事業計画 / 更新 2026-10-28

訪問介護の事務員の配置:人員基準に定めはあるか・常勤換算の扱い

訪問介護の人員基準で置くと定められているのは、訪問介護員等、サービス提供責任者、管理者の3つです。基準省令の第5条と第6条の本文に、事務員を置く定めは書かれていません。このページは、省令第5条から第7条と解釈通知から、事務員の定めの有無、常勤換算2.5への入れ方、事務室の扱いを整理します。

置くと定められているのは3つ

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)のうち、訪問介護の人員は第5条と第6条にあります。2026年10月28日に e-Gov の本文を取得して確認しました。

訪問介護の人員基準で置くと定められている職種(省令第5条・第6条)
職種条文の定め条
訪問介護員等事業所ごとに、常勤換算方法で2.5以上第5条第1項
サービス提供責任者常勤の訪問介護員等のうち、利用者の数が40又はその端数を増すごとに1人以上第5条第2項
管理者専らその職務に従事する常勤の管理者。管理上支障がない場合は他の職務などに従事できる第6条

この記事で決めること

訪問介護の開業準備者が、事務員を置く義務があるか、事務員の時間が常勤換算2.5に入るか、事務室をどう用意するかを、省令と解釈通知の本文で確かめたい。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、事務の担い手の確認表(事務を誰が担うか、常勤換算に入れる時間と入れない時間、事務室または区画の場所)を作成できる状態を目指します。

事務員を置く定めは、取得した本文にない

第5条と第6条の本文に、事務員(事務職員)を置くことを求める文は書かれていません。解釈通知(平成11年9月17日老企第25号)の本文を取得して「事務員」「事務職員」を探しましたが、この通知の本文には出てきませんでした。

ほかのサービスの基準には、事務職員の配置を特例の条件にしているものがあります。居宅介護支援はその例で、居宅介護支援事業所の人員基準で整理しています。訪問介護の基準に同じ定めが書かれているわけではありません。

この記事で確かめたのは省令と通知の本文です。指定申請のときに、事業所の状況の説明として事務の体制を求められるかどうかは、事業所のある都道府県や市区町村などの指定権者に確認してください。

事務員の時間は常勤換算2.5に入るか

第5条第1項の2.5以上は、訪問介護員等の員数です。訪問介護員等は、条文で「指定訪問介護の提供に当たる介護福祉士又は法第八条第二項に規定する政令で定める者」と定義されています。事務だけを担う人は、この定義の文言には当たりません。

通知は、常勤換算方法を、事業所の従業者の勤務延時間数を、常勤の従業者が勤務すべき時間数(32時間を下回る場合は32時間を基本とする)で除する方法としています。勤務延時間数は、勤務表上、サービスの提供に従事する時間、またはサービスの提供のための準備等を行う時間(待機の時間を含む)として明確に位置付けられた時間の合計です。

どこまでが「準備等を行う時間」に当たるかは、通知の本文からは判断できません。大阪府の指定申請の案内には、勤務体制一覧表の常勤換算を管理者・事務員等を除いて計算するとの記載があります(勤務体制及び勤務形態一覧表で整理)。ほかの指定権者の取り扱いは、それぞれの案内で確かめてください。

常勤換算の数え方は常勤・専ら従事・勤務延時間数の定義で、2.5の基準全体は訪問介護の人員基準で整理しています。

管理者やサービス提供責任者が事務を兼ねるとき

第6条のただし書は、管理上支障がない場合は、管理者が当該事業所の他の職務に従事し、または他の事業所、施設等の職務に従事することができるとしています。事務を管理者が担う形を考えるときは、この支障の有無が論点になります。兼務できる範囲は訪問介護の管理者の要件で整理しています。

サービス提供責任者は、第5条第4項で、専ら指定訪問介護に従事する者を充てるとされています。事務をどこまで兼ねてよいかは、通知の本文から読み取れません。サービス提供責任者の業務の整理は管理者とサービス提供責任者の責務にあり、補助してよい範囲は指定権者への確認事項です。

事務室は専用の区画があればよい

第7条は、事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の区画を設けるほか、必要な設備及び備品等を備えるよう求めています。

通知は、専用の事務室を設けることが望ましいとしたうえで、間仕切りなどで他の事業の用に供するものと明確に区分されれば、他の事業と同一の事務室でも差し支えないとしています。区分されていなくても業務に支障がないときは、訪問介護の事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるとしています。

事務室または区画は、利用申込の受付、相談等に対応するのに適切なスペースを確保するものとされています。事務を担う人の机を置く場所は、この区画の中で考えます。

人件費に入れるときの考え方

事務員は人員基準の員数に入らない職種なので、置く場合の人件費は、基準を満たすための費用ではなく、事業所が必要と判断する費用として計画に入れることになります。事務員の給与の公的な統計値は、この記事では確認していません。

人件費率の見方は訪問介護の人件費率で、役割ごとの採用時期を人件費に反映する手順は訪問介護の人員計画と採用シナリオで整理しています。金額は収支シミュレーターの職員の行に入れて確かめられます。請求の流れは国保連請求・入金・返戻の月次サイクルで整理しています。

次に知りたいこと

置くと定められた職種と員数の全体は、訪問介護の人員基準で確認できます。

このページは、2026年10月28日に確認した省令と通知の整理にとどまり、個別の事業所の体制の可否は判断しません。最新の取り扱いは、厚生労働省と指定権者の案内で確認が必要です。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 人員基準で置くと定められた3つの職種を先に決める。訪問介護員等は常勤換算で2.5以上、サービス提供責任者は利用者40人又はその端数ごとに1人以上、管理者は専らその職務に従事する常勤の1人で、事務員はこの3つに入っていない
  2. 請求・記録・シフトなどの事務を誰が担うかを決める。事務員を置く場合は、事務のみの時間を勤務表の訪問介護員等の時間と分けて書き、2.5の計算に入れない
  3. 管理者やサービス提供責任者が事務を兼ねる場合は、管理上支障がないか、専ら従事する要件に反しないかを、指定権者に確認する
  4. 事務室または区画の場所を決める。利用申込の受付や相談に対応するスペースを確保し、他の事業と同じ部屋なら間仕切りなどで区分するか、訪問介護の区画を明確に特定する

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

訪問介護事業所に事務員を置く義務はありますか?

基準省令の第5条(訪問介護員等・サービス提供責任者)と第6条(管理者)の本文に、事務員を置く定めは書かれていません。取得した解釈通知の訪問介護の人員の項にも、事務員の語は出てきません。実際の指定の審査で求められる書類は、指定権者に確認してください。

事務員の勤務時間は、常勤換算2.5人に入りますか?

第5条第1項の2.5人は、指定訪問介護の提供に当たる介護福祉士等である訪問介護員等の員数です。通知は、勤務延時間数をサービスの提供に従事する時間または提供のための準備等を行う時間として勤務表上で明確に位置付けられた時間としています。事務のみの時間の扱いは、指定権者の案内で確かめてください。

訪問介護の事務所は、専用の事務室が必要ですか?

第7条は専用の区画を求めています。通知は、専用の事務室を設けることが望ましいとしつつ、間仕切りなどで他の事業と明確に区分されれば同一の事務室でも差し支えないとしています。区分されていなくても、訪問介護の区画が明確に特定されていれば足りる場合があります。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 訪問介護の人員基準(サ責の配置基準・常勤換算2.5・管理者) →