運営 / 更新 2026-10-28
福祉用具貸与の具体的取扱方針(基準第199条):情報提供・点検・調整・身体的拘束の禁止
福祉用具貸与の事業者が貸与を提供するときに守る取扱方針は、指定居宅サービス基準の第199条に9つの号で定められています。目録等の文書を示した情報提供と同意、貸与前の点検、調整と使用方法を書いた文書の交付、貸与後の使用状況の確認、緊急やむを得ない場合を除く身体的拘束等の禁止が中心です。このページは、e-Govの現行条文で、9つの号を順に確かめて整理します。
根拠は指定居宅サービス基準の第199条
このページの根拠は、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)の第199条です。2026年10月28日に、e-Govの現行条文を取得して確認しました。条の見出しは「指定福祉用具貸与の具体的取扱方針」で、福祉用具専門相談員の行う貸与の方針を定めています。
条文を整理したページで、解釈通知の細かな運用や、都道府県等の条例による上乗せは確認していません。事業所の指定権者の案内もあわせて確かめてください。計画の作成とモニタリングは第199条の2に別に定められており、ページ末の関連ページで整理しています。
この記事で決めること
福祉用具貸与の事業者が、貸与の提供にあたって守る取扱方針(情報提供と同意、点検、調整と文書の交付、使用状況の確認、身体的拘束等の禁止、複数商品の情報提供)を、指定居宅サービス基準の条文で確かめたい人向け。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、福祉用具貸与の提供前後の確認表(利用者の管理番号、目録等を示して説明した項目と同意を得た日、同一種目で機能や価格帯の異なる商品の情報を提供した記録、対象福祉用具で貸与と販売の選択を説明した日、貸与前の点検の結果、調整と使用方法を書いた文書を交付した日、使用状況の確認の日と内容、身体的拘束等の有無、居宅サービス計画の記載を担当の介護支援専門員と確認した日)を作成できる状態を目指します。
提供の前:目録等での情報提供と、複数商品の情報
第1号は、貸与の提供にあたって、福祉用具貸与計画に基づき、福祉用具が適切に選定され使用されるよう、専門的知識に基づき相談に応じるとしています。そのうえで、目録等の文書を示して、福祉用具の機能、使用方法、利用料、全国平均貸与価格等の情報を提供し、個別の福祉用具の貸与について同意を得ます。
第9号は、同一種目で機能や価格帯の異なる複数の福祉用具の情報を、利用者に提供するとしています。1つの商品だけを示すのではなく、比べられる情報を示すことが求められています。全国平均貸与価格と価格の上限の考え方は、福祉用具貸与の価格の上限で整理しています。
対象福祉用具:貸与か販売かを選べることの説明
第2号は、貸与と特定福祉用具販売のどちらにも当たる福祉用具(条文で「対象福祉用具」)の貸与では、利用者が貸与と販売のどちらかを選べることを十分に説明するとしています。選ぶために必要な情報も提供します。
そのうえで、事業者は、利用者の身体の状況等と関係者の意見を踏まえて提案を行います。関係者として条文が挙げるのは、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、居宅サービス計画の原案に位置付けた居宅サービス等の担当者などです。居宅サービス計画に位置付けるときの理由の記載は、福祉用具貸与・特定福祉用具販売をケアプランに位置付けるときの理由の記録で整理しています。
貸与のとき:点検・調整・文書の交付・使用方法の指導
第3号は、貸与する福祉用具の機能、安全性、衛生状態等について点検を行うとしています。第4号は、利用者の身体の状況等に応じて福祉用具の調整を行うとしています。
あわせて第4号は、福祉用具の使用方法、使用上の留意事項、故障時の対応等を書いた文書を利用者に交付し、十分な説明を行ったうえで、必要に応じて利用者に実際にその福祉用具を使わせながら使用方法の指導を行うとしています。口頭の説明だけでなく、文書の交付が求められています。
貸与のあと:使用状況の確認と、身体的拘束等の禁止
第5号は、利用者等からの要請等に応じて、貸与した福祉用具の使用状況を確認し、必要な場合は使用方法の指導、修理等を行うとしています。計画に基づくモニタリングとは別に、要請等に応じた確認が求められています。
第6号は、当該利用者または他の利用者等の生命または身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならないとしています。第7号は、身体的拘束等を行う場合に、その態様と時間、その際の利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録しなければならないとしています。訪問介護の身体的拘束等の記録の決まりは、訪問介護の身体的拘束等の記録で整理しています。
居宅サービス計画との関係(第8号)
第8号は、居宅サービス計画に福祉用具貸与が位置付けられる場合に、その計画に貸与が必要な理由が記載されるようにするとしています。条文では、担当の介護支援専門員が必要に応じて随時その必要性を検討したうえで、継続が必要な場合はその理由が計画に記載されるよう、事業者が必要な措置を講じるものとされています。
福祉用具貸与の事業者の側の措置の内容は条文に細かく書かれていないため、具体的な連絡の方法は、担当の介護支援専門員や指定権者の案内で確認が必要です。
事業所で確認する順番と、次に知りたいこと
事業所では、提供前の情報提供と同意、点検と調整、文書の交付、貸与後の使用状況の確認の日付と内容を、利用者ごとに残しておくと確認しやすくなります。この順番は条文の号の並びに沿った実務の一例で、条文が様式を定めているわけではありません。
運営規程の項目は福祉用具貸与・特定福祉用具販売の運営規程の7項目で整理しています。このページは、2026年10月28日に確認した条文の整理にとどまり、個別の対応の適否の判断はしません。最新の取り扱いは、厚生労働省と指定権者の案内で確認が必要です。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 利用者への提供前に、福祉用具貸与計画に基づく選定であることを確かめ、目録等の文書で、福祉用具の機能、使用方法、利用料、全国平均貸与価格等を示し、同一種目で機能や価格帯の異なる複数の商品の情報も提供したうえで、個別の貸与の同意を得た日を記録する
- 貸与と販売のどちらにも当たる福祉用具(対象福祉用具)では、どちらも選べることを十分に説明し、医師や理学療法士、居宅サービス計画の原案に位置付けた担当者などの意見と利用者の身体の状況を踏まえて提案した内容を記録する
- 貸与する福祉用具の機能、安全性、衛生状態を点検し、利用者の身体の状況に応じて調整したうえで、使用方法、使用上の留意事項、故障時の対応を書いた文書を交付して説明し、必要に応じて実際に使わせながら使用方法を指導した日を記録する
- 貸与後は、利用者等からの要請等に応じて使用状況を確認し、必要な使用方法の指導や修理を記録する。緊急やむを得ず身体的拘束等を行った場合は、態様と時間、利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録し、居宅サービス計画の必要な理由の記載を担当の介護支援専門員と確認する
関連ガイドで計画をつなぐ
隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
福祉用具貸与では、利用者にどんな情報を提供しますか?
基準第199条第1号は、目録等の文書を示して、福祉用具の機能、使用方法、利用料、全国平均貸与価格等に関する情報を提供し、個別の福祉用具の貸与について同意を得るとしています。第9号は、同一種目で機能や価格帯の異なる複数の福祉用具の情報も提供するとしています。
福祉用具を貸与する前に、事業者は何を行いますか?
第3号は、貸与する福祉用具の機能、安全性、衛生状態の点検を求めています。第4号は、利用者の身体の状況に応じた調整を行い、使用方法、使用上の留意事項、故障時の対応を書いた文書を交付して十分な説明を行い、必要に応じて実際に使わせながら使用方法を指導するとしています。
福祉用具貸与で、身体的拘束等を行ってもよいですか?
第6号は、利用者または他の利用者等の生命または身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならないとしています。行った場合は、第7号により記録が必要です。記録するのは、態様と時間、その際の利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由です。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第199条 指定福祉用具貸与の具体的取扱方針、第199条の2 福祉用具貸与計画の作成、第204条の2 記録の整備)」(基準第199条第1号〜第9号、第199条の2第1項〜第8項、第204条の2第2項第1号)(確認日 2026-10-28)