運営 / 更新 2026-09-11

苦情・事故と単独訪問リスクへの備え

苦情・事故・単独訪問リスクは、初動、事実記録、報告要否、補償確認、原因分析、再発防止を分けて準備します。

この記事で決めること

苦情・事故・単独訪問リスクへの初動・記録・報告・補償確認・再発防止を分けるための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、苦情・事故・単独訪問リスクの初動と記録手順を作成できる状態を目指します。

実務へ落とす

暴力・ハラスメントは職員の安全確保と現場からの離脱を最優先し、状況を記録して管理者へ即時報告します。利用者・家族からの苦情に該当する場合は、指定基準第三十六条の苦情受付窓口で内容を記録します。感染が疑われる場合は感染拡大防止のための訪問可否や防護具着用等を判断し、症状と対応を記録します。交通事故は負傷者の安全確保と必要な救急要請を優先し、指定訪問介護の提供により生じた事故に該当する場合は、指定基準第三十七条に基づき市町村・利用者の家族・居宅介護支援事業者へ連絡し、事故の状況と採った処置を記録します。鍵紛失・金銭トラブルは被害拡大の防止を優先して状況を記録し、管理者へ報告します。利用者と連絡が取れない場合は、事前に決めた立入基準・連絡順に沿って安全確認を行い、対応の経過を記録します。

確認と見直し

保険の補償範囲は商品名や一般論から推測せず証券で確認します。指定訪問介護の提供により賠償すべき事故が発生した場合、指定基準第三十七条第三項は速やかな損害賠償を義務付けており、保険での填補可否とは別に確認します。個別の法的責任は専門家や関係機関へ確認します。

苦情解決の第三者委員(社会福祉法上の位置づけ)

指定基準第三十六条の苦情受付窓口とは別に、社会福祉法上の苦情解決の仕組みでは、苦情解決責任者(施設長・理事等)、苦情受付担当者(職員から任命)に加えて、第三者委員を事業者の責任において選任することとされています。厚生労働省の指針(平成12年6月7日児発第575号等)は、第三者委員の職務として苦情内容の報告聴取、苦情申出人への通知、苦情の直接受付、助言、話し合いへの立ち会いなどを挙げています。

この指針は社会福祉法第2条の社会福祉事業を経営する者を対象としており、訪問介護事業者への適用範囲や第三者委員の設置義務の強さは指針本文に明記されていません。個別事業所での設置要否・運用方法は断定せず、指定権者・所轄庁へ確認してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 想定事象ごとに安全確保と連絡順を決める
  2. 事実・判断・対応を分けて記録する
  3. 行政・保険等への確認要否を判断する担当を置く
  4. 原因分析と再発防止の完了を追う

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 訪問介護の月次決算・記録照合の手順