運営 / 更新 2026-10-25

訪問介護の所要時間区分と単位数:身体介護163〜567単位・生活援助179〜220単位

訪問介護費は、身体介護が中心か、生活援助が中心か、通院等乗降介助かで3つに分かれ、前の2つはさらに所要時間で区分されます。この記事は、告示の訪問介護費の区分と所定単位数を1つの表にし、所要時間は現に要した時間ではなく計画の標準的な時間で決まるという定めを確かめます。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

訪問介護費はイ・ロ・ハの3つの区分で始まる

指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準の別表で、訪問介護費は、イが身体介護が中心である場合、ロが生活援助が中心である場合、ハが通院等のための乗車又は降車の介助が中心である場合と並んでいます。1回の訪問が、このどれに当たるかが、売上の組み立ての出発点です。

イの身体介護は、利用者の身体に直接接触して行う介助と、そのための準備・後始末、機能の向上等のための介助や専門的な援助を指します。身体介護が中心の訪問を算定できる訪問介護員等は、介護福祉士や介護職員初任者研修課程の修了者などに限られます。

ロの生活援助は、単身の世帯に属する利用者、または同居する家族等に障害、疾病等の理由があって、利用者か家族等が家事を行うことが困難な場合の調理、洗濯、掃除等が対象です。同居家族がいる場合の扱いは、同居家族がいる場合の訪問介護の記事で整理しています。

この記事で決めること

訪問介護の売上を組み立てる事業者が、1回の訪問がどの区分で何単位になるかを、告示の表で確かめる記事。時間は計画に位置付けた標準的な時間で決まる、という注1の定めも扱う。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、訪問介護の所要時間区分の確認表(1枚):利用者ごとの訪問の内容、計画に書く標準的な時間、当てはまる区分と所定単位数を作成できる状態を目指します。

区分ごとの所要時間と所定単位数

告示の単位数は、身体介護が中心の場合、所要時間20分未満が163単位、20分以上30分未満が244単位、30分以上1時間未満が387単位です。1時間以上は567単位に、所要時間1時間から計算して30分を増すごとに82単位を加算します。

生活援助が中心の場合は、所要時間20分以上45分未満が179単位、45分以上が220単位です。通院等乗降介助は、時間による区分がなく、1回につき97単位です。

これらは加算・減算や地域区分を掛ける前の所定単位数です。金額への直し方は、訪問介護の介護報酬の算定構造の記事で扱っています。

訪問介護費の所要時間区分と所定単位数(指定居宅サービス介護給付費単位数表・訪問介護費)
区分所要時間所定単位数
イ 身体介護が中心20分未満163単位
イ 身体介護が中心20分以上30分未満244単位
イ 身体介護が中心30分以上1時間未満387単位
イ 身体介護が中心1時間以上567単位に、1時間から30分を増すごとに82単位を加算
ロ 生活援助が中心20分以上45分未満179単位
ロ 生活援助が中心45分以上220単位
ハ 通院等のための乗車又は降車の介助が中心時間の区分なし(1回につき)97単位

所要時間は、現に要した時間ではなく計画の標準的な時間

注1は、訪問介護費を、現に要した時間ではなく、訪問介護計画に位置付けられた内容の訪問介護を行うのに要する標準的な時間で算定すると定めています。その日の訪問が予定より早く終わっても長引いても、区分は計画の標準的な時間で決まります。

このため、区分を決める出発点は訪問介護計画の記載です。計画に書く標準的な時間は、利用者の状態とケアプランの内容に基づくもので、請求のために後から調整するものではありません。計画の作成と見直しは、訪問介護計画書の様式の記事で整理しています。

区分の判断で別の定めが関わる3つの場面

1つめは、身体介護が20分未満の場合です。注2は、身体介護が中心の訪問の所要時間が20分未満である場合、イ(1)の所定単位数を算定すると定めています。頻回な訪問の扱いは、20分未満の身体介護の頻回な訪問の記事で整理しています。

2つめは、身体介護に引き続いて生活援助を行う場合です。この場合は、身体介護の単位数に、生活援助の所要時間に応じた加算を足します。加算の単位数は、身体介護に引き続く生活援助加算の記事で確かめられます。

3つめは、前回の訪問から間隔が短い場合です。留意事項通知は、おおむね2時間未満の間隔で行われた訪問の所要時間を合算するとしており、条件と例外は訪問の間隔が2時間未満の場合の所要時間の記事で扱っています。

確かめた範囲と、次に読む記事

次に読む記事は3本です。身体介護と生活援助の行為の分かれ目はサービス行為の区分(老計10号)の記事にあります。

通院等乗降介助の算定の条件は通院等乗降介助の記事、区分別の月間売上は基本報酬の早見表の記事で確かめられます。

この記事の内容は、告示の訪問介護費の所要時間区分と所定単位数、注1から注3を、2026年10月25日に原文で確かめたものです。ハの算定の条件は、通院等乗降介助の記事に任せています。地域区分を掛けた金額、加算・減算、個別の利用者の区分判断は、書いていません。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 利用者ごとに、1回の訪問で行う内容を、身体介護が中心か、生活援助が中心か、通院等乗降介助かに分けて書き出す
  2. それぞれの内容を行うのに要する標準的な時間を、訪問介護計画とケアプランの記載から写し、実際にかかった時間とは別の列に置く
  3. 標準的な時間を告示の所要時間区分(身体介護の4区分、生活援助の2区分、通院等乗降介助)に当てはめ、所定単位数を書き込む
  4. 20分未満の身体介護、身体介護に引き続く生活援助、前回の訪問からおおむね2時間未満の間隔など、区分の判断に迷う訪問は、担当のケアマネジャーと保険者(市町村)に、計画の記載と訪問の内容を示して確認し、回答を日付つきで残す

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 訪問介護の身体介護に引き続く生活援助加算(65〜195単位) →