運営 / 更新 2026-10-15

訪問介護の減算の比較表(同一建物・虐待防止・業務継続計画・身体拘束・人員欠如)

一般の訪問介護事業所に当たる減算は、同一建物等居住者への訪問、高齢者虐待防止措置未実施、業務継続計画未策定の3つです(共生型訪問介護の事業所に定めのある率は除きます)。身体的拘束等の適正化の未実施と人員の欠員は、訪問介護費の減算としては見当たりません。この記事は、5つの論点を1つの表にし、減算率、当たる条件、解消の手順、詳しい記事を並べて、自事業所の点検に使えるようにします(確認日2026年10月15日)。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護で自事業所に当たる減算を一度に点検するため、同一建物等居住者・高齢者虐待防止措置未実施・業務継続計画未策定の減算率と条件を並べ、身体的拘束等の適正化と人員の欠員が訪問介護費の減算に見当たらないことも含めて、解消の手順と詳しい記事を1表で示すための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、自事業所の減算点検表(論点ごとの該当の有無・根拠書類・確認日・指定権者への確認事項)を作成できる状態を目指します。

訪問介護の減算の比較表(5つの論点)

減算率は、告示(指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準)の訪問介護費の注に定められている範囲だけを書いています。当たる条件と解消の手順は、運営基準と留意事項通知(老企第36号)にもとづく整理で、個別の算定可否は指定権者が判断します。

訪問介護の減算と、減算に当たらない2つの論点
論点減算率当たる条件解消の手順詳しい記事
同一建物等居住者への訪問所定単位数の100分の90・100分の85・100分の88(建物と人数で決まる)同一敷地内建物等に居住する利用者への訪問、または同一敷地内建物等に当たらない建物で自事業所の利用者が20人以上居住する場合。100分の85は同一敷地内建物等で50人以上、100分の88は事業所の90%判定に該当する場合の同一敷地内建物等(50人以上の建物を除く)の居住者だけ居住状況は建物の位置関係と月平均の人数で決まるため、利用者の住所から建物ごとの人数を月ごとに記録し、同一敷地内建物等への提供の割合も含めて、90%判定の書類を期限までに作成する。減算そのものは、利用者の居住先が変わらない限り外せない同一建物減算(サ高住・有料老人ホーム併設と90%判定)
高齢者虐待防止措置未実施所定単位数の100分の1(注5)運営基準第37条の2の措置(委員会の定期開催と周知、指針の整備、研修の定期実施、担当者の配置)を整えていない場合委員会・指針・研修・担当者の4点を書類として整える。開業前から必要で、訪問介護費に経過措置は置かれていない訪問介護の虐待防止・業務継続計画未策定減算(各1%)の基準
業務継続計画未策定所定単位数の100分の1(注6)運営基準第30条の2第1項の業務継続計画(感染症・非常災害の発生時の継続と早期再開の計画)を策定していない場合感染症編・自然災害編の計画を作り、計画に従った措置を講じる。令和7年3月31日までの経過措置は終わっている訪問介護の業務継続計画(BCP)に書く項目
身体的拘束等の適正化の未実施訪問介護費には定めが見当たらない身体拘束廃止未実施減算は、厚生労働省の報酬基準で施設・居住系サービスの規定として列挙されており、訪問介護費は対象一覧に含まれていない減算の有無とは別に、運営基準で緊急やむを得ない場合を除く身体的拘束等が禁止され、行う場合は態様・時間・心身の状況・理由を記録する訪問介護の身体的拘束等:原則禁止と緊急時の記録
人員の欠員訪問介護費には定めが見当たらない留意事項通知の人員基準欠如の項は通所介護の節にあり、訪問介護員等やサービス提供責任者の欠員を理由とする減算の記載は見当たらない(算定方法の告示は未確認)減算がなくても、基準を満たせない状態は指定の効力停止・取消しの事由になりうる。欠員が判明した段階で、変更届出の要否を指定権者へ確認する訪問介護の人員基準割れ(欠員)時の変更届出・指定取消しリスク

表から読み取れる違い

1つ目は、自事業所の努力で外せるかどうかです。虐待防止措置と業務継続計画は、書類と体制を整えれば減算の対象から外れます。同一建物等の減算は、利用者がどこに住んでいるかで決まるため、体制を整えても外れません。

事業計画では、虐待防止措置と業務継続計画の減算は0と置いて整うまでの月だけリスクとして見込み、同一建物等の減算は利用者の居住見込みから率を置きます。

2つ目は、減算の名前があっても訪問介護に当たらないものがあることです。身体的拘束等の適正化は、減算がなくても禁止と記録の義務は残ります。人員の欠員も、減算が見当たらないことは基準を満たさなくてよいことを意味しません。

3つ目は、減算の額の見方です。虐待防止措置未実施と業務継続計画未策定の1%は所定単位数に対する割合で、同時に当たった場合の合わせ方は告示の文言だけでは確認していません。同一建物等の率との関係も、計算例はシミュレーターが計算しない加算・減算の範囲で確認できます。

自事業所の点検の順番と、この表で判断できないこと

点検は、体制で外せるものから進めます。虐待防止の4点と業務継続計画の策定を書類で示せるか確かめ、次に利用者の居住先を建物ごとに集計して同一建物等の率に当たるかを見ます。最後に、身体的拘束等の記録と人員の配置を運営基準の側から点検します。

この表は、告示と通知の文言から減算の有無と条件を並べたものです。個別の請求額が正しいか、減算の対象になるかは、指定権者の確認と国保連の審査で決まります。加算の側の一覧は主な加算の比較表にあります。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 虐待防止の委員会・指針・研修・担当者の4点と、業務継続計画を、書類として示せるかを確かめる
  2. 利用者の居住先を建物ごとに月ごとに集計し、同一建物等の率(100分の90・85・88)に当たるかを見る
  3. 身体的拘束等の記録様式と、訪問介護員等・サービス提供責任者・管理者の配置を運営基準の側から点検する
  4. 減算に当たるか判断できない論点は、指定権者への確認事項として確認した日とあわせて記録する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 訪問介護のシミュレーターが計算しない加算・減算の範囲 →