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運営 / 更新 2026-11-06

苦情・事故と単独訪問リスクへの備え

苦情・事故・単独訪問リスクは、初動、事実記録、報告要否、補償確認、原因分析、再発防止を分けて準備します。

暴力・事故・急変時の初動と記録

暴力・ハラスメントは職員の安全確保と現場からの離脱を最優先し、状況を記録して管理者へ即時報告します。利用者・家族からの苦情に該当する場合は、指定基準第三十六条の苦情受付窓口で内容を記録します(条文の内容は訪問介護の苦情処理(基準第36条)にまとめています)。感染が疑われる場合は感染拡大防止のための訪問可否や防護具着用等を判断し、症状と対応を記録します。

交通事故は負傷者の安全確保と必要な救急要請を優先し、指定訪問介護の提供により生じた事故に該当する場合は、指定基準第三十七条に基づき市町村・利用者の家族・居宅介護支援事業者へ連絡し、事故の状況と採った処置を記録します。鍵紛失・金銭トラブルは被害拡大の防止を優先して状況を記録し、管理者へ報告します。

利用者と連絡が取れない場合は、事前に決めた立入基準・連絡順に沿って安全確認を行い、対応の経過を記録します。事故発生時の連絡先・記録・損害賠償の内容は訪問介護の事故発生時の対応(基準第37条)で確認できます。

利用者の病状が急変した場合は、指定基準第二十七条が、訪問介護員等に速やかな主治の医師への連絡など必要な措置を講じることを求めています。事業所内の運用として、連絡先と連絡の手順を事前に決めておき、連絡した時刻・相手・内容と採った措置を記録して管理者へ報告します。条文の読み方は訪問介護の緊急時等の対応(基準第27条)にまとめています。

この記事で決めること

苦情・事故・単独訪問リスクへの初動・記録・報告・補償確認・再発防止を分けるための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、苦情・事故・単独訪問リスクの初動と記録手順を作成できる状態を目指します。

保険の補償範囲と損害賠償の確認

保険の補償範囲は商品名や一般論から推測せず証券で確認します。指定訪問介護の提供により賠償すべき事故が発生した場合、指定基準第三十七条第三項は速やかな損害賠償を義務付けており、保険での填補可否とは別に確認します。

地域との連携等(市町村が実施する事業への協力)

指定基準第三十六条の二は、指定訪問介護事業者に、提供した指定訪問介護に関する利用者からの苦情について、市町村等が派遣する者が相談及び援助を行う事業その他の市町村が実施する事業に協力するよう努めることを求めています。義務ではなく努力義務です。

事業所内の運用としては、市町村から協力の依頼や相談員の訪問の連絡があったときの窓口と担当者を決め、対応の日と内容を第三十六条の苦情の記録とあわせて残します。協力の具体的な方法や、どの事業が当てはまるかは市町村ごとに異なるため、事業所のある市町村の案内を確認してください。

苦情解決の第三者委員(社会福祉法上の位置づけ)

指定基準第三十六条の苦情受付窓口とは別に、社会福祉法上の苦情解決の仕組みでは、苦情解決責任者(施設長・理事等)、苦情受付担当者(職員から任命)に加えて、第三者委員を事業者の責任において選任することとされています。厚生労働省の指針(平成12年6月7日児発第575号等)は、第三者委員の職務として苦情内容の報告聴取、苦情申出人への通知、苦情の直接受付、助言、話し合いへの立ち会いなどを挙げています。

この指針は社会福祉法第2条の社会福祉事業を経営する者を対象としており、訪問介護事業者への適用範囲や第三者委員の設置義務の強さは指針本文に明記されていません。個別事業所での設置要否・運用方法は断定せず、指定権者・所轄庁へ確認してください。

事故で賠償が生じたときの保険

利用者へのケガや利用者宅の物の破損で賠償が必要になる場合に備える賠償責任保険は、訪問介護の損害賠償(基準第37条第3項)と賠償責任保険の補償範囲の整理で補償の例と対象外の主な場合を確認できます。

あわせて確認する論点

事故やヒヤリハットが起きたときの記録の項目と、市町村への報告の考え方は、ヒヤリハット記録と事故報告書の書き方で厚生労働省の標準様式に沿って整理しています。

従業員からの通報への備え

苦情や事故のほかに、従業員が不正を通報する場面も想定しておきます。通報者の保護と事業者の努力義務は、訪問介護事業所の公益通報者保護法:従業員300人以下の努力義務と通報者の保護で整理しています。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 想定事象ごとに安全確保と連絡順を決める
  2. 事実・判断・対応を分けて記録する
  3. 行政・保険等への確認要否を判断する担当を置く
  4. 原因分析と再発防止の完了を追う

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

苦情や事故が起きたとき、何を分けて対応しますか?

初動、記録、報告、補償の確認、再発防止の5つを分けて、担当者と順序を決めておきます。

単独訪問のリスクには、どう備えますか?

単独で訪問する場面ごとに、事前の確認事項と発生時の連絡先を決めます。具体的な内容は、事業所の運用に合わせて整理します。

保険で補償される範囲もこの記事でわかりますか?

保険の補償の範囲は、加入している保険の契約内容で確認します。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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