運営 / 更新 2026-10-24

訪問介護にサービス提供体制強化加算はあるか:告示の加算一覧と特定事業所加算との関係

訪問介護には、サービス提供体制強化加算がなく、算定基準(厚生労働省の告示)の訪問介護費の項にその名前の加算は載っていません。同じ告示で、訪問入浴介護・訪問看護・訪問リハビリテーション・通所介護には載っています。この記事は、訪問介護費の加算と減算を告示の単位数で並べ、特定事業所加算との違いを整理します。

この記事の要点

結論
訪問介護費の項に、サービス提供体制強化加算は載っていない(平成12年厚生省告示第19号 別表の現行本文)
載っているサービス
訪問入浴介護・訪問看護・訪問リハビリテーション・通所介護の項に載っている
訪問介護で体制を評価する加算
特定事業所加算。所定単位数の100分の20・10・10・3・3(定額の単位数ではない)
訪問介護費の加算
初回加算200単位、生活機能向上連携加算、口腔連携強化加算50単位、認知症専門ケア加算、緊急の訪問100単位、処遇改善加算ほか(一覧は本文の表)
事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

訪問介護費の項にサービス提供体制強化加算は載っているか

指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(厚生労働省の告示)の別表は、サービスごとに報酬を定めています。2026年10月24日に、厚生労働省が掲載する現行の本文(令和8年6月1日施行の改正を反映した版)を「サービス提供体制強化加算」で検索しました。語が出た箇所は、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護の項で、訪問介護費の項には出てきませんでした。

訪問介護費の項の見出しに載る加算は、ニ初回加算、ホ生活機能向上連携加算、ヘ口腔連携強化加算、ト認知症専門ケア加算、チ介護職員等処遇改善加算の5つです。このほかに、注として載る特定事業所加算や特別地域訪問介護加算などがあります。「訪問介護のサービス提供体制強化加算」という名前で届出や請求をする場面は、告示の上では想定されていません。

この記事で決めること

訪問介護の事業者が、サービス提供体制強化加算が訪問介護にあるのかを知りたいとき、告示で確かめた訪問介護費の加算の一覧と、似た役割の特定事業所加算との違いを知りたい人向け。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、自事業所の訪問介護の加算の確認表(1枚):告示に載る加算ごとの算定の有無、届出の要否、根拠の条項、担当者と確認日を作成できる状態を目指します。

サービス提供体制強化加算が載っている介護サービスと単位数

同じ告示では、次のサービスにサービス提供体制強化加算が載っています。単位数と単位の区切りは告示の本文から写したもので、算定の要件(介護福祉士の割合や勤続年数など)はサービスごとに別の告示で定められるため、この記事では扱いません。

訪問介護の事業所が訪問入浴介護や通所介護を併設・展開する場合は、そのサービスの欄にだけ、この加算が出てきます。ほかのサービスにも同じ名前の加算がありますが、この記事では確かめておらず、書いていません。

サービス提供体制強化加算の単位数(告示の別表。訪問介護は載っていない)
サービス区分と単位数単位の区切り
訪問入浴介護(Ⅰ)44単位・(Ⅱ)36単位・(Ⅲ)12単位1回につき
訪問看護(イ・ロを算定する場合)(Ⅰ)6単位・(Ⅱ)3単位1回につき
訪問リハビリテーション(Ⅰ)6単位・(Ⅱ)3単位1回につき
通所介護(Ⅰ)22単位・(Ⅱ)18単位・(Ⅲ)6単位1回につき
訪問介護載っていない-

訪問介護で職員体制を評価するのは特定事業所加算

訪問介護で、事業所の体制や人材を評価する加算は、特定事業所加算です。告示は、特定事業所加算(Ⅰ)を所定単位数の100分の20、(Ⅱ)と(Ⅲ)を100分の10、(Ⅳ)と(Ⅴ)を100分の3に相当する単位数と定め、1回の訪問ごとに所定単位数へ加算します。サービス提供体制強化加算のように区分ごとの定額の単位数ではなく、基本の報酬に掛ける割合で決まる点が違います。

また告示は、特定事業所加算(Ⅴ)とその他の加算を同時に算定する場合を除き、特定事業所加算のいずれかを算定しているときは、ほかの区分は算定しないと書いています。要件は特定事業所加算の算定要件と、人材要件の計算を扱う人材要件の割合の計算で確認できます。

告示で確かめた訪問介護費の加算・減算の一覧

次の表は、同じ告示の訪問介護費の項から、算定の形(単位数または割合)を写したものです。算定の要件や対象になる利用者は、各行の記事で整理しています。なお、告示の一覧は改正で変わるため、請求の前に最新の告示と通知で確かめてください。

届出の文言にも違いがあります。特定事業所加算、口腔連携強化加算、認知症専門ケア加算、介護職員等処遇改善加算の注には、都道府県知事に届出を行った事業所が算定すると書かれています。初回加算の注には、この届出の文言がありません(算定開始の月や届出の期限は加算別の届出の要否と算定開始月の早見表で確認できます)。

訪問介護費の項に載る加算・減算の算定の形(告示の本文)
加算・減算告示に書かれた算定の形詳しい記事
特定事業所加算(Ⅰ)〜(Ⅴ)1回につき所定単位数の100分の20・10・10・3・3特定事業所加算
初回加算200単位(1月につき)初回加算
生活機能向上連携加算(Ⅰ)100単位・(Ⅱ)200単位生活機能向上連携加算
口腔連携強化加算50単位(1月に1回に限る)口腔連携強化加算
認知症専門ケア加算(Ⅰ)3単位・(Ⅱ)4単位(1日につき)認知症専門ケア加算
計画にない緊急の訪問1回につき100単位(ケアマネジャーが必要と認めた場合)緊急時訪問介護加算
同時に2人の訪問介護員等が訪問所定単位数の100分の200(告示はイ及びロの区分について定める)2人の訪問介護員による訪問
夜間・早朝/深夜夜間・早朝は100分の25、深夜は100分の50を加算(1回につき)夜間・早朝・深夜の加算
特別地域訪問介護加算1回につき所定単位数の100分の15を加算特別地域訪問介護加算
介護職員等処遇改善加算告示の注に、届出を行った事業所が算定すると書かれている処遇改善加算
高齢者虐待防止措置未実施減算/業務継続計画未策定減算それぞれ所定単位数の100分の1を減算虐待防止措置とBCPの減算

事業所で確かめる順番:加算ごとに根拠の条項を残す

加算の確認表を作るときは、行を「告示の訪問介護費に載っているもの」だけで作ります。「サービス提供体制強化加算」の行を訪問介護に作ると、算定の根拠がない加算を探すことになります。他サービスを併設する場合は、そのサービスの欄にだけ置いてください。

月ごとの記録の点検は加算の月次自己点検で、基本の単位数と減算の比較は減算の比較表で整理しています。加算の算定の可否や届出の要否は、事業所の指定権者に確かめる事項です。

この記事で確認した範囲

厚生労働省が掲載する告示の現行本文(令和8年6月1日施行の改正を反映した版)を2026年10月24日に確認し、訪問介護費の項にサービス提供体制強化加算が見当たらないこと、各加算の単位数と割合、他サービスの同加算の単位数を写しました。

各加算の算定要件、加算率が別に定められる処遇改善加算の率、中山間地域等に関する加算は、この記事では確かめておらず、書いていません。指定や算定の可否を保証する記事ではありません。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 告示の訪問介護費に載る加算・減算(特定事業所加算、初回加算、生活機能向上連携加算、口腔連携強化加算、認知症専門ケア加算、緊急の訪問、処遇改善加算ほか)を行に書き出す
  2. 行ごとに、いま算定しているか、届出の文言が告示にあるか、届出済みかを書き、サービス提供体制強化加算の行は作らない
  3. 特定事業所加算を算定している、または目指している場合は、その区分を書き、介護福祉士の割合などの要件は特定事業所加算の記事と届出様式で別に確かめる
  4. 他サービス(訪問入浴・通所介護など)を併設する場合は、そのサービスの欄にだけサービス提供体制強化加算を書き、算定の開始月と届出は指定権者に確かめる

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 訪問介護の特定事業所加算(Ⅰ)〜(Ⅴ)の単位(加算率)と算定要件一覧(体制・人材) →