運営 / 更新 2026-10-14

訪問介護の新規利用者の受け入れの流れ(省令第8〜14条)

居宅介護支援事業者(ケアマネジャーの事業所)から訪問介護の利用者の紹介を受けたとき、事業所は、受けるかどうかの判断から提供の開始までに、運営基準(平成11年厚生省令第37号)の複数の条文に沿って動きます。このページは、第9条から第14条を、受け入れの順に並べて確認します。居宅介護支援事業所への挨拶の仕方や空き状況の伝え方は、基準に定めがないため扱いません。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護の開業準備者や管理者が、居宅介護支援事業者から利用者の紹介を受けたときに、受けるかどうかの判断から提供の開始までに、運営基準が何をいつ求めているかを、条文の順に確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、新規依頼の受付記録票(依頼元の居宅介護支援事業者、依頼日、希望する内容と地域、被保険者証の確認結果、受けるかどうかの判断と理由、断る場合の連絡先と時刻、重要事項の交付と同意の日、サービス担当者会議の日)を作成できる状態を目指します。

受け入れの順に並べた基準の定め:第9条から第14条

条文は、依頼を受けた事業所の動きを次の順に定めています。まず依頼を正当な理由なく拒まないこと(第9条)、自ら適切に提供できないときは居宅介護支援事業者へ連絡し他の事業者を紹介するなどすること(第10条)、被保険者証で資格と認定を確かめること(第11条)です。

提供の開始に際しては、重要事項を記した文書の交付と説明、同意が必要です(第8条)。提供に当たっては、サービス担当者会議などで利用者の状況を把握し(第13条)、居宅介護支援事業者と連携します(第14条)。

条文の番号は第8条が先ですが、実務の順序は、依頼を受けて判断し、資格を確かめ、説明して同意を得て、提供を始める流れになります。第8条の「提供の開始に際し、あらかじめ」が、その最後の段階にあたります。

新規利用者の受け入れで基準が求めること(省令第8条〜第14条、2026-10-14確認)
段階基準が求めること根拠
依頼を受ける正当な理由なく提供を拒まない第9条
提供が困難と判断した居宅介護支援事業者への連絡、適当な他の事業者の紹介その他の必要な措置を速やかに講じる第10条
提供を求められた被保険者証で、被保険者資格、要介護認定の有無、認定の有効期間を確かめる第11条
提供の開始前運営規程の概要などを記した文書を交付して説明し、同意を得る第8条
提供に当たってサービス担当者会議等で、心身の状況、環境、他のサービスの利用状況の把握に努める第13条
提供の中・終了時居宅介護支援事業者等との密接な連携に努め、終了時は利用者や家族への指導と居宅介護支援事業者への情報提供に努める第14条

依頼を受けたとき:断るかどうかの判断は第9条と第10条

第9条は、指定訪問介護事業者は正当な理由なく指定訪問介護の提供を拒んではならないと定めています。受け入れの判断は、人員に余裕がないという事情だけで先送りしたり、黙って返事をしなかったりして済ませるものではありません。

第10条は、通常の事業の実施地域等を勘案し、自ら適切な指定訪問介護を提供することが困難と認めた場合に、その利用申込者に係る居宅介護支援事業者への連絡、適当な他の指定訪問介護事業者等の紹介その他の必要な措置を速やかに講じるよう求めています。断る場合も、居宅介護支援事業者への連絡が条文上の義務です。何が正当な理由に当たるかの類型と、断れる・断れない場合の整理は、訪問介護の提供拒否禁止と提供困難時の紹介・連絡で確かめられます。

提供を求められたとき:被保険者証で資格と認定を確かめる

第11条第1項は、提供を求められた場合に、その者の提示する被保険者証によって、被保険者資格、要介護認定の有無、要介護認定の有効期間を確かめるものとしています。第2項は、被保険者証に認定審査会意見が記載されているときは、その意見に配慮して提供するよう努めることを求めています。

確認の項目と、負担割合証や給付制限の見方は、訪問介護の受給資格の確認手順で整理しています。認定の結果が出る前に利用を始める場合の仕組みとリスクは、暫定ケアプランの仕組みで確かめられます。

提供の開始前:重要事項の文書を交付して説明し、同意を得る

第8条は、提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者またはその家族に対し、運営規程の概要、訪問介護員等の勤務の体制、その他サービスの選択に資する重要事項を記した文書を交付して説明し、提供の開始について同意を得ることを求めています。記載事項と同意の残し方は、訪問介護の重要事項説明書で、契約の記録との関係は利用契約・重要事項説明・記録の流れで整理しています。

提供に当たって:状況の把握と居宅介護支援事業者との連携

第13条は、提供に当たり、居宅介護支援事業者が開催するサービス担当者会議などを通じて、利用者の心身の状況、置かれている環境、他の保健医療サービスや福祉サービスの利用状況等の把握に努めるよう定めています。第14条は、居宅介護支援事業者その他のサービスを提供する者との密接な連携に努めること、提供の終了に際して利用者や家族に適切な指導を行い、居宅介護支援事業者へ情報を提供するよう努めることを定めています。

居宅介護支援事業者との連絡の実務はケアマネジャーとの連携で、居宅サービス計画に沿った提供は訪問介護計画と居宅サービス計画の適合で確かめられます。

このページの範囲

このページが確認したのは、省令第8条から第11条、第13条、第14条の条文(e-Gov法令検索、2026-10-14取得)です。居宅介護支援事業所への挨拶、空き状況の伝え方、紹介を受けるための営業活動は、これらの条文に定めがなく、書いていません。

個別の依頼を断ってよいかの判断、重要事項説明書や契約書の雛形、自治体ごとの運用は扱っていません。迷うときは指定権者(都道府県・市区町村)に確認してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 依頼を受けたら、依頼元の居宅介護支援事業者、依頼日、希望する内容と利用者の住所を受付記録票に書き、受けるかどうかの判断を後回しにしない
  2. 通常の事業の実施地域と現在の人員から、自ら適切に提供できるかを確かめ、困難なら理由を書いて居宅介護支援事業者へ連絡し、他の事業者の紹介など必要な措置を速やかに行う
  3. 提供を求められた利用者の被保険者証で、被保険者資格、要介護認定の有無、認定の有効期間を確かめ、認定審査会意見があれば記録に残す
  4. 提供の開始前に、重要事項を記した文書を交付して説明し、同意を得る。サービス担当者会議などで利用者の心身の状況や環境の情報を集め、居宅介護支援事業者と連絡をとる窓口を決める

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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