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運営 / 更新 2026-10-15

訪問介護の月次KPIと予実差異分析

月次管理では利益額だけでなく、訪問件数、提供時間、有給時間、請求・返戻、入金、現金残高の差を分解します。

予実差の順番

売上差を件数、サービス構成、単位・単価へ分け、人件費差を人数、給与、有給時間へ分けます。最後に入金時期と未収を確認します。

この記事で決めること

計画と実績の差を件数・時間・費用・現金へ要素分解し、改善要因か構造要因かを見極めるための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、件数・時間・費用・現金の差を分解した月次レビュー表を作成できる状態を目指します。

分解計算式と数値の目安

売上差は、件数差異=(実績件数-計画件数)×計画単価と、単価差異=(実績単価-計画単価)×実績件数の二つに分けます。二つを合計すると売上差の全体と一致するため、検算に使えます。複数のサービス区分がある場合は、この計算をサービス区分ごとに行って合算します。

例えば計画が訪問100件・平均単価1,000円(計画売上10万円)、実績が95件・平均単価1,050円(実績売上9万9,750円)だったとします。件数差異は(95-100)×1,000円で-5,000円、単価差異は(1,050円-1,000円)×95件で+4,750円となり、合計-250円が実際の売上差と一致します。

人件費差も同じ考え方で、人数差異=(実績人数-計画人数)×計画給与と、給与差異=(実績給与-計画給与)×実績人数に分けます。

計画が5人・平均給与25万円(計画人件費125万円)、実績が5人・平均給与26万円(実績人件費130万円)だった場合、人数差異は0円、給与差異は(26万円-25万円)×5人で5万円となり、人数ではなく給与水準の変化で差が生じたと確認できます。

実績総費用の差の読み方

シミュレーターの「基準計画と実績」には、実績訪問件数、実績売上、実績総費用を入れる欄があります。いずれかが0より大きいと、基準計画との差が表になります。

実績総費用の差は、実績総費用-計画総費用です。計画総費用は、基準計画の人件費、固定費、変動費の合計です。

例えば計画総費用が80万円、実績総費用が83万円なら、差は+3万円です。この欄は総額を1つだけ受け取るため、差が固定費の増加なのか、変動費の増加なのか、人件費の増加なのかは、表の数字だけでは分かりません。内訳を分けるには、請求書や給与台帳などの元の記録で、費目ごとの計画との差を別に確認します。

計画側の損益分岐の訪問件数は訪問介護の損益分岐点(訪問件数)、人件費率の計画値と公表値の読み方は訪問介護の人件費率にまとめています。

売上差と費用差の両方を見て、件数の差か、単価の差か、費用の差かを順に確認します。費用が増えて売上が計画どおりなら利益は計画を下回るため、差の原因は記録で確かめてから計画値を見直します。

改善か前提変更か

入力ミスや一時的な遅れと、商圏・採用・移動の構造的な差を区別します。計画値を実績へ合わせるだけでなく、当初仮説が反証された記録を残します。

経営指標の早見表:計算式と公表値の有無、読む記事

月次で見る主な指標を、計算式、全国の公表値があるかどうか、詳しく読む記事の順に並べました。公表値は全国の平均であり、自事業所の目標値ではありません。

訪問介護の経営指標と、公表値・詳しい記事
指標計算式全国の公表値読む記事
稼働率サービス提供時間の合計÷勤務延時間の合計(定義は事業所ごとに異なる)公的な平均値は無い稼働率の計算式と平均
人件費率給与費÷収入、またはシミュレーターの月間人件費÷月間売上給与費は収入の67.8%(令和7年度調査、令和6年度決算)訪問介護の人件費率
離職率1年間の離職者数÷1年前の在籍者数訪問介護員11.6%(令和7年度介護労働実態調査)訪問介護の離職率の計算式
キャンセル数え方の定義は載せていない。休業手当の要否は勤務表で特定された後の取消しかで分かれる公表値は載せていない利用者キャンセルと休業手当
収支差率(収入−支出)÷収入。調査では差引が収支差率にあたる税引前収支差率9.6%(令和7年度調査、令和6年度決算)訪問介護の売上構造と報酬計算

月次で見る指標の式と公表値

月次で見る稼働率・人件費率・損益分岐点・収支差率の式と、厚生労働省の調査で公表されている水準は、訪問介護の経営指標の早見表:稼働率・人件費率・損益分岐点・収支差率で1枚にまとめています。

年間計画と月次の予実管理

月次の数字を年間の目標とつなげて見る方法は、訪問介護の年間事業計画と月次の予実管理(年間目標・月次の数字・差への動き方)で整理しています。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 計画値と実績値の締め日をそろえる
  2. 売上差を件数・構成・単価へ分ける
  3. 人件費差を人数・時間・単価へ分ける
  4. 翌月の修正と前提変更を区別して記録する

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

月次の予実差異は何に分けて見ますか?

件数、時間、費用、現金の要素に分けて、差が改善できる要因か構造的な要因かを見極めます。単一の指標だけで経営を評価しません。

予実差異が出たら、すぐに計画を作り直しますか?

1か月の差だけで計画を作り直さず、要因の分解を先に行います。構造要因と判断できたものから、計画の前提を見直します。

月次の指標から将来の利益を見込めますか?

月次の指標は、計画と実績の差を読むための材料です。そこから将来の利益を見込むことはできません。

事業計画ツールで確かめる

記事で整理した前提を事業計画ツールへ入力し、基準ケースだけでなく保守ケースの結果も確認します。

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一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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