運営 / 更新 2026-10-05

訪問介護の居宅サービス計画に沿った提供と計画変更の援助(基準第16条・第17条):計画にない依頼を受けたときの流れ

訪問介護は、ケアマネジャーが作る居宅サービス計画(ケアプラン。どのサービスをどれだけ使うかを決める計画)に位置づけられて初めて、介護保険の給付として提供できます。運営基準は、この計画に沿ってサービスを提供すること(第16条)と、利用者が計画の変更を希望したときに居宅介護支援事業者(ケアマネジャーが所属する事業所)への連絡などの援助をすること(第17条)を定めています。この記事は、2つの条文と通知から、利用者に計画にない依頼をされたときの流れを整理します。個別の依頼が給付の対象になるかどうかの判断は扱いません。

この記事で決めること

訪問介護事業者が、運営基準第16条に基づいて居宅サービス計画に沿ったサービスを提供し、第17条に基づいて利用者が計画の変更を希望したときに居宅介護支援事業者へ連絡するなどの援助を行う義務を、条文と解釈通知から確認し、計画にない依頼を受けたときの流れの例を整理するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、計画にない依頼を受けたときの対応手順表を作成できる状態を目指します。

第16条と第17条が定めること

第16条は、居宅サービス計画が作成されている場合は、その計画に沿った訪問介護を提供しなければならないと定めています。計画に書かれた内容を基準にサービスを組み立てる義務で、計画がない場合のことは書かれていません。

第17条は、利用者が居宅サービス計画の変更を希望する場合に、その利用者に係る居宅介護支援事業者への連絡その他の必要な援助を行わなければならないと定めています。計画を変更する権限は訪問介護の事業所にはなく、事業所が求められているのは、変更を希望する利用者のために、ケアマネジャーに連絡するなどの手助けです。

運営基準第16条・第17条(e-Govの現行条文、取得2026-10-05)
条場面事業者が求められること
第16条居宅サービス計画が作成されている計画に沿った訪問介護を提供する
第17条利用者が計画の変更を希望する居宅介護支援事業者への連絡など、必要な援助を行う

通知が示す、状態の変化で追加のサービスが必要になった場合

厚生労働省の解釈通知(老企第25号 第三の3(7))は、第17条の背景を、訪問介護を法定代理受領サービス(利用者の自己負担を除く保険給付を、保険者が事業者へ直接支払う仕組み)として提供するには、その訪問介護が居宅サービス計画に位置づけられている必要があることと説明しています。

そのうえで、利用者の状態の変化などで追加のサービスが必要になり、事業所がその必要性を説明して利用者が同意した場合も、第17条の「変更を希望する場合」に含まれるとしています。援助の中身として、居宅介護支援事業者への連絡と、サービスを追加して法定代理受領サービスにするなら支給限度額の範囲内で計画を変更する必要があるという説明を挙げています。限度額の考え方は訪問介護の区分支給限度基準額と利用者負担割合で確認できます。

依頼を受けたときの流れ(運用の例)

条文と通知が直接定めているのは、計画に沿った提供と、変更を希望する利用者への連絡などの援助までです。計画にない依頼を現場で受けたときに、すぐに提供してよいか、どの範囲まで認められるかは、確認した範囲の条文と通知には書かれていません。下の表は、条文の趣旨に沿って事業所が流れを決めておくときの例です。

算定の細かい扱いは、この記事では複製しません。緊急時の訪問に関する加算は緊急時訪問介護加算で、保険内と保険外のサービスを同じ訪問で組み合わせるときの線引きは保険内サービスと保険外サービスの混在で、提供できる範囲は訪問介護で提供できる範囲の境界で確認できます。

計画にない依頼を受けたときの流れの例(運用の例であり、条文の定めではない)
段階することの例確認する先
受付の確認依頼の内容が計画に書かれた内容に含まれるかを、計画書面で確認する居宅サービス計画(第16条)
ケアマネジャーへの連絡含まれない依頼は、その場で約束せず、依頼の内容と日時を居宅介護支援事業者へ連絡する第17条、通知(7)
計画の変更ケアマネジャーが計画を変更し、変更後の計画に沿って提供する。追加分は限度額の範囲内か説明する通知(7)
算定の可否緊急時の訪問や介護保険の対象外の依頼は、算定できるかを別の記事と保険者で確認する保険者、指定権者

確認が必要な事項

確認した範囲の条文と通知には、計画にない依頼を一時的に受けてよい範囲、緊急の依頼のあとにケアマネジャーへ連絡する期限、算定できるかどうかの個別の判断は書かれていません。どれも事業所のある市町村などの保険者と、都道府県などの指定権者に確認します。確認先の一覧は指定権者に確認する事項の一覧にあります。

ケアマネジャーとの日常の連絡と月次の報告は訪問介護のサービス提供・ケアマネ連携・月次報告で、訪問介護計画との関係は訪問介護計画の作成・変更サイクルで整理しています。病状の急変など緊急時の措置は第27条の別の規定で、訪問介護の緊急時等の対応(基準第27条)にまとめています。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 訪問前に居宅サービス計画の内容を確認し、計画に沿ってサービスを組み立てる
  2. 計画に含まれない依頼を受けたときは、その場で約束せず、依頼の内容と日時を居宅介護支援事業者へ連絡する手順を決める
  3. 計画の変更後に、変更後の計画に沿って提供し、追加分が支給限度額の範囲内かを利用者へ説明する
  4. 緊急時の訪問や保険外の依頼は、算定できるかを保険者・指定権者に確認してから扱う

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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