の一覧にあります。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 訪問介護員等の清潔の保持と健康状態を誰がどの頻度で確認し、どこに記録するかを決め、使い捨ての手袋など感染を予防する備品を備える
  2. 事業所の設備・備品の衛生管理の担当と点検の手順を決め、点検した日付を記録する
  3. 感染症の予防とまん延の防止を検討する委員会を、おおむね6月に1回以上開く予定を組み、結果を訪問介護員等へ周知した方法と日付を残す
  4. 感染症の指針の整備と、研修及び訓練の定期的な実施の予定を管理し、実施日・内容・参加者を記録して、運営指導の準備にもつなげる

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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