運営 / 更新 2026-10-16

訪問介護の訪問日時を変えるとき:居宅サービス計画の「軽微な変更」と訪問介護計画

利用者の希望で訪問日時を動かすとき、居宅サービス計画の変更に求められる一連の業務が省けるのは、解釈通知が「軽微な変更」と呼ぶ場合で、その判断をするのは担当の介護支援専門員(ケアマネジャー)です。訪問介護事業所の側は、居宅介護支援事業者への連絡と、訪問介護計画の更新・説明・同意・交付を、それぞれ運営基準に沿って行います。この記事は、居宅介護支援の基準第13条第16号とその通知、訪問介護の基準第17条・第24条とその通知の原文で、役割の分かれ目を確認します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

利用者の希望で訪問介護の日時を変えたいとき、居宅サービス計画の変更に求められる一連の業務が省ける「軽微な変更」とは何か(判断するのは誰か)と、訪問介護事業所が運営基準で行うこと(居宅介護支援事業者への連絡、訪問介護計画の変更と説明・同意・交付)を、条文と通知で順に確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、訪問日時の変更の受付メモ(変更の内容、ケアマネジャーへの連絡日、計画上の扱いの確認結果、訪問介護計画の更新と説明の記録)を作成できる状態を目指します。

結論:「軽微な変更」かどうかを決めるのはケアマネジャー、事業所は連絡と計画の更新

居宅介護支援の基準第13条第16号は、居宅サービス計画を変更するときも、第3号から第12号までの規定(計画を作る一連の業務)を準用すると定めています。これに対し、解釈通知(老企第22号)は、利用者の希望による軽微な変更の場合はこの必要はないとし、例として「サービス提供日時の変更等で、介護支援専門員が第3号から第12号までに掲げる一連の業務を行う必要性がないと判断したもの」を挙げています。

通知の文言は、必要性がないと判断する主体を介護支援専門員としています。訪問介護事業所が、日時の変更だから軽微な変更だと自分で決めてよいという書き方にはなっていません。まず担当のケアマネジャーへ連絡し、扱いを確認するのが基本の流れです。

事業所に求められることは、訪問介護の運営基準にあります。第17条は、利用者が居宅サービス計画の変更を希望する場合に、居宅介護支援事業者への連絡その他の必要な援助を行うこと、第24条は、訪問介護計画を居宅サービス計画の内容に沿って作り、実施状況を把握して必要に応じて変更することを定めています。

日時の変更を受けてからの流れと、それぞれの根拠

次の表は、利用者が訪問日時の変更を希望したときの流れを、担い手と根拠の条文・通知とあわせて並べたものです。軽微な変更として扱われた場合も、そうでない場合も、事業所が最初にすることは同じです。

訪問日時の変更を希望されたときの流れ(担い手と根拠)
順序すること担い手根拠
1変更の希望を受け、変更前後の日時と理由を記録する事業所(実務上の整理。記録そのものを定めた条文ではありません)
2居宅介護支援事業者(担当のケアマネジャー)へ連絡する事業所運営基準第17条
3計画の変更に一連の業務が必要か、軽微な変更かを判断するケアマネジャー居宅介護支援の基準第13条第16号と老企第22号
4必要とされた場合は、課題分析・サービス担当者会議・計画の交付・訪問介護計画の提出依頼などが行われるケアマネジャー(事業所は求めに応じる)居宅介護支援の基準第13条第3号〜第12号
5計画の記載事項が変わり、必要に応じて訪問介護計画を変更するときは、説明・同意・交付を行うサービス提供責任者運営基準第24条第5項・第6項
6実際に提供した日時を提供の記録に残す事業所・訪問介護員運営基準第19条

ケアマネジャー側の確認:軽微な変更でも「課題の変化」には目を向ける

老企第22号は、居宅サービス計画を変更する際の原則として、基準第13条第3号から第12号までに規定された一連の業務を行うことが必要だとしています。ここでいう一連の業務には、通知の別の項の見出しで、利用者の課題分析(第6号)、サービス担当者会議の開催(第9号)、居宅サービス計画の利用者への交付(第11号)、担当者に対する個別サービス計画の提出依頼(第12号)が挙げられています。

軽微な変更に当たる場合でも、通知は、介護支援専門員が利用者の解決すべき課題の変化に留意することが重要であることは、第13号(実施状況の把握及び評価等)に規定したとおりだと念を押しています。日時の変更の背景に、体調の変化や家族の都合の変化があるときは、事業所からその情報をケアマネジャーに伝えることが、この確認を支えます。

事業所の側から見ると、日時の変更の連絡には、変更の理由として聞いた事情をあわせて伝えておくと、ケアマネジャーが軽微な変更として扱うか、課題の見直しまで含めて扱うかを判断しやすくなります。理由の聞き取りは、利用者への詮索にならない範囲で、日常の会話の中で行います。

事業所側の確認:訪問介護計画の日程と、更新したときの説明・同意・交付

訪問介護の運営基準第24条第2項は、訪問介護計画を、既に居宅サービス計画が作成されている場合は、その計画の内容に沿って作成しなければならないとしています。第5項は、サービス提供責任者が、計画の作成後も実施状況の把握を行い、必要に応じて計画の変更を行うものとし、第6項は、第1項から第4項までの規定を、この変更に準用すると定めています。第3項は利用者または家族への説明と同意、第4項は利用者への交付ですから、計画を変更するときも説明・同意・交付の手順が対象になります。

解釈通知(老企第25号)は、訪問介護計画書に、担当する訪問介護員等の氏名、サービスの具体的内容、所要時間、日程等を明らかにするものとしています。一方で、計画書の様式は各事業所ごとに定めるもので差し支えないとも書かれています。日程を計画書にどこまで細かく書いているかによって、日時の変更が計画書の更新に結びつく場面が変わるため、自事業所の様式で、どの記載事項が変わったら更新するかを決めておくと運用がぶれません。

なお、第17条の通知は、指定訪問介護を法定代理受領サービスとして提供するには、その訪問介護が居宅サービス計画に位置付けられている必要があることを踏まえた規定だと説明しています。通知が明示しているのは、サービスを追加する場合に、支給限度額の範囲内で居宅サービス計画を変更する必要があることの説明などの援助です。曜日や回数を大きく変える希望についても、同じ考え方でケアマネジャーに確認してから進めるのが無理のない進め方です(これは通知の文言ではなく、この記事の整理です)。

日時の変更が他の算定の見方に関わるとき

訪問の日時を動かすと、前回の訪問との間隔や、加算の対象になる時間帯に入る・出るといった変化が起きる場合があります。間隔が2時間未満の訪問の扱いは訪問介護の訪問間隔が2時間未満のときの所要時間の合算と例外(20分未満の頻回訪問)、夜間・早朝・深夜の時間帯は訪問介護の夜間・早朝・深夜加算の時間帯と加算率(100分の25・50)で、通知の文言を確認できます。

月の予定と実績の突き合わせは訪問介護のサービス提供票の月次手順:ケアマネから受け取り、実績と突き合わせて請求へ、提供の記録の書き方は訪問介護のサービスの提供の記録(基準第19条)と身分を証する書類の携行(第18条)にあります。日時の変更が重なる月は、実績がサービス提供票の予定とずれやすいため、変更の連絡を受けた日と連絡先を記録しておくと、月末の突き合わせで経緯を説明できます。

この記事で確認していないことと、次に読む記事

通知は、軽微な変更の例としてサービス提供日時の変更等を示すだけで、どの程度の変更までが軽微かを数値や条件で定めてはいません。個々の変更が軽微な変更として扱われるかは、担当のケアマネジャーの判断と、保険者・指定権者の運用に従う事項です。この記事は、条文と通知の原文で確認できた役割分担だけを書いています。

計画にない依頼を受けたときの流れは訪問介護の居宅サービス計画に沿った提供(基準第16条・第17条)、訪問介護計画の記載事項と作成の順序は訪問介護計画の作成・変更サイクルと記載事項、要介護状態区分が変わったときの見直しは要介護度変更時の訪問介護の見直し:効力・限度額・加算の割合、サービス担当者会議との関わりはサービス担当者会議で訪問介護事業所がすること:状況の把握・訪問介護計画の提出・変更の連絡で整理しています。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 利用者や家族から日時の変更を希望されたら、変更前後の日時と理由を記録し、居宅介護支援事業者(担当のケアマネジャー)へ連絡する
  2. 変更が居宅サービス計画の変更を要する内容か、軽微な変更として扱うかは、担当のケアマネジャーの判断を確認して記録する
  3. 訪問介護計画に記載した日程や所要時間が変わる場合は、サービス提供責任者が計画を更新し、利用者または家族へ説明して同意を得て、交付する運用を確かめる
  4. 変更後の訪問から提供の記録に実際の日時を記入し、月の予定と実績の差を翌月の請求前に突き合わせる

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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