運営 / 更新 2026-10-26

身体拘束廃止未実施減算:施設・居住系はイ10%・短期入所等は1%と運営基準の3つの措置

身体拘束廃止未実施減算は、訪問介護以外の多くのサービスにも置かれています。算定基準の告示の別表で確認できた範囲では、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院、特定施設入居者生活介護のイ、認知症対応型共同生活介護のイなどは所定単位数の100分の10、短期入所・小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護などは100分の1です。減算になるのは、身体拘束が行われたときではなく、運営基準が求める記録や措置が欠けているときです。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

対象サービスと減算率の一覧

告示の別表の注で、身体拘束廃止未実施減算が置かれていることを確認したサービスは、次のとおりです。減算は、厚生労働大臣が定める基準を満たさない場合に、所定単位数から引かれます。令和8年厚生労働省告示第87号(令和8年6月1日施行)による影響は確認していません。

身体拘束廃止未実施減算の対象サービスと減算率(算定基準の告示の別表。注の番号は2026-10-26に確認した版)
サービス減算率告示の注
特別養護老人ホーム(介護福祉施設サービス)100分の10注4
介護老人保健施設(介護保健施設サービス)100分の10注3
介護医療院(介護医療院サービス)100分の10注3
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護100分の10注4
特定施設入居者生活介護イは100分の10、ロ及びハは100分の1注4
地域密着型特定施設入居者生活介護イは100分の10、ロは100分の1注3
認知症対応型共同生活介護イは100分の10、ロは100分の1注2
短期入所生活介護100分の1注3
短期入所療養介護(各類型)100分の1注4
小規模多機能型居宅介護100分の1注4
看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス費)100分の1注4

この記事で決めること

施設・居住系・短期入所・小規模多機能などへ事業を広げる事業者が、身体拘束廃止未実施減算の対象サービスと減算率、運営基準が求める記録と3つの措置を告示と条文で確かめるための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、身体拘束の適正化の点検表(サービスごとに、記録・委員会の開催日・指針・研修の実施日を1枚にまとめた表)を作成できる状態を目指します。

減算の条件:運営基準の記録と3つの措置

減算の基準は、告示(平成27年厚生労働省告示第95号)が、各サービスの運営基準の条文に適合していることと定めています。短期入所生活介護費は指定居宅サービス等基準第128条第5項及び第6項、特定施設入居者生活介護費は第183条第5項及び第6項、小規模多機能型居宅介護費は指定地域密着型サービス基準第73条第6号及び第7号です。

運営基準の条文は、緊急やむを得ない場合を除いて身体的拘束等を行ってはならないと定め、行う場合は態様と時間、その際の利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録するよう求めています。さらに、身体的拘束等の適正化のため、(1)対策を検討する委員会を3月に1回以上開催して結果を従業者に周知徹底すること(テレビ電話装置等を活用してよい)、(2)指針を整備すること、(3)従業者への研修を定期的に実施することの3つの措置が必要です。短期入所生活介護の第128条、小規模多機能型居宅介護の第73条、指定介護老人福祉施設の第11条で、この構成を条文で確認しました。

減算の運用と令和6年度改定の経過措置

減算になるのは、身体拘束が行われたときではなく、記録や措置が欠けているときです。令和6年3月の留意事項通知の改正(介護保険最新情報Vol.1213の新旧対照)は、短期入所生活介護について、記録を行っていない場合と3つの措置を講じていない場合に、利用者全員について所定単位数から減算すると示しています。

事実が生じたら速やかに改善計画を都道府県知事に提出し、事実が生じた月から3月後に改善状況を報告します。減算の期間は、事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までです。

短期入所療養介護は同じ取扱いを準用すると書かれています。ほかのサービスの通知の個別の記述は確認していません。

令和6年告示第86号の附則第4条は、令和7年3月31日までの間、短期入所生活介護・短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護のロ及びハ、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護のロ、地域密着型特定施設入居者生活介護のロの減算を適用しないと定めていました。表の100分の1の区分の多くは、この経過措置が終わった後の規定です。

確かめ方と関連する記事

展開するサービスごとに、委員会の開催日、指針の整備日、研修の実施日、記録の様式を1枚の表にして管理すると、取りこぼしを防げます。これは確認の方法の提案で、制度が定めた手順ではありません。個別の算定の可否は、指定権者に確認してください。

訪問介護の記録は訪問介護の身体的拘束等:原則禁止と緊急時の記録、ほかの減算との並びは訪問介護の減算の比較表(同一建物・虐待防止・業務継続計画・身体拘束・人員欠如)、虐待防止と業務継続計画の減算は訪問介護の虐待防止・業務継続計画未策定減算(各1%)の基準で確認できます。サービスごとの単位数は短期入所生活介護費の単位数:単独型は要介護1で645単位・送迎は片道184単位、特定施設入居者生活介護費の単位数:要介護1は542単位・看取り介護加算、認知症対応型共同生活介護費の単位数:要介護1は765単位・夜間支援体制加算50単位にあります。

この記事で確認した範囲

2026-10-26に、居宅サービス・地域密着型サービス・施設サービスの算定基準の告示の別表の注、平成27年厚生労働省告示第95号の基準、運営基準の条文(e-Gov)、令和6年告示第86号の附則第4条、留意事項通知の新旧対照を確認しました。

介護予防サービスの告示、令和8年厚生労働省告示第87号による影響、サービスごとの留意事項通知の個別の記述は確認しておらず、書いていません。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 展開を考えるサービスが、告示の別表で身体拘束廃止未実施減算の対象か、減算率が100分の10か100分の1かを確かめる
  2. 身体的拘束等を行う場合の記録(態様・時間・心身の状況・緊急やむを得ない理由)の様式を用意する
  3. 適正化の委員会の開催日(3月に1回以上)、指針の整備日、研修の実施日を、年間の予定表に入れる
  4. 記録や措置が欠けた場合は改善計画の提出と報告が必要になるため、提出先と期限を指定権者に書面で確かめて保管する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 訪問介護の減算の比較表(同一建物・虐待防止・業務継続計画・身体拘束・人員欠如) →